レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/7/2
- 登録日時
- 2017/08/02 18:55
- 更新日時
- 2020/05/01 10:20
- 管理番号
- 島根参2017-07-004
- 質問
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解決
「白銀比」について書かれた資料はないか。
- 回答
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当館所蔵資料から以下の記述を紹介。
【資料1】 『かたち・機能のデザイン事典』 (丸善) p14~15 「好まれる比率」
普通の用紙に使われる比 「1:√2」 は、白銀比(silver ratio)とよばれることもある。
【資料2】 『かたちの日本美 和のデザイン学』 (日本放送出版協会)
p58~63 「生活に溢れる方形の美」
西洋の黄金比 (1:1.618…) に対し、日本ではこの正方形を基にした1:√2(1:1414…)が白銀比(シルバー・レシオ Silver Ratio)とよばれ、建築や工芸、装飾美術の分野でさまざまに応用されてきた。
【資料3】 『面白くて眠れなくなる数学』 (PHP研究所)
p96~97 「大工道具に息づく白銀比」
「白銀比」 とは 「1対√2(約1・4)」 となる比率で、黄金比と同じく相似をつくりだします。 白銀比は、日本建築ととても深い関係にあります。
【資料4】 『面白くて眠れなくなる数学 ファイナル』 (PHP研究所)
p36 「富士山を美しいと感じるのはなぜ?」
「黄金比」 や 「白銀比」 は、いずれも人間が美や調和を感じる比率です。 黄金比は1:約1.6。 例えば、国旗や名刺などの縦と横がこの比になっています。 一方の白銀比は1対√2(約1.4)。 コピー用紙のA判やB判の縦横がこの比率です。
【資料5】 『「かたち」の謎解き物語』 (彰国社)
p220~233 「黄金比と白銀比」
p221~「子供じみた天才」
つまり黄金比というのは正五角形の一辺とその対角線の長さの比のことで、 だいたい一対一・六一八あるいは一対一・六あるいは三対八、 白銀比というのは正方形の一辺とその対角線の長さの比のことで、 だいたい一対一・四一四あるいは一対一・四あるいは三対七である。
p222~「美の規格」
黄金比と白銀比は、 二辺の長さがそれぞれ黄金比と白銀比になった黄金長方形と白銀長方形によって 、身の回りのさまざまなかたちに結びつく。
p224~「洋の金か和の銀か」
黄金比と白銀比は、 平面を覆う模様を大きく二つに分けるという力も持っている。 つまり正方形二関係する白銀比は正方形を敷き詰めていったタイル貼りのような碁盤目状に広がる模様に現れやすく、 正五角形に関係する黄金比は放射状に広がる模様に現れやすい。
p225~「日本美を計算する」
黄金比と白銀比には洋の東西を問わず古い歴史がある。 そのうちわが国では当然、 正方形に関係する白銀比の歴史が目立ってきた。 その痕跡の一つが女媧の持っているさしがねに見られる。 (中略) こんなさしがねを使って建てられた日本建築が白銀比に支配されるのは当然である。
【資料6】 『PHP 2011年4月号 No.755』 (PHP研究所)
p48~49 「いけばなと白銀比 笹岡隆甫(華道「未生流笹岡」時期家元)」
未生流では、花の全体を鱗形つまり直角二等辺三角形におさめます。 そしてこのデザイン理論に基づき、花の長さの比率を。直角二等辺三角形の長辺と短辺の比率とします。 つまり、天と人の比率も、人と地の比率も、 √2:1 となるわけです。 (略) この比率を 「白銀比」 と呼びます。 (略) 黄金比の方がやや縦長の不安定なバランスで、動的な比率。 白銀比は落ち着いた静的な比率です。
(略) 大工が使う、直角に折れ曲がった金属製のものさしを 「曲尺」 と呼びますが、この曲尺、表裏の目盛り幅が異なり、その比率が白銀比となっています。
- 回答プロセス
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(1) 7分類のデザインに関する資料、4分類の主に幾何学に関する資料を調査。 → 【資料1】【資料2】【資料3】【資料4】 に記載あり。
(2) 「白銀比」をキーワードに当館OPACを検索。 → 【資料6】 がヒット。
(3) 「日本文化」 「かたち」 をキーワードに当館OPACを検索。 → 【資料5】 がヒット。
- 事前調査事項
- NDC
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- デザイン.装飾美術 (757 8版)
- 数学 (410 8版)
- 参考資料
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【資料1】高木隆司 [ほか]編 , 高木, 隆司, 1940-. かたち・機能のデザイン事典. 丸善, 2011.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000011101705-00 , ISBN 9784621083345 (p14~17 当館請求記号 R757.0/カ11 ※貸出禁止資料) -
【資料2】三井秀樹 著 , 三井, 秀樹, 1942-. かたちの日本美 : 和のデザイン学. 日本放送出版協会, 2008. (NHKブックス ; 1123)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009745621-00 , ISBN 9784140911235 (p58~63 当館請求記号 757/ミ08) -
【資料3】桜井進 著 , 桜井, 進. 面白くて眠れなくなる数学. PHPエディターズ・グループ, 2010.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010933656-00 , ISBN 9784569791173 (p96~97 当館請求記号 410.4/サ10) -
【資料4】桜井進 著 , 桜井, 進. 面白くて眠れなくなる数学ファイナル. PHPエディターズ・グループ, 2015.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I026223221-00 , ISBN 9784569819563 (p36 当館請求記号 410.4/サ15) -
【資料5】宮崎興二 著 , 宮崎, 興二, 1940-. 「かたち」の謎解き物語 : 日本文化を○△□で読む. 彰国社, 2006.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008179608-00 , ISBN 4395006655 (p220~233 当館請求記号 210.0/ミ06 ※書庫資料) - 【資料6】笹岡隆甫. 特別寄稿 いけばなと白銀比. PHP研究所, 2011.3. PHP 4月号 No.755 (p48~49)
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【資料1】高木隆司 [ほか]編 , 高木, 隆司, 1940-. かたち・機能のデザイン事典. 丸善, 2011.
- キーワード
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- 白銀比
- 黄金比
- 比率
- 幾何学
- 数学
- デザイン
- 大和比
- 法隆寺
- 曲尺
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000219796