レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/07/19
- 登録日時
- 2020/09/16 00:30
- 更新日時
- 2020/09/16 00:30
- 管理番号
- 6001045272
- 質問
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解決
中国の星座「河鼓」について知りたい。
- 回答
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「河鼓」は西洋星座わし座の一部の中国名で、わし座のα星(アルタイル)、β星(アルシャイン)、γ星(タラゼット)をあわせて「河鼓三星」と呼びます。
以下の資料に記述があります。
・『星の文化史事典』(出雲晶子/編著 白水社 2019.12)
「河鼓」の項に次の記述があります。(p.111)
「中国の星座で、西洋星座ではわし座の一部。意味は天の川にある鼓、軍用楽器。」
・『星の事典』(鈴木駿太郎/著 恒星社厚生閣 1968)
「3.夏の星」「わし(鷲)座」(p.174-177)に次の記述があります。
「河鼓その他漢名」の項(p.176)
「“河鼓三星”は、β、α、γをいう。α星アルタイルを“大将軍”と見た場合、β星を“左将軍”、γ星を“右将軍”(ゆうしょうぐん)という。β星を“左星”、γ星を“右星”(ゆうせい)と呼ぶこともある。」
α星、β星、γ星については、次の記述があります。
「α Aql アルタイル Altair」の項(p.175)
「アラビヤ語でal-tailは「飛ぶわし」の意。一に“Atair”ともいう。和名“彦星”、七夕の“牽牛(けんぎゅう)星”として古くから親しまれて来た星で、漢名では牽牛のほか“河鼓二”でもある。(中略)光度0.9(0.91)等、スペクトルはシリウスに似てA5型の主系列星。地球に近い恒星としても知られ、視差0.208"で、その距離は15.7光年。実光度は太陽の約10(9.3)倍あるといい、温度も9,000度に近い高温度星である。(後略)」
「β Aql アルシャイン Alshain」の項(p.175-176)
「英語読みはアルシェーン。一にAlshairnとも綴る。アラビヤ語al-shainは「はやぶさ」の意。光度は3.9等。漢名は“河鼓三”でありそのアルタイルに対する位置から“左星”、“左将軍”とも呼ばれる。」
「γ Aql タラゼット Tarazed」の項(p.176)
「高度2.8等、スペクトルK3型の輝巨星。漢名は“河鼓一”であり、“右星”、“右将軍”ともいう。」
また、「わし座の星 二」の図が掲載されており、その中に「河鼓」が記され、わし座の中のどこに位置しているかを確認することができます。(p.176)
・『中国の星座の歴史』(大崎正次/著 雄山閣 1987.5)
「中国星座名義考」(p.141-192)に「河鼓」の項があり、その意味について詳しい記述があります。(p.145-146)
「鼓は太鼓、河は天の川にひたる、天の川の中にあるという意味か。鼓は単なる楽器ではなく、軍隊を指揮する号令として、また軍隊の士気を奮い立たせる軍隊用の兵器のひとつである。(後略)」
また、わし座の図が掲載されており、その中に「河鼓」が記され、わし座の中のどこに位置しているかを確認することができます。(p.145)
[事例作成日:2020年7月19日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 恒星.恒星天文学 (443 10版)
- 参考資料
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- 星の文化史事典 増補新版 出雲/晶子‖編著 白水社 2019.12 (111)
- 星の事典 鈴木/駿太郎∥著 恒星社厚生閣 1968 (174-177)
- 中国の星座の歴史 大崎/正次∥著 雄山閣 1987.5 (145-146)
- キーワード
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- 星座(セイザ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000287201