レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年11月06日
- 登録日時
- 2019/03/22 12:08
- 更新日時
- 2019/03/22 12:08
- 管理番号
- 相-180015
- 質問
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解決
「すみ取り紙」について教えてほしい。
大分県竹田市旧岡藩第一代藩主中川秀政は、豊臣秀吉の朝鮮出兵に従った際、毒矢が当たり戦死し、山桜の樹の傍らに墓が建てられた。竹田市内浄土宗成等山正覺寺所蔵古文書の内 和綴じ冊子「御代の光 中川清秀公 秀政公 秀成公 御三代様御事 長歌の体ニして覺書」には、「思ひ思ひの手向草指の血しほをそそきつつ詩歌姓名の短冊やすみ取り紙や鬢の髪さくらの花の枝ニ結ふ縁にしも主従のふかき契りやますら雄の袂をしほるあわれさよ」との記述があるようだ。
近隣の図書館で日本国語大辞典ほか国語辞典を調べたが、「すみとりがみ」という項目はみつからなかった。短歌のように木の枝に結ぶような性質のものなのか、という点も含めて教えてほしい。
- 回答
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次の資料を紹介しました。
・『時代考証 日本合戦図典』笹間良彦著 雄山閣 1997
p.175~185に「旗指物の種類」があり、p.183に「角取紙」の図とともに「紙の一角をつまんでしごいたような形の指物」と記述があります。
・『旗指物』高橋賢一著 人物往来社 1965
「三、指物」のp.268に「指物または差物、捺物等の字を用い、さしものという。戦場の標幟にして、大永の頃より起る。指物には旗及び雑形を用いるものにて、その旗には(中略)種類極めて多し。」とあります。
p.293~332の「類別旗指物事典」にはp.307に「角取紙」の項があり「四角な紙のひとすみをつかんで束ねたかたちで、束紙ともいった。紙数、束ねようで種々の形を生じた。」とあり、p.328には図も記載されています。
・『日本国語大辞典 第二版 第六巻』日本国語大辞典第二版編集委員会、小学館国語辞典編集部編 小学館 2001
p.60に「さし-もの【指物・差物・挿物】」の項があり「当世具足の後胴の受筒(うけづつ)にさし込む棹(さお)につけた軍中の標識。文章や家紋・文字などを書いた四方(しほう)四半(しはん)の幟の類や、切裂(きっさき)や幣束などの作り物を棹につけ、陣中の役職、家門の標識としたもの。」とあります。
・『日本国語大辞典 第二版 第七巻』日本国語大辞典第二版編集委員会、小学館国語辞典編集部編 小学館 2001
p.1060に「すみとり-がみ【隅取紙】」の項があり「方形の紙の四隅を切り取ったり折り込んだりしたもの。特に、両端を末広に畳み重ねて、根を串の先端に結び垂れ笠標(かさじるし)や指物(さしもの)としたもの。」との記述があり図も記載されています。また、用例のなかに「角取紙」の表記もあります。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 9版)
- 系譜.家史.皇室 (288 9版)
- 辞典 (813 9版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000253530