レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年09月06日
- 登録日時
- 2021/09/06 09:44
- 更新日時
- 2021/11/25 11:35
- 提供館
- 京都市図書館 (2210023)
- 管理番号
- 右中-郷土-151
- 質問
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解決
水尾の「榛の木染(はんのきぞめ)の前垂」について知りたい。
- 回答
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水尾は,現在の京都市右京区,愛宕山の麓にある地域です。
柚子の産地や清和天皇が隠棲した地としても知られています。【資料1・3】
前垂は,三幅(一幅は約36cm)の木綿の布を榛の木で染めてあります。カラー写真は見つかりませんでしたが,色は赤や褐色,茶褐色などと書かれています。
伝承には,清和天皇に奉仕した女官がはいていた緋の袴の名残りとあります。【資料1~5・7・9・10】
「水尾盆踊唄」にも,「榛の木染めの赤前垂はむかしゆかしい緋の袴」と歌われています。【資料2・4・7】
また江戸時代には,愛宕山にある樒売場で水尾の女性が前垂をつけて樒を売ることが定められていました。【資料8】
染め方は,次の方法などがあります。
・春の初めに榛の木の皮をむき,その煮汁に石灰を混ぜて染める【資料2・4・7】
・榛の木と桃の木の上皮をむいた白い皮を入れて煮炊きし染める【資料6】
- 回答プロセス
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●“水尾”をキーワードに京都市図書館の所蔵を検索・・・【資料1・2】
●水尾地域がある京都市右京区に関する資料を確認・・・【資料3・4】
●水尾周辺を嵯峨とも呼ぶことから,嵯峨に関する資料を確認・・・【資料5・6】
●京都の風俗や民俗に関する資料を確認・・・【資料7・8】
●“水尾 前垂”をキーワードにGoogleブックスを検索・・・【資料9・10】
- 事前調査事項
- NDC
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- 染織工芸 (753)
- 風俗史.民俗誌.民族誌 (382)
- 日本 (291)
- 参考資料
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- 【資料1】『きょうと No.46』(きょうと発行所/[編] 1967)p30~40“水尾”
- 【資料2】『水尾の里 水尾小学校創立百周年記念誌』(水尾小学校百周年記念行事実行委員会 1976)p69“水尾美人と赤前垂”
- 【資料3】『日本歴史地名大系 27 京都市の地名』(平凡社 1979)p1064~1065 “水尾村”
- 【資料4】『右京 区制五十周年記念誌』(右京区制五十周年記念会 1983)p129“水尾美人と赤前垂”
- 【資料5】『嵯峨誌 平成版』(嵯峨教育振興会 1998)p228“榛汁染の前垂”
- 【資料6】『<ワイド版>街道をゆく 26 嵯峨散歩、仙台・石巻』(司馬 遼太郎/著 朝日新聞社 2005)p23~35 “水尾と樒が原”
- 【資料7】『京の女人風俗』(京都新聞社/編 河出書房新社 1963)p60~72“水尾女”
- 【資料8】『京都民俗志 改訂』(井上 頼寿/著 平凡社 1968)p165~166“樒”
- 【資料9】『近江路の万葉』(山村 金三郎/著 角川書店 1980)p192~196“綜麻形”
- 【資料10】『日本随筆紀行 16 露踏みわけて深草の里』(作品社 1986)p16~25「水尾」(岡部 伊都子/著)
- キーワード
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- 草木染
- 前垂
- 水尾
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000304305