レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2009年01月28日
- 登録日時
- 2010/03/22 15:16
- 更新日時
- 2010/03/22 15:30
- 管理番号
- 福若-2009-0112
- 質問
-
未解決
小浜市内で見られる水産加工品「鯖の醤油漬け(醤油干し)」の起源について、いつ頃から普及したか、商品として開発されたか家庭用からか…等について知りたい。
- 回答
-
『若狭のおさかな』ほかの資料より、大正から昭和戦前・戦後すぐ頃にかけて、開発・普及したのではないかと推測される。
但し、漁村等での聞き取りによれば、それ以前より作られていたらしい。
- 回答プロセス
-
① 郷土書架のH38*,H596,H667等をあたる。
② 一般書架の667(水産加工),383.6(食文化史),588.6(醤油)等をあたる。
③ 以前のレファレンス事例で「鯖」に関するもので文献等を確認する。
:「浜焼き鯖について」(福若-2007-1113),「へしこの作り方」(福若-2006-11)
①~③より、以下の関連資料があった。
・『若狭のおさかな』吉中禮ニ編 福井県立大学 2007 (H487/ワカサ)
:「醤油干し鯖」赤羽義章著 p115~116 簡単な歴史と加工法についの記述。
・『聞き書福井の食事』(日本の食生活全集 18) 農山漁村文化協会 1987 (H380/キ)
:「若狭湾の食」p278~285 「さばの醤油炊き」「さくら干し」等についての記述。
・『サバの文化誌』田村勇著 雄山閣 2002 (664.6/タムラ)
:p11~26あたりに鯖の加工法の歴史・種類、「味醂干し」等についての記述。
・『日本の食文化大系』第6巻「魚貝譜」東京書房社 1984 (383.6/ニ/6)
:p110~113「鯖」の章に「開き干し鯖」の普及・変化についての記述。
・『水産食品学』恒星社厚生閣 1987 (667/ス)
:p254に「みりん干し」の始まりについての記述。
・『全国水産加工品総覧』光琳 2005 (667/フクタ)
:p190「さんまみりん干しを始めた人」のコラムあり。
・『しょうゆの不思議』日本醤油協会 2005 (588.6/トウセ)
:p144~145に、製造醤油が一般庶民に普及したのは大正時代頃、との記述あり。
(但し、農村部ではそれ以前から自家製のものが使用されていた、と付記)
⇒ 上記資料より、以下のことが分かる。
・鯖の開き干しは、かつては「塩干し」が主流であったが、「醤油干し」へと変化した。
・戦後、鯖の豊漁の時代が続き、さまざまな保存法・調理法が開発された。
・製法が近い「味醂干し(さくら干し)」は大正時代から戦後すぐ頃にかけて、開発・普及している。
④ また、「醤油干し」の製法については、以下の資料等がある。
・『水産加工品総覧』光琳 1983 (667/ス)
:「調味乾燥品」p103~104に「しょうゆ干し」「味醂干し」他の製法の記述。
・『自家製干物の作り方』日東書院本社 2006 (596.3/クラフ)
:p59「しょうゆ干しをつくる」に家庭向けの製法の記述。
⑤ Googleで「鯖」+「醤油干し」で検索する。
→ 以下のサイト等、主に商品広告のものが多い。
・「木五商店」(小浜市内の水産品販売店) HP 「さば醤油干し」のページ
http://www.kigo.biz/t_himono.html(090120確認)
* 他にも同様の販売広告サイトは多く、特に駿河湾沿岸の商店等のものが目立った。
⑥ 御食国若狭おばま食文化館に問合せる。関係者からの話として、以下のようなことが分かったとのこと。
(小浜市内の漁村部、戦前生まれの人、複数の話として)
・戦前から、家でも作り、一部は売っていた。
・鯖以外にも、アジ・イワシ等の小魚系が採れすぎた時に、保存用として作っていた。
・材料は、醤油+砂糖・味醂などで、昔は自家製のものを使っていた。
- 事前調査事項
-
小浜市内等で商品として販売されている。
- NDC
-
- 水産製造.水産食品 (667 8版)
- 衣食住の習俗 (383 8版)
- 食品工業 (588 8版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 鯖
- 干物
- 開き干し鯖
- 醤油干し(醤油漬け)
- 照会先
-
- 御食国若狭おばま食文化館
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000065485