レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年1月12日
- 登録日時
- 2018/07/27 14:58
- 更新日時
- 2018/09/26 13:46
- 管理番号
- 埼久-2018-028
- 質問
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未解決
中谷宇吉郎の著作「立春の卵」に出てくる「天■(賢という字の貝の部分が且)」の読み方を知りたい。
- 回答
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参考図書及びインターネット情報を調査したが、「天■(賢という字の貝の部分が且)」という字の読みはわからなかった。
- 回答プロセス
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1 該当資料を確認する。
『立春の卵』(中谷宇吉郎著 書林新甲鳥 1950)
p4「支那の古書『天■(賢という字の貝の部分が且)』」
『中谷宇吉郎随筆選集 第2巻』(岡潔〔ほか〕編 朝日新聞社 1974)
p131「立春の卵」収録。解説等に古書についての情報なし
『日本の名随筆 別巻 76 常識』(東京 作品社 1997)
p199「天■(賢という字の貝の部分が且)」
『文章表現法』(平井昌夫著 至文堂 1974)
p257「天賢」と表記されている。
2 《BOOKPLUS》(日外アソシエーツ)を似ている漢字〈天賢〉〈天監〉で検索するが該当資料なし。
3 漢和辞典を確認する。
『大漢和辞典 巻3』(諸橋轍次 大修館書店 1984)
14画の漢字を確認したが該当漢字なし。
『日本難字異体字大字典 解読編』(日本難字異体字大字典編集委員会編 井上辰雄監修 遊子館 2012)
異体字を確認するが該当なし。
4 《国会図書館レファレンス協同データベース》(https://crd.ndl.go.jp/reference/ 国会図書館)を〈立春の卵〉で検索する。
「中谷宇吉郎のエッセイ「立春の卵」に、支那の古書『天*』(*:堅の土が且になった字)とあるが、*なんと読むか。またどういう書物か。」(愛知芸術文化センター愛知県図書館 https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000065707)
5 《国会図書館デジタルコレクション》(http://dl.ndl.go.jp/ 国会図書館)を〈天賢 or 秘密の万華鏡 or 立春の卵〉で検索する。
「立春の卵」で19件ヒットする。
神田太郎著「立春の卵 雲仙の卵」(「Hotel review = ホテルレビュー 6(57)」日本ホテル協会 1955.1)
p9 新聞記事の記述をもとにした記事。表記は「天監」となっている。
(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2630115 国会図書館)8コマ 国立国会図書館/図書館送信参加館内公開
6 朝日新聞を確認する
『朝日新聞縮刷版.-復刻版昭和22年1月-6月』(日本図書センター)
2月5日2面の記事を確認する。「立春に卵が立つ話は、元■付スポークスマンで現ニューヨーク■領事の張平群氏が「天■」「秘密の万華鏡」という二つの古書から発見」とあり(■は判読不可の文字)。支那の古書とは書かれていない。また質問の文字は「賢」とも見える。
7 《国会図書館サーチ》(http://iss.ndl.go.jp/ 国会図書館)を〈立春 & 卵〉で検索する。
『あなたにも立てられる…「立春の卵」と「コロンブスの卵」 科学と発想の世界』(津野正朗著 出版科学総合研究所 1987)
p8「立卵への挑戦と研究の歴史」の表中に「紀元前/紀元の頃(漢代?) 中国の古書「天 」および「秘密の萬華鏡」に「卵は立春に立つ」と記載さる」とあり。質問の漢字部分は空白。
p15「当時中国のニューヨーク総領事であった張平群なる人物が、中国の古書「天■(賢という字の貝の部分が且)」と「秘密の萬華鏡」の中に「卵は立春に立つ」と書き残されていることを発見したと伝えられる」とあるが出典・読みなし。
ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2018年1月12日。
- 事前調査事項
- NDC
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- 音声.音韻.文字 (821 9版)
- 参考資料
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- 『立春の卵』(中谷宇吉郎著 書林新甲鳥 1950)
- 『中谷宇吉郎随筆選集 第2巻』(岡潔〔ほか〕編 朝日新聞社 1974)
- 『日本の名随筆 別巻 76 常識』(東京 作品社 1997) , ISBN 4-87893-656-8
- 『文章表現法』(平井昌夫著 至文堂 1974)
- キーワード
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- 中谷 宇吉郎(ナカヤ ウキチロウ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000239628