レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/03/20
- 登録日時
- 2016/01/08 14:26
- 更新日時
- 2016/03/27 16:42
- 管理番号
- 埼熊-2015-133
- 質問
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未解決
江戸時代明和期(1760年前後50年の間)の関東武蔵国(現埼玉県)周辺で、寺の所有・管理ではない即身仏について記述のある資料がみたい。深谷市のギョウニンヅカという地名と関係があるのか知りたい。
- 回答
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明和年間の仏教関係者以外の即身仏について、該当する資料は確認できなかった。
年代が記載されていない又は明和年間でないもので、寺の所有・管理ではない即身仏・行人塚について記述のあった資料を紹介した。
『埼玉県伝説集成 分類と解説 中 歴史編』(韮塚一三郎編著 北辰図書出版 1973)
p169-189 「入定塚・行人塚」(念仏を唱えながら、自ら生埋めになったという伝説をもつ塚)僧侶でない人も多数含まれるが、明和年間と明記された人物なし。
『仏教民俗学大系 2 聖と民衆』(名著出版 1986)
p140-148「4 近世の土中入定」に、各地の入定伝説あり。埼玉県内では「埼玉県小川町(行人塚)」。
『武蔵の伝説』(大島建彦、渡辺千佳子編著 第一法規 1977)
p111-140「塚の伝説」に「儀右衛門塚」(杉並区・武士)「次兵衛塚」(川越市)あり。
『川越市史 民俗編』(川越市総務部市史編纂室編 川越市 1968)
p138「行人塚」(狭山市入間)「ある人」という記述。
『狭山市史 民俗編』(狭山 1985)
p372-373「行人塚(その二)北入曽」「念仏塚 笹井」
『新編武蔵風土記稿 [第3期]8 大日本地誌大系 14』(蘆田伊人編集校訂 雄山閣 1977)
p300「次兵衛塚」
田部崇子著「即身仏と比翼塚」(『熊谷市郷土文化会誌 45号』p27-29 熊谷市郷土文化会 1990)
「下川上地区御嶽には、熊谷市内で唯一の即身仏(入定塚)があります。(後略)」「比翼塚」は即身仏となった青年僧を村人が葬り祀ったもの。
伊藤篤造著「慶伝塚の由来(入定塚)」(『岩槻史林 11号』p41 岩槻地方史研究会 1980)
慶伝という山伏の入定についての記事あり。「時代はわかりませんが」と記述あり。
深谷市(川本)の行人塚に関する記述のある資料
『川本町文化財資料 7(昭和59年.60年)川本町地名考』(川本町郷土を知る会 1986)
p104「大字長在家(榛沢郡)の地名の由来」小字「北台」(きただい)の項に「塚 行人塚(方形)があった、昭和十年に調査済み『埼玉史談』。別項「行人塚」参照」とあり。
p113「行人塚と伝説」
(第一話)天候不順の飢饉の中、長在家中内手(なかうちで)弥勒寺(天台宗・深谷市西念寺末)の住職、宥正広海上人の入定について
(第二話)昔、この地方に大飢饉が続いた時の、弥勒寺にいた修行者の入定について
p115「注、飢饉について」宝暦八年(1758年)と安永五年(1776年)の飢饉としている。
p115 注、町内の行人塚(考) 8つの行人塚が挙げられている。
- 回答プロセス
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自館目録を〈即身仏〉〈ミイラ〉〈入定〉〈ギョウニンヅカ〉(資料区分:図書)で検索する。
以下3点の資料は、関東地方の即身仏は舜義上人(茨城県妙法寺)のみ紹介。
『日本の即身仏』(佐野文哉,内藤正敏共著 光風社書店 1969)
『日本のミイラ仏をたずねて』(土方正志著 酒井敦写真 晶文社 1996)
『日本のミイラ仏』(松本昭著 臨川書店 1993)
『日本のミイラ信仰』(内藤正敏著 法蔵館 1999)
p108-116「土中入定伝説と各地の即身仏」に各地の伝説あり。関東地方では、千葉県(慈眼法師)(日鑑上人)、東京都(如水)、茨城県(舜義上人)。
『行人塚考』(今井善一郎著 今井善一郎 1951)
p139 埼玉県の事例あり。「入間郡入間村の行人塚(入定伝説あり)」「大里郡三尻村の入定塚(渡辺崋山の紀行に記述あり)」「秩父郡上田野等の入定塚(即道上人入定の伝説)」
自館目録を〈深谷 or 岡部 or 川本 or 花園 & 地名〉〈書名:伝説〉〈埼玉県 & 民俗〉(書誌区分:埼玉資料)で検索する。
『日本伝説大系 5 南関東』(荒木博之〔ほか〕著 みずうみ書房 1986)
p376-381「98 入定塚」の項目あり。埼玉県内の類話事例あり。出典を明記している。
『新編埼玉県史 別編 2 民俗』(埼玉県 1986)
p593 入定塚 川越市小仙波町・高僧、浦和市下大久保(1256年で該当せず)、他6箇所の地名のみ記載あり。
その他調査済み資料
『死の文化史』(遠丸立著 泰流社 1979)
『十三塚 実測調査・考察編 神奈川大学日本常民文化研究所調査報告 10』(神奈川大学日本常民文化研究所編 平凡社 1985)
『熊谷の地名と旧跡 市内の文化財をめぐる 9』(熊谷市立図書館美術郷土係編 熊谷市立図書館 1993)
『富士講の歴史 江戸庶民の山岳信仰』(岩科小一郎著 名著出版 1983)
『江戸時代の民間信仰』(雄山閣出版 1980)
『関東の民間信仰』(日向野徳久ほか共著 明玄書房 1973)
『ミロク信仰の研究』(宮田登著 未来社 1975)
『ミイラ文化誌』(深作光貞著 朝日新聞社 1977)
『生と死の民俗史』(新谷尚紀著 木耳社 1986)
『神と仏の民俗』(鈴木正崇著 吉川弘文館 2001)
- 事前調査事項
- NDC
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- 貴重書.郷土資料.その他の特別コレクション (090 9版)
- 仏教史 (182 9版)
- 伝説.民話[昔話] (388 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 即身仏
- ミイラ
- 行人塚
- 埼玉県
- 武蔵国
- 江戸時代
- 入定塚
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000186856