レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/01/27
- 登録日時
- 2021/03/20 00:30
- 更新日時
- 2021/03/20 00:30
- 管理番号
- 6001048469
- 質問
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解決
守り本尊について知りたい。
- 回答
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(1)守り本尊とはどのようなものか
・『新編仏像図鑑 下』(国訳秘密儀軌編纂局/編 国書刊行会 1991)
p.417の「一代守本尊」の項目に、「人間一代の守り本尊を定めて帰依することは、古来世俗の間に行われ、その本尊を選定することは、月日によって三十日秘仏を用い、あるいは結縁灌頂またはとくに霊感をこうむりたる仏像を定むる方法ありといえども、つねには千手観音、虚空蔵菩薩、文殊菩薩、普賢菩薩、勢至菩薩、大日如来、不動明王、阿弥陀如来の八尊を子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥の十二支に配当し、その生まれ年によって、配当の本尊を守り本尊とするなり」と説明されています。
また各本尊と十二支の対応は以下のように説明しています。
子は千手観音菩薩
丑寅は虚空蔵菩薩
卯は文殊菩薩
辰巳は普賢菩薩
午は勢至菩薩
未申は大日如来
酉は不動明王
戌亥は阿弥陀如来
(2)どのような由来があるのか
以下の資料に由来に関しての記載がありました。
・『密教辞典』(佐和隆研/編 法蔵館 1979)
p.649、「守り本尊」の項に「自分の安全を守る特定の尊。中国で既に流行して影響を受けたらしく、もとは真言を記した紙片を護符として身に着ける習慣から念持仏となったもの。密教では結縁灌頂に、投華得仏によって定めるが、中世では中国の陰陽道の思想と合して俗信として、生年の十二支、出生日の三十日秘仏などで定めた。また武士は摩利支天を守本尊とした。」
(3)その他、祀り方など
守り本尊の祀り方や各本尊のご利益などについては以下の資料に詳しく解説されていました。
・『詳明守り本尊読本』(秋月慈童/著 原書房 2005.3)
また実際に守り本尊を祀っている例としては浅草寺の影向堂があり、以下の資料で実際に祀っている様子を確認できます。
・『図説浅草寺:あさくさかんのん』(金竜山浅草寺/編集 金竜山浅草寺 1996.11) p.62
[事例作成日:2021年1月27日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 仏教 (180 10版)
- 民間信仰.迷信[俗信] (387 10版)
- 仏像 (718 10版)
- 参考資料
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- 新編仏像図鑑 下 国訳秘密儀軌編纂局∥編 国書刊行会 1991 (417)
- 密教辞典 佐和/隆研∥編 法蔵館 1979 (649)
- 詳明守り本尊読本 秋月/慈童∥著 原書房 2005.3
- 図説浅草寺 金竜山浅草寺∥編集 金竜山浅草寺 1996.11 (62)
- キーワード
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- 十二支(ジュウニシ)
- 守り本尊(マモリホンゾン)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000295543