レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年07月05日
- 登録日時
- 2019/12/20 18:09
- 更新日時
- 2020/02/15 11:08
- 管理番号
- 企-190005
- 質問
-
解決
「Alan Courtney Tytheridge」という人物について知りたい。
- 回答
-
以下の資料を紹介した。
1.「国会図書館サーチ」を中心とした調査より
「国立国会図書館サーチ」で「Tytheridge」をキーワードに検索。
次の資料をはじめ、3件の図書を確認した。
①『英語会話の実際と応用』アラン・タイサリツヂ、 相良佐共著 泰文堂 1949 JP番号:49007236
この資料を「図書館向けデジタル化資料送信サービス」を利用して閲覧。
「緒言」に「(十一)尚ほ本書は前商大現法大教授アラン・タイサリツヂ(Alan Tytheridge)氏の厳密なる後閲を経たるのみならず(略)」とあり、在籍していた大学名が確認できた。
「国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス」を利用し「Tytheridge」で検索。
「Tytheridge, Alan A」の著者の表記(別名)は「タイサリッジ, アラン; タイサリツヂ, アラン」とあった。いくつか考えられる他の表記でも検索し、次の資料が確認できた。
②『ペン 1(11月創刊號)(1)』三笠書房 1936-11 JP番号:00021679
②は、当館の所蔵資料を確認し、p.14~17に「タイサリヂ先生」(内山呆人著)という記事が掲載されていた。内容は、著者が大学予科3年生の頃の「タイサリヂ先生」にまつわる回想録だった。
著者の内山呆人については「大正10年4月に法政大學豫科に入學した」というインターネット上の情報があったため、当館所蔵の法政大学関連資料を調査し、次の資料に氏名を確認した。
③『法政大学史資料集 第14集(法政大学歴代教員名簿 自明治十三年 至昭和十八年)』法政大学大学史資料委員会 法政大学 1991年
巻末の「人名索引」に「タイサリツチ,アラン」の項があり、大正10~11年度、大正14~昭和6年度の教員名簿に「予科講師」「予科教師」等として名前が掲載されている。
④『法政大学八十年史』法政大学編 法政大学 1961年
「第七章 大学予科」の「第二節 大学令による大学予科」に大正15年度当時の予科教員名が掲載されており、p.526に「(略)大場実治とアラン・タイサリッジも在外であった。」と記されている。(巻末の人名索引に「タイサリッジ」の項あり)
『法政大学百年史』法政大学編 法政大学 1980年 p.638に同様の記述あり。
なお、「国会図書館サーチ」で、次の資料も確認できた。
◯キーワード「タイスリッジ」で検索
⑤『人魚の悲しみ』アンデルセン著、片山昌造訳、松田文雄絵 紀元社 昭和23年 JP番号:45022960
この資料は「図書館向けデジタル化資料送信サービス」で閲覧可能。「アラン・タイスリッジ」による「ハンス・クリスチャン・アンデルセン(父母の方々に)」という解説文が掲載されていた。訳者の片山昌造は巻頭で、「またぼくの尊敬している英国文学者アラン・タイスリッジ氏から、ぼくのこの本のために、アンデルセンについての原稿をいただけたことは、ぼくの大きな光栄です。」と述べている。
◯キーワード「タイセリツジ」で検索
⑥『英作文法綜合新英語問題集』中山茂, アラン・タイセリツジ著 大学書林 1949年
同年には「解答篇」(JP番号:21411296)も出版されている。
いずれもデジタル化されておらず、当館でも所蔵していないため内容未確認。
2.Google検索を中心とした調査より
(1)官報情報
「Alan Tytheridge」を画像検索。1948年8月26日付の『OFFICIAL GAZETTE』(連合国による占領期間中の英文官報)のPDF版が確認できた。
名古屋大学大学院法学研究科附属法情報研究センター(JaLII)の「英文官報」のサイトを利用して、改めて当該の日付の『OFFICIAL GAZETTE』と日本語版の『官報』の内容を確認。「大蔵省告示第274号」として、「(略)東京建物株式会社」(略)に対し、「その管理する左記財産を(略)アラン・クルートーニー・タイセリツヂ(神奈川県高座郡茅ヶ崎町菱沼三千四番地)に引渡すことを命じた。」との記載があった。(『OFFICIAL GAZETTE』はp.7、日本語版『官報』はp.210に掲載)。
(2)財産に関する情報
「Tytheridge」をGoogleブックスで検索。次の資料を確認した。
⑦『第二次大戦における連合国財産処理 資料篇』大蔵省編 大蔵省 1966年
当館所蔵資料を確認したところ、「第二部 統計資料」の「(戦後の部)」の「七 連合国財産補償金支払明細表(連合国人別)」の「英国」の箇所に「A.C. Tytheridge」の名前、「請求金額」と「補償金額」が記載されていた。(p.366)。お尋ねの人物と同一人物という確証はないため参考資料として紹介した。
(3)一橋大学関連の情報
Googleで「タイスリッジ」をキーワードに検索。「如水会 12月クラブ」というサイトに掲載されている回想録を確認した。
「如水会 12月クラブ」は、東京商科大学(現在の一橋大学)の卒業生による同期会と記載があったため、一橋大学関係の資料を調査した。
⑧『一橋大学学問史 一橋大学創立百年記念』一橋大学学園史刊行委員会編 一橋大学 1986年
「英語講師」という既知情報から、「英語 一橋英語百年の歩み」(山川喜久男著 p.1047~1124)の内容を確認、p.1101に「A・C・タイズリッジ」の一橋大学における講師歴を中心とした略歴が掲載されていた。
また、p.1084にも「英語・英文学の本格的な専門家」として、名前が挙げられている。
