レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年09月11日
- 登録日時
- 2019/05/01 12:22
- 更新日時
- 2019/05/01 12:22
- 管理番号
- 9000027349
- 質問
-
忍野村(山梨県)で使われている農具「くるり」の使用方法を知りたい。併せて写真が載っている本があれば紹介してほしい。
- 回答
-
「くるり」は、脱穀の道具であり、「棒打(ぼうち)」と言った地方もある。
(『忍野村誌 第二巻』p.103に簡単な説明、p.408に写真あり)
一般的には「唐竿(からざお)」と呼ばれる農具で、柄、連結部、打棒の三部分からなり、打棒を回転させて筵などに広げた穀類を打ち脱粒する。
地方により様々な呼称がある。フリウチ、フリボウ、ウチボウ、クルリボウ、メグリボウ、メグイボウ、クルマボウ、タタキボウ、ブリなど。
唐竿の写真は『日本民具の造形』p.46、『シリーズ昔の農具 2 かま・千歯・とうみ』p.12にあり、特に後者には唐竿を使用してソバを脱穀している様子の写真が掲載されている。
参考資料をご覧ください。
- 回答プロセス
-
1.自館蔵書検索で「農具」「民具」×地域資料で検索→該当資料なし。
2.『忍野村誌』を調査
→p.403に解説、「棒打」といった地方もある、p.408に写真あり。
3.『山梨県史』を調査→なし
4.『富士山麓郷愁の民俗』を調査
→p.100に稗の脱穀についての記述あり。「筵を敷きつらねた前庭で二~三日日干しすると、クルリを振り上げてボウチ打がはじまる」
5.郡内地方、忍野村の写真集などを調査→なし
6.一般図書、児童図書を調査
『絵引民具の事典』索引に「クルリボウ」あり。pp.223-224「唐竿」という名称で図と解説があり、「クルリボウ」はその別名のひとつとして挙げられている。
『日本民具の造形』p.324索引の「唐竿」の項目に別名「くるり」あり。p.46に簡単な解説と山梨県上野原町の唐竿の写真がある。
『シリーズ昔の農具 2 かま・千歯・とうみ』p.12「唐竿」の解説と写真あり。また、別名の「くるり」が紹介されているほか、「唐竿」を使ってソバを脱穀している様子の写真もあった。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 農業 (610 9版)
- 衣食住の習俗 (383 9版)
- 参考資料
-
-
忍野村/編 , 忍野村. 忍野村誌 第2巻. 忍野村, 1989.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005759998-00 (p.403,408) -
岩井宏實 監修 , 工藤員功 編 , 中林啓治 作画 , 岩井, 宏実, 1932-2016 , 工藤, 員功, 1945- , 中林, 啓治, 1935-. 「絵引」民具の事典. 河出書房新社, 2008.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009606489-00 , ISBN 9784309224879 (pp.223-224) -
伊藤堅吉 著 , 伊藤, 堅吉, 1908-1987. 富士山麓郷愁の民俗. 図譜新社, 1968.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001112142-00 (p.100) -
川村善之 著 , 川村, 善之, 1924-. 日本民具の造形 : ものに心を通わせた歩み. 淡交社, 2004.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007427287-00 , ISBN 4473031810 (p.46,324) -
小川直之 監修 , こどもくらぶ 編 , 小川, 直之, 1953- , こどもくらぶ. シリーズ昔の農具 2. 農山漁村文化協会, 2013.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I024279442-00 , ISBN 9784540122484 (p.12)
-
忍野村/編 , 忍野村. 忍野村誌 第2巻. 忍野村, 1989.
- キーワード
-
- 農具
- くるり
- 棒打
- 唐竿
- 忍野村
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000255530