レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/07/08
- 登録日時
- 2015/07/09 00:30
- 更新日時
- 2015/07/17 14:06
- 管理番号
- 6000022281
- 質問
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解決
若竹町にある住吉神社にある親子の狛犬について、同社のホームページに「二対で狛犬がそれぞれ独立して存立し、それが親子だと伝わる神社は全国的にみてもほとんどありません」という記述があります。親子の狛犬というのは全国的に多くあるそうですが、2対の親子の狛犬が本当に珍しいのか教えてください。ちなみに、親子の狛犬の意味が分かる資料があれば併せて教えてください。
- 回答
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①二対の親子の狛犬は全国的に珍しいのか
狛犬に関する資料をいくつか調べましたが二対の狛犬(合計四体)についての記載は見つかりませんでした。個人のウェブサイトでは全国で十例ほどの写真が載っていますが、各神社のウェブサイトには写真や説明はありませんでした。
『THE狛犬!コレクション』(立風書房)『日本全国・獅子狛犬ものがたり』(戎光祥出版)によると、全国各地で親子の狛犬はあるようですが「親子」と紹介されている狛犬はいずれも子どもの狛犬がくっついていて合計三体というものばかりでした。子どもの狛犬は親の背中に乗っている、あるいは足元でじゃれている、お乳を飲んでいる、など様々な形があります。二対の親子は見当たりませんでした。
②親子の狛犬の意味がわかる資料
親子の狛犬についての説明が載っていた資料とその内容は次のとおりです。
『日本全国獅子・狛犬ものがたり』p.122/東京都大田区・三輪神社/片方の狛犬が子獅子を背中に乗せている親子の狛犬/「三つの神社を合祀した際に氏子によって奉納された」と記載あり。
『伊丹の狛犬たち』(伊丹市立博物館友の会)p.16/天満神社/片方の狛犬の前足にはさまれて小さな狛犬がいる/「子供を抱いている/子連れが珍しく、安産の神として好評」と記載あり。
- 回答プロセス
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『大阪(なにわ)狛犬の謎』(ナカニシヤ出版)p.157住吉神社(若竹町)の狛犬についての記述あり。二対あることに対して著者が宮司さんに伺ったところ、「氏子の方々が親子の狛犬だと言われ、大事にしていただいています」とのこと。著者の推測によると「おそらくは鹿野宗兵衛が別々の神社にそれぞれ寄進していたのだろうが神社の合祀によって狛犬も移され、同じ場所で型を並べることになったと思われる。」
『狛犬事典』(戒光祥出版)には、江戸時代に雌雄の別が生じてきたこと(p.185)や子持ちに球持ちと左右異なった姿勢を持つものも生じてきた(p.203)ことが書かれているが親子については書かれていなかった。
p.222には「おもしろいことに最近、社頭に新調される狛犬は子連れや球取りのものが多く、ほとんどといってもよいくらいである。知り合いの石工の話によると、狛犬を注文に来る神職・総代さん方に、いろいろな狛犬の姿の写真をみせるそうであるが、例がいなく子連れ。球取りの姿のものを希望されるそうである。世をあげて「マイホーム型」になってきた世相が、狛犬にもみることができる。」という記載はあった。
- 事前調査事項
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同神社のホームページhttp://www.wakamiyasumiyosi.com
- NDC
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- 神社.神職 (175 9版)
- 参考資料
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- 『日本全国獅子・狛犬ものがたり』上杉千郷/著(戎光祥出版)
- 『The狛犬!コレクション』三遊亭円丈/著(立風書房)
- キーワード
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- 狛犬(コマイヌ)
- 神社(ジンジャ)
- 獅子(シシ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 庁内
- 登録番号
- 1000176971