レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年08月19日
- 登録日時
- 2017/08/19 13:28
- 更新日時
- 2017/12/21 18:00
- 管理番号
- 長野市立長野-17-007
- 質問
-
解決
茅野市にある賴岳寺にある鋳銘の内容について
『(復刻)諏訪史料叢書 第5巻』の「金石銘文 5 賴岳寺殿鐘再意鋳銘」にある「利根荘」「高平山」「雲谷寺」「釋建崗」「玉山崗」のことが知りたい。
- 回答
-
「利根荘」「高平山」「雲谷寺」については地名辞典にあり。
「釋建崗」「玉山崗」については『白沢村誌』の「雲谷寺と観音寺の創建について」の項にあり。
銘文から、「釋建崗が先考(亡父)玉山崗のために作った」とわかり、雲谷寺によると、「玉山崗」とは「再興開基大友刑部大夫沼田憲義公(長忠公ト云) 法名恕林院殿玉山崗公大禅定門」のことである。しかし、『白沢村誌』によると沼田憲義は実在しているかわからないが、長忠は実在を確認できるとのこと。(ほかの寺でも名前が確認できるとのこと)
ちなみに、なぜ鐘が賴岳寺にあるのかについては「いつともしれず持去られて」とのみ記載あり。
- 回答プロセス
-
利用者より、上州とあるので群馬県ということと、首座や公とあるので「釋建崗」「玉山崗」は僧の名前であろうとのこと。
まず寺に関する資料をあたるが、詳細のわかるものなし。群馬県の寺ということで、群馬県に関する資料をあたる。
『角川日本地名大辞典』に「利根郡」「高平」「雲谷寺」の項あり。
『群馬県の地名』の「利根郡」に「利根庄」「高平村」の項あり。
「高平(村)」内の雲谷寺に関するところに文明5年の鐘銘ということで賴岳寺も同じ「上州利根荘高平山雲谷禅寺」とあるとなっており(日本古鐘銘集成)と書かれている。しかし当館には『日本古鐘銘集成』の所蔵はなし。
インターネットにて「賴岳寺 雲谷寺 鐘」と検索をしたところ、
『群馬大学教育学部紀要 人文・社会科学編 第47巻 65-139頁 1998』「群馬県梵鐘年表稿」(石田 肇)がヒット。
https://gair.media.gunma-u.ac.jp/dspace/bitstream/10087/765/1/areh047065.pdf <最終確認:2017年12月14日>
p74 曹洞宗賴岳寺旧蔵(長野県茅野市上原) 旧雲谷寺鐘(上州利根庄 現利根郡白沢村高平)の項あり。
備考には「雲谷寺から賴岳寺に移った。」とあり。
参考資料にある『白沢村誌』が国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧可能だったので(送信館限定)確認したところ、p76~82に「雲谷寺と観音寺の創建について」の項あり。
「釋建崗」「玉山崗」についての記載があった。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 仏教 (180)
- 日本 (291)
- 参考資料
-
- 『角川日本地名大辞典 10』 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 角川書店 1988 〈R291.03カ〉
- 『群馬県の地名 日本歴史地名大系10』 平凡社 1987 〈R291.03ニ〉
- 『日本仏教人名辞典』 日本仏教人名辞典編纂委員会 法蔵館 1992 〈R180ニ〉
- 『増訂 日本仏家人名辞書』 鷲尾順敬 東京美術 1982 〈R182ニ〉
- 『群馬大学教育学部紀要 人文・社会科学編 第47巻』 https://gair.media.gunma-u.ac.jp/dspace/bitstream/10087/765/1/areh047065.pdf <最終確認:2017年12月14日> (群馬県地域共同リポジトリ)
- 『白沢村誌』 白沢村誌編纂委員会/編 白沢村 1964 (p76~82「雲谷寺と観音寺の創建について」 国立国会図書館デジタルコレクション(送信館限定))
- キーワード
-
- 賴岳寺
- 雲谷寺
- 金石・金石文
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000220803