レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20190625
- 登録日時
- 2019/05/28 11:22
- 更新日時
- 2021/05/06 11:25
- 管理番号
- R00-283
- 質問
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未解決
セヴラックの《セルダーニャCerdaña》の第4曲<リヴィアのキリスト像の前のラバ引きたちLes Muletiers devant le Christ de Lliva>に「O crux Ave!」という文言があり、グレゴリオ聖歌を指していると思しい。元の曲の種類とどういった際に歌われるものなのかを知りたい。
- 回答
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グレゴリオ聖歌であるが、セヴラックの楽譜に歌詞の続きの記載がないため、四旬節に歌われるものと聖十字架発見の祝日で歌われるもののどちらか確定できない。
- 回答プロセス
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1.所蔵している楽譜・CD・図書に説明がないか確認
いずれにもなかった。
2.調べ方マニュアルの『グレゴリオ聖歌について調べてみよう』で調べ方を確認
https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/images/icon/default_pdf.jpg
『Liber usualis』(実用典礼聖歌集)を確認したが、巻末のインデックスに「O crux ave」がなかった。
3.グレゴリオ聖歌に関する下記の参考図書で確認
『An index of gregorian chant』 (S03-469)に「O crux ave spes unica」があり、賛歌(イムヌス)であること、『Liber usualis』の1461ページに楽譜があることがわかった。
4.再度、『Liber usualis』の1461ページを確認。
「O crux ave~」というのは《Vexilla regis》という賛歌(イムヌス)の第6節である。
この賛歌が5月3日の聖十字架発見の祝日の晩課で歌われる際には第6節の一部が変更されると書かれている。この場合は「O crux ave・・・Paschale quae fers gaudium」という歌詞になる。もともとの《Vexilla regis》は四旬節第5主日(受難節第1主日)の晩課で歌われる賛歌である(Liber usualis: p. 575-6)。この場合の歌詞は「O crux ave・・・hoc passionis tempore」となる。
《Vexilla regis》の旋律とセヴラックの楽譜の「O crux ave!」と記載がある箇所の左手の旋律は一致しているため、同曲を指していることは間違いないと思われるが、歌詞の続きの記載がないため四旬節に歌われるものと聖十字架発見の祝日で歌われるもののどちらを想定しているかは確定できない。
- 事前調査事項
- NDC
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- 楽器.器楽 (763 9版)
- 参考資料
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- Liber usualis : missæ et officii : pro dominicis et festis : cum cantu Gregoriano : ex editione Vaticana adamussim excerpto : et rhythmicis signis in subsidium cantorum : a solesmensibus monachis : diligenter ornato. Desclée, 1964. (A05-963)
- An index of Gregorian chant. Bryden, John R. compiled. Harvard University Press, 1969, Vol.1. (S03-469) [参 765.6:INDOG:1)
- Cerdaña : etudes pittoresques pour piano. Sévérac, Deodat de. Salabert, c1919. (C15-538)
- キーワード
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- セヴラック Severac
- セルダーニャ Cerdana
- グレゴリオ聖歌
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000256427