レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年08月03日
- 登録日時
- 2012/10/28 11:42
- 更新日時
- 2012/10/28 11:42
- 管理番号
- 福井県図-20120803
- 質問
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解決
1960年頃書かれた水上勉さんの小説、「名塩川」の元になったような言い伝えは、越前に残されていたのでしょうか。もしあれば、その言い伝えの内容などを教えて下さい。
- 回答
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『水上勉全集 第8巻』あとがきに、「越前味真野につたわる「花筐」の謡曲から想を発した」「大滝村の紙漉き家を訪ねた際、人間国宝岩野市兵衛さんから、名塩からきた九右衛門の悲劇をきいた」とあり。
味真野と花筐については『福井県の伝説』『郷土史往来』『古典の細道』に書かれているが、いずれも継体天皇の話。
名塩からきた九右衛門についての言い伝えは見つけられなかった。
- 回答プロセス
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1.水上勉「名塩川」の収録されている本のあとがきや解説を確認
『霙』(講談社 1969)→ なし
『骨肉の絆』(筑摩書房 1980)→ なし
『草隠れ』(構想社 1982)→ なし
『水上勉全集 第8巻』(中央公論社 1977)
→「あとがき」に「『名塩川』は、越前味真野につたわる「花筐」の謡曲から想を発した、これも私の絵空ごとである。大滝村の紙漉き家を訪ねた際、名塩からきた九右衛門の悲劇をきいた。故人となられた人間国宝岩野市兵衛さんからだったが、越前の紙漉きが、名塩に生きて、九右衛門は、名塩紙の始祖となったが、越前へのこした妻子のことに思いを馳せて、「花筐」の物狂いとかさねてみたのだった。」とあり
2.「花筐」を自館蔵書検索し、郷土資料の内容を確認
→『郷土史往来』p4~8に「謡曲「花筐」について」あり
『古典の細道』p141~155に「花がたみ―継体天皇」あり
3.福井県の伝説に関する資料の目次を確認
→『福井県の伝説』p284に「花形見櫻」あり
- 事前調査事項
- NDC
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- 小説.物語 (913 8版)
- 参考資料
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- 『水上勉全集 第8巻』(1977 中央公論社 ) (918.6/M14/2-8)
- 『郷土史往来』(栗塚勝治/著 1981 粟田部壮年グループ連絡協議会 ) (H240/クリス)
- 『古典の細道』(白洲正子/著 2008 新潮社 ) (H940/S9/1-2)
- 『福井県の伝説』(河合千秋/編 1973 福井県教科書供給所 ) (H388/S4/2)
- キーワード
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- 水上勉
- 名塩川
- 謡曲
- 花筐
- 和紙
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000113067