レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011/03/09
- 登録日時
- 2012/03/28 02:01
- 更新日時
- 2012/03/28 10:17
- 管理番号
- 千県中千葉-2011-0015
- 質問
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解決
千葉県では昭和30年から32年まであった犬税について調べています。どんな犬が対象だったとか、当時の風評等の資料はありませんか?特に船橋市近辺での状況を知りたい。
- 回答
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『千葉県報 号外』昭和30年11月1日で千葉県犬税条例(千葉県条例第44号)が公布されています。納税義務者は「県内に主たる飼養地がある犬に対して、その所有者」となっており、犬種は記載されていません。課税免除として「国又は地方公共団体が所有する犬」など6項目の例外が定められています。徴収方法は証紙徴収で「犬税700円納税証紙千葉県」と記載された第一号様式が掲載されています。また同じ『千葉県報 号外』昭和30年11月1日、千葉県犬税条例施行規則(千葉県規則第53号)が公布されています。
『千葉県県税のあゆみ 第3集 昭和25年度~平成2年度』p90-93「県税の税率等の変せん」の表によると、犬税は昭和30年度に創設(1頭700円)され昭和33年に廃止されています。p150の「税目別調停収入状況(昭和30年度)」の税目に犬税があります。
『千葉県税務統計書 昭和三十二年一月 第一集』p141「犬税 昭和29年度調停収入等調」には県内10事務所名ごとに調整額や登録頭数、課税頭数が記載されています。船橋は登録頭数8,115、課税頭数6,468です。
『千葉県税務統計書 昭和三十三年一月 第二集』p114にも犬税現年度分の頭数、税額が記載されています。
『千葉県統計年鑑 昭和31年』p203「県税才入決算額」に犬税(昭和30年度分)が掲載されています。『千葉県統計年鑑昭和32年』『千葉県統計年鑑昭和33年』にも掲載されています。
『千葉県議会史 第6巻』に昭和三十年九月定例議会についての記録がありp552-555に犬税についての記録があります。「県下で現在一三町村が犬税を課しており」とあるので、県税とは別に市町村の犬税もあったようです。
『広報かしわ』(平成16年(2004年)1月1日第1208号)p2「広報こぼればなし」に「犬に税金?」「昭和34年2月15日号では「犬税の廃止」について書かれています」「合併前の町村から引継いだ柏市独自の税」という記事があります。(http://www.city.kashiwa.lg.jp/soshiki/020300/p007104_d/fil/160101-all.pdf)
また、次のような新聞記事が見つかりました。
「県税犬税 今日の問題」(『朝日新聞(夕刊)』1955年(昭和30年)12月18日)p1千葉県についての記事です。
「「犬税」様々の赤字県」(『朝日新聞』1956年(昭和31年)3月12日)p3 千葉県についても触れられています。
「血眼の財源探し 「犬税」の次に「豚税」」(『朝日新聞』1956年(昭和31年)3月24日)千葉県については「うまくいった」と書かれています。
「野犬、全国的にふえる 畜犬税で飼主が手放す」(『朝日新聞(夕刊)』1956年(昭和31年)11月18日)p3 千葉県についても触れられています。
『讀賣新聞』では、次の記事がありました。
「新税はあなたをねらっている カメラや愛犬も 目をつける赤字の都県」1956年1月29日(夕刊)という見出しで、「犬税(埼玉、岡山、千葉)」と書かれています。
「まだあった!「犬税」今月限り」1982年3月29日、長野県東筑摩郡四賀村が1981年度で犬税を廃止するのを受けて「昭和30年には、犬税を課していた市町村は2686もあったが、33年自治省が「犬税は地方団体の財政規模に比べて税収入の極めて零細な法定外普通税」として犬税の再検討を指導してから廃止する市町村が相次ぎ、昨年3月に京都府舞鶴市が廃止した後は、全国で同村だけとなっていた」と書かれています。
(インターネットの最終アクセス:2012年2月14日)
- 回答プロセス
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『千葉県統計年鑑 昭和30年』『千葉県統計年鑑 昭和34年』には犬税の記載なし。
『千葉県報目録』(事務用)を通覧した。
Googleを「”犬税” 廃止 千葉」で検索したところ『広報かしわ』平成16年(2004年)1月1日第1208号の記事が見つかった。
『大宅壮一文庫雑誌記事索引総目録 件名総索引』(大宅壮一文庫 1985)に「犬税」なし。「税金」の項にもめぼしいものなし。
国立国会図書館雑誌記事索引をタイトル「犬税」で検索し、次のことが分かった。高橋達三郎「法定外普通税として何故犬税を創設したか」(『税』11(2)ぎょうせい1956.1)。斉藤利正「埼玉県税としての犬税新設と若干の問題」(『税』10(3)ぎょうせい1955.1)。
『朝日新聞戦後見出しデータベース1945-1999』(朝日新聞社 [2001] CD-ROM1枚)を「犬税」で検索した。
『ヨミダス歴史館』(讀賣新聞データベース)を「犬税」で検索した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 租税 (345 9版)
- 参考資料
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- 『千葉県報 号外』昭和30年11月1日 (9200347130)
- 『千葉県県税のあゆみ 第3集 昭和25年度~平成2年度』(千葉県総務部税務課 1991) (9200312977)
- 『千葉県税務統計書 昭和三十二年一月 第一集』(千葉県総務部税務課 1957) (0500141782)
- 『千葉県税務統計書 昭和三十三年一月 第二集』(千葉県総務部税務課 1958) (0500141782)
- 『千葉県統計年鑑 昭和31年』(千葉県企画部統計課) (0501107248)
- 『千葉県議会史 第6巻』(千葉県議会 1992) (9200308203)
- 『広報かしわ』(2004(平成16)年1月1日 第1208号) (0501383456)
- 『朝日新聞(夕刊)』(1955(昭和30)年12月18日)
- 『朝日新聞』(1956(昭和31)年3月12日)
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『朝日新聞』(1956(昭和31)年3月24日) - 『朝日新聞(夕刊)』(1956(昭和31)年11月18日)
- キーワード
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- 犬税
- 千葉県犬税条例
- 税金
- 千葉県
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000104427