レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年05月21日
- 登録日時
- 2013/07/31 00:30
- 更新日時
- 2013/07/31 21:30
- 管理番号
- 市川20130731-01
- 質問
-
未解決
市川・船橋戦争(戊申戦争)が起こる前、もし、江戸が無血開城されなかった場合は国府台に仮の江戸城または拠点場所を置く予定があったという内容の文章を以前見たことがあるが、真実であるか
- 回答
-
江戸城明け渡しの際に、国府台が兵士の収集拠点になっていたことは確認できたが、それが、利用者の求める情報と直結するものかまでは判明しなかった。
- 回答プロセス
-
1、歴史の事実からの調査
① 『市川市史』第3巻
② 『遺文 市川船橋戊辰戦争』 内田宣人/著 崙書房 1999
③ 『市川・船橋戦争』 山形紘/著 崙書房 1987
④ 『将軍慶喜と幕末の風雲』 古川薫/著 文藝春秋 1998
⑤ 『日本史を変えた大事件前夜』(別冊歴史読本) 新人物往来社 2004
江戸無血開城を不満とした脱藩士たちが国府台に集結し、市川船橋戦争に発展した事実についてはいずれの資料にも詳しいが、
無血開城以前の幕府、朝廷での動きの中で国府台および、市川の地名は確認できない。
①の情報より江戸城明け渡しの前後、大鳥圭介という人物が市川に入っていることが判明。
⑤ 『幕末実戦史』 大鳥圭介/著』(国会図書館デジタル化資料 2013.7.27確認)
脱藩した武士等の動きの中で
「余元来兵隊を率いて此所に来りし所以は今直ちに戦争をなす積りに非ず、先づ一旦鴻の台に屯聚し江戸の形成をみて事を挙げんと欲するなり」の
文章を発見。(鴻(の)台は、国府台のこと 『角川日本地名大辞典』より)
⑥ 『小櫃村誌』 千葉県君津市小櫃村誌編纂委員会/編 君津市 1978
「江戸城明け渡しの前夜、すなわち慶応四辰年(一八六八)四月十日歩兵奉行大鳥圭介は江戸を脱走して鴻台に着陣した。
その兵力凡そ千六百と称された」の記述あり。
⑤⑥から、江戸城明け渡しの際に、国府台が兵士の収集拠点になっていたことは確認できたが、
それが、利用者の求める情報と直結するものかまでは判明しなかった。
2、歴史文学からの調査
特定の作家の個人的解釈、創作の可能性から、幕末を題材にした小説を調査。
『竜馬がゆく』 司馬遼太郎/著
『燃えよ剣』 司馬遼太郎/著
『草莽枯れ行く』 北方謙三/著
『司馬遼太郎の幕末・明治』 成田竜一/著 朝日新聞社 2003
『司馬遼太郎と藤沢周平』 佐高信/著 光文社
以上からは該当箇所は発見できず。
3、他機関へ問合せ
①「市川市歴史博物館」 思い当たる事実はなしとのこと。また、このような説も聞いたことはないが大鳥圭介に関する伝記等を当たってみてはどうかとの助言を得る⇒⑥⑦へ
②「市川市文学プラザ」 思い当たる歴史文学がないとのこと
③国立国会図書館の記事論文検索から論文内容の検証を依頼したが、該当の記述はなしとのこと。
「筑波大学付属聾学校紀要1997-03-00、19、0; p71~80」 「市川市国府台周辺の歴史 その1 ~江戸時代」
④インターネットで検索するが該当なし。
- 事前調査事項
-
利用者より、以前見た個人のブログに載っていたが、他のサイト等では確認ができなかった、との情報を得る
- NDC
-
- 日本史 (210)
- 参考資料
- キーワード
-
- 江戸城
- 戊辰戦争
- 無血開城
- 照会先
- 寄与者
-
- 寄与者:第9回レファレンス協同データベース事業研修会
- 備考
- 調査種別
- 事実調査 事実調査 書誌的事項調査
- 内容種別
- 郷土 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000134807