レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年3月26日
- 登録日時
- 2015/05/06 17:40
- 更新日時
- 2015/05/16 15:34
- 管理番号
- 相市-H26-016
- 質問
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解決
江戸時代より前(1600年より前)の相模国と武蔵国の境がどこであったかを知りたい。
境川が国境だった以前はどこが境だったのか。例えば分水嶺や山などを国境としている場合があると聞いている。
- 回答
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文禄3年(1594年)の検地より前は、横山(多摩丘陵)が相模国と武蔵国の国境であった。
- 回答プロセス
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参考資料室をブラウジングし、次の資料を確認した。
①『大日本讀史地図 覆刻版』 吉田 東伍/著 冨山房 1980 【R291 S00820894】
p.73-74 秀吉の全国平定の地図はあるが、細かい境界などは確認できない。
次に、境川が国境になったのはいつかを調べる。
「レファレンス協同データベース」で“相模国 武蔵国 境”で検索し、事例中の参考文献である次の資料を確認した。
②『境川流域民俗調査報告書』 町田市立博物館/(他)編 町田市立博物館 相模原市立博物館 2006 【K1-38 S24218877】
p.8「…『皇国地誌』の高座郡相原村の項などにも、古くより横山(多摩丘陵)を相武の国界としていたが、徳川氏の東国への入国後に行われた文禄3年の検地によって高座川を武相の境として境川と称するようになったことが記されているのである。」との記載あり。
(参考事例:「(以前は高座川とも呼ばれた)境川が、武蔵国と相模国の境界として境川と呼ばれるようになったのはいつか。」https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000104585)
次に文禄3年(1594年)の検地以前の国境についての記述を探し、②の記述の元と思われる『皇国地誌』を確認した。
③『皇国地誌 郷土相模原第13集別冊』 相模原市教育委員会社会教育課/編 相模原市教育委員会 1963 【K1-20 S00643536】
p.4 ②の元と思われる記述あり
インターネット検索エンジンGoogleにて“相模国 戦国時代 国境”で検索したところ、
個人サイト「地誌のはざまに」に武相国境、境川の記述があり、その参考文献をあたる。
http://kanageohis1964.blog.fc2.com/blog-entry-112.html(最終確認2015.5.6)
→④『町田市史 上巻』 町田市史編纂委員会/編 町田市 1974 【K9-21町田 S12471975】
p.280(第六節「奈良・平安時代の文化」内)「当時おそらく南多摩丘陵の尾根づたいや山巓見通し線などで相模国との国界が定められ、現在の境川線より丘陵内部に入っていたと思われる。」との記述あり。
→⑤『相模原市史 第1巻』 相模原市/編 相模原市 1975 【K1-21 S23586589】
p.299に記述あり。文禄三年以前は、川の両岸は相州高座郡で1200年以前の天平時代はおそらく国境は多摩丘陵であったと思われる。
自館OPACにて“グンザカイ”をキーワードとして検索し、次の資料を確認した。
⑥『神奈川の古代道』 藤沢市教育委員会博物館建設準備担当/編 藤沢市教育委員会 1997 【K0-68 S13418959】
p.61と付録地図に記述あり。「中世には、境川でなく多摩丘陵が国境となっていた…」とのこと。
参考文献として次の資料が紹介されていたが、市内や近隣では所蔵しておらず、内容の確認はできかった。
河野喜映「多摩丘陵南側の武蔵と相模の国界について」(多摩考古26、1996)
さらに、自館OPACにて“ブンスイレイ”をキーワードとして検索し、次の資料を確認した。
⑦『神奈川県史 資料編6 近世(3)』 神奈川県企画調査部県史編集室/編 神奈川県 1973 【K0-21 S00608067】
付録に「相模国地図」「武蔵国地図」があり、道などが詳しく記載されている。国境は多摩丘陵あたり。
⑧『神奈川県史 資料編11 近代・現代(1)』 神奈川県企画調査部県史編集室/編 神奈川県 1974 【K0-21 S00601385】
付録「神奈川県管内之図(明治24年)」に武蔵国、相模国それぞれに属する町村名等の記載はあるが、国境は境川。
※【 】の中は、自館の請求記号と資料コード
- 事前調査事項
- NDC
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- 関東地方 (213)
- 日本 (291)
- 参考資料
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吉田 東伍 , 蘆田 伊人/〔共〕著 , 吉田‖東伍 , 蘆田‖伊人. 大日本讀史地圖 : 復刻版. 冨山房, 1980.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I024661333-00 -
町田市立博物館, 相模原市立博物館 編 , 町田市立博物館 , 相模原市立博物館. 境川流域民俗調査報告書. 町田市立博物館, 2006.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023450715-00 -
皇国地誌. 相模原市教育委員会, 1963. (郷土相模原 ; 第13集別冊)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007923849-00 -
町田市史編纂委員会 編 , 町田市. 町田市史 上巻. 町田市, 1974.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001227800-00 -
相模原市市史編さん委員会 編 , 相模原市. 相模原市史 第1巻. 相模原市, 1964.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001065459-00 -
藤沢市教育委員会博物館建設準備担当 編 , 藤沢市教育委員会. 神奈川の古代道. 藤沢市教育委員会, 1997. (博物館建設準備調査報告書 ; 第3集)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002574319-00 -
神奈川県企画調査部県史編集室 編 , 神奈川県. 神奈川県史 資料編 6 (近世 3). 神奈川県, 1973.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001227791-00 -
神奈川県企画調査部 , 神奈川県県民部県史編集室 , 神奈川県企画調査部 , 神奈川県県民部県史編集室. 神奈川県史 資料編 11 近代・現代 1. 神奈川県, 1970.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I045911469-00
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吉田 東伍 , 蘆田 伊人/〔共〕著 , 吉田‖東伍 , 蘆田‖伊人. 大日本讀史地圖 : 復刻版. 冨山房, 1980.
- キーワード
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- 相模国
- 武蔵国
- 国境
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000174300