レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年09月13日
- 登録日時
- 2020/08/21 13:31
- 更新日時
- 2020/08/21 13:31
- 管理番号
- 9000028850
- 質問
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解決
『蕪村全集』(講談社)5書簡に所収の句「網(あみ)をもれ網(あみ)をもれつゝ水の月」が他の本には「網(あみ)をもれ綱(つな)をもれつゝ水の月」となっている。
『蕪村全集』の俳句の部分にはどう載っているか。
- 回答
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『蕪村全集』では「網(あみ)」、『蕪村事典』では「綱(つな)」となっているが出典をたどると活字では「網(あみ)」となっている。(『俳人真蹟全集 7』)
- 回答プロセス
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1 『蕪村全集』1発句→「網(あみ)をもれ網(あみ)をもれつゝ水の月」で掲載
夏の句。也好宛の書簡。
2 『蕪村事典』→「網(あみ)をもれ綱(つな)をもれつゝ水の月」で掲載
その他所蔵資料で与謝蕪村の句が索引で引けるものを見たが掲載なし。
書簡が収められているものを見たが也好宛はなし。
3 『蕪村事典』出典の『古典俳文学大系』12にも「…綱(つな)を…」で掲載。
その元となった『俳人真蹟全集』7(平凡社 1930)は当館で所蔵なし。
山梨県立文学館で所蔵→調査を依頼
回答:掲載箇所の活字は両方とも「網(あみ)」になっているが、図版のくずし字は最初の「網」と次の「網」でくずし方が違うようだとのこと。
※国立国会図書館デジタルコレクション(図書館送信)でも閲覧可能。
<永続的識別子>info:ndljp/pid/1186238
4 『蕪村事典』によると、この句の評釈が「文藝春秋」臨時増刊号(昭和48年9月)及び『与謝蕪村』(安東次男/著 講談社 1979)に収録があるとのことだがいずれも当館に所蔵なし。後者は市町村立図書館に所蔵があったため、取り寄せて確認したが、「綱(つな)」となっており、特にそのことについて言及はされていなかった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911 10版)
- 参考資料
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[谷口蕪村 著] , 谷口, 蕪村, 1716-1783 , 尾形, 仂, 1920-2009 , 森田, 蘭. 蕪村全集 第1巻. 講談社, 1992.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002181126-00 , ISBN 4062522012 (p.372) -
松尾靖秋 [ほか]編 , 松尾, 靖秋, 1915-2007. 蕪村事典. 桜楓社, 1990.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002076675-00 , ISBN 4273023180 (p.147) -
古典俳文学大系 12. 集英社, 1972.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001263981-00 (p.528) -
俳人真蹟全集 第7卷. 平凡社, 1939.<国立国会図書館デジタル化コレクション図書館送信資料>
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1186238 (p.185<104コマ目>)
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[谷口蕪村 著] , 谷口, 蕪村, 1716-1783 , 尾形, 仂, 1920-2009 , 森田, 蘭. 蕪村全集 第1巻. 講談社, 1992.
- キーワード
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- 与謝蕪村
- 俳句
- 照会先
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- 山梨県立文学館
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000286069