⑨「<対談> 経済学文献を語る - 私と経済資料協議会の歩み -」(杉本俊朗、細谷新治著『経済資料研究』(1983), 16: 1-64)
京都大学学術情報リポジトリで全文公開されている記事のため内容を確認したところ、対談者の細谷新治の東京商科大学(一橋大学の前身)時代の話の中に、「英語の先生はそのほかに(略)外人教師でA・タイスリッジ(A.C. Tytheridge)(略)などの名前を思い出しますが」と、名前が挙げられていた(p.31)。
(4)抑留時代の情報
レファレンス申込書の「質問の所在」欄にあった「大東亜戦争勃発に伴う外事警察非常措置状況」について検索。
小宮まゆみ著「太平洋戦争と横浜の外国人 ―敵産管理と敵国人抑留―」という論文(PDF)が確認できた。
論文の末尾に掲載されている「【表1】 内山の神奈川第1抑留所抑留者名簿(1943 年6月~45 年8月)」の項番32に「アラン・タイゼリッチ 商大講師」の名前があり、「終戦まで抑留」と記載されていた。
この論文の著者による他の資料について、当館所蔵のものを確認した。
⑩小宮まゆみ著「神奈川第一「敵国人」抑留所-太平洋戦争下の外国人抑留をめぐって―」
(『小田原地方史研究 第20号』小田原原地方史研究会編 小田原地方史研究会 1997 (p.75-89)
p78「表2 神奈川第2抑留所(ローイングクラブ)抑留者名簿(1942年5月)」の項番75に「アラン・タイゼリッチ」の記載あり。
また、p.84「表4 神奈川第1抑留所(内山)抑留者名簿(1945年8月15日以降)」にも、項番20に「アラン・カートニー・タイゼリッチ」とあった。
⑪『敵国人抑留 戦時下の外国民間人 (歴史文化ライブラリー267)』小宮まゆみ著 吉川弘文館 2009
「戦争初期の抑留生活」の「初期の抑留者たち―抑留第一期」の「表3 神奈川第二抑留所(横浜ヨットクラブ)抑留者名簿(一九四二年五月)」の項番22に「アラン・タイゼリッチ」の名前があった。(p.47)。
また、「第一次交換船と抑留拡大」の「戦局の転換と抑留の拡大―抑留第二期」の「表6 第二期神奈川第一抑留所(内山)抑留者名簿(一九四三年六月~四五年八月)」の項番33にも、「アラン・タイゼリッチ」の名前あり。(p.107)。
- 回答プロセス
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国会図書館サーチで検索。
ヒットした資料を元に「Tytheridge」の日本読みを変えて再検索。
- 事前調査事項
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「大東亜戦争勃発に伴う外事警察非常措置状況」
- NDC
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- 大学.高等.専門教育.学術行政 (377)
- 国際法 (329)
- 参考資料
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アラン・タイサリッヂ/共著 , 相良 佐/共著 , アラン・タイサリッヂ , 相良 佐. 英語会話の実際と応用 第4版. 泰文堂, 1951.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I087681280-00 -
ペン 1(11月創刊號)(1). 三笠書房, 1936-11.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000675449-00 -
法政大学史資料委員会編 , 法政大学大学史資料委員会 , 法政大学. 法政大学歴代教員名簿 [1],2,3. 法政大学, 1991. (法政大学史資料集 / 法政大学大学史資料委員会編, 第14集, 第30-31集)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I010825476-00 -
アンデルセン 著 , 片山昌造 訳 , 松田文雄 絵 , Andersen, Hans Christian, 1805-1875 , 片山, 昌造, 1911-1986 , 松田, 文雄, 1908-1971. 人魚の悲しみ. 紀元社, 1948.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000814944-00 -
一橋大学学園史刊行委員会編 , 一橋大学学園史刊行委員会. 一橋大学学問史 : 一橋大学創立百年記念. 一橋大学, 1986.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I005362315-00 -
小宮まゆみ 著 , 小宮, まゆみ. 敵国人抑留 : 戦時下の外国民間人. 吉川弘文館, 2009. (歴史文化ライブラリー ; 267)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010045247-00 , ISBN 9784642056670
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アラン・タイサリッヂ/共著 , 相良 佐/共著 , アラン・タイサリッヂ , 相良 佐. 英語会話の実際と応用 第4版. 泰文堂, 1951.
- キーワード
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- Alan Courtney Tytheridge
- タイサリッジ
- タイサリッヂ
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査 書誌的事項調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000271058