レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/02/28
- 登録日時
- 2015/10/09 16:18
- 更新日時
- 2016/01/15 17:44
- 管理番号
- 埼久-2015-065
- 質問
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解決
人間が危機に瀕した時に通常よりも能力を発揮できる現象、いわゆる火事場の馬鹿力の仕組みが知りたい。
- 回答
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以下の資料を紹介した。
『生命(いのち)のバカ力』(村上和雄著 講談社 2003)
p17「火事場のバカ力」について、人間が常時使用しているのは全遺伝子情報の3から10パーセント程度であり、「なにかのきっかけでそれまで眠っていた遺伝子が目覚め、にわかに活動を開始したり(略)することもあります」「人間は極限状況に遭遇したとき、ふだんでは考えられないような能力を発揮する(略)これは眠っていた能力が目覚めた瞬間の非常にわかりやすい例でしょう」「そういう能力も私たちの遺伝子にもとから書き込まれていて、それが必要なときに発動するようなしくみになっているのです」との記述あり。
『最新*スポーツ科学事典』(日本体育学会監修 平凡社 2006)
〈神経系の興奮水準〉の項に「骨格筋の生理的な最大能力までの筋力発揮を制限する機構の存在が示唆されており、大きな筋力発揮による筋損傷を防ぐことに関係していると考えられる。いわゆる火事場の馬鹿力は、逼迫した状況において神経系の興奮水準が一時的に高まる現象として説明される」とあり。
『スポーツ心理学大事典』(ロバート・N.シンガー編 西村書店東京出版編集部 2013)
p248「喚起-パフォーマンス関係の理論」>「動因理論」の項に、
「非常に喚起の高い者が、とてつもない重量を持ち上げたり、短時間に非常に速く走るといった多くの逸話は(中略)このような報告は、一般的に、生命に脅威となる緊張状態の対処に高いパフォーマンスをもたらすものと思われる(後略)」
《CiNii Articles》(http://ci.nii.ac.jp/ 国立情報学研究所 2014/02/28最終確認 オープンアクセス)
猪飼道夫著「体力の生理的限界と心理的限界に関する実験的研究」(「東京大学教育学部紀要 5」p1-18 東京大学教育学部 1961)
「心理的限界」と「生理的限界」について、実験結果を用いて書かれている。
p2「「馬鹿力」というものは心理的限界が生理的限界に甚だしく接近して、発揮される能力の水準であると解釈される」とあり。
- 回答プロセス
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質問に関する記述のない資料
『スポーツ心理学事典』(日本スポーツ心理学会編 大修館書店 2008)
『からだの不思議』(中野昭一著 丸善 1998)
- 事前調査事項
- NDC
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- 遺伝学 (467 9版)
- 基礎医学 (491 9版)
- スポーツ.体育 (780 9版)
- 参考資料
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- 『生命(いのち)のバカ力』(村上和雄著 講談社 2003) , ISBN 9784062722032
- 『最新*スポーツ科学事典』(日本体育学会監修 平凡社 2006) , ISBN 9784582135015
- 『スポーツ心理学大事典』(ロバート・N.シンガー編 西村書店東京出版編集部 2013) , ISBN 978-4-89013-439-7
- 「東京大学教育学部紀要 5」(p1-18 東京大学教育学部 1961)
- キーワード
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- ゾーン
- リミッター
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- その他
- 登録番号
- 1000182278