レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年6月12日
- 登録日時
- 2011/06/24 15:29
- 更新日時
- 2012/06/30 10:41
- 管理番号
- 中央-1-00193
- 質問
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解決
古事記中巻〔垂人〕佐保姫の死の中の、「私たちはお互いに、美しい下紐を結び交わして〔中略〕契り合ったものだ。」の中に出てくる「下紐」がどのようなものか知りたい。
- 回答
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下紐の具体的な図などは見つけられなかったが、下記の資料に若干の記述があった。
・『万葉集の服飾文化 下』 小川安朗著 六興出版 1986.7
p90~p91に「本来、「下紐」の下は、垂直の上下の下の意ではなくて、内外の内、表裏の裏を意味する下であって、右の「裏紐」がまさにそれを的確に表現している。これが前記の衣の第二方式の紐結びに該当する」とある。
p89に「第二方式の紐結び」についての説明があり、「主に垂領の場合など、衣の前身ごろの裏で、そこにつけた短い紐とを結び合わせて閉じるのである。(中略)埴輪や高松塚古墳壁画などに見られる」とある。
・『日本服飾美術史 上』 渡辺 素舟著 雄山閣 1973
p47 「この紐は恋人のほかには解かないとか」との記述がある。
・『結び』 額田巌著 法政大学出版局 1979
p41に「下紐は男女両性が相互に相手のものを結んで、つぎに逢うまでは解かない約束をしたものであり、」とあった。
また、下紐についての記述はなかったが、万葉集の頃の服装が見られるものとして次の資料もあわせて紹介した。
・『日本衣服史』 増田美子編 吉川弘文館 2010.2 p31~
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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質問中の文章の出典は 『古事記・日本書紀』 福永武彦訳 河出書房新社 1988.1 である。
「下紐」は万葉集にも出てくる。
- NDC
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- 衣食住の習俗 (383)
- 日本文学 (910)
- 参考資料
- キーワード
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- 下紐
- 古事記
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000087882