当館所蔵の本に、以下の記載があった。
①【令】の欄に “集合”の意味を表した“〔三画目までの部分〕”と、”割り符(文字の書かれた木のふだの中央に印をおし、二つに割り、おたがいに持っていて後の証拠とするもの)”の形を表した“〔四画目以降の部分〕”とを組み合わせて作った字です。
との記載がある。
②【令】の欄の なりたち に
「〔三画目までの部分(=集め合わせる)〕」「卩(=割り符)」から構成される。
との記載がある。
③【令】の 解字 の欄に
会意。〔三画目までの部分〕と〔卩 囲まれた部分に「、」がある〕との合字。〔三画目までの部分〕は合(集合の意)、〔卩 囲まれた部分に「、」がある〕は瑞信(しるしの玉)。瑞信即ち権能を以て招集して行動せしめることを示す。(本文には旧字体が用いられている)
との記載がある。
④【令】の欄に
屋根の下で人が座る姿を表す。
との記載がある。
⑤【令】 解字 の欄に
会意。上半部「〔三画目までの部分〕」は、集める意。下半部「卩」は、人がひざまずいた形。
との記載がある。
⑥【令】の 字形 の欄に
意味を表す「〔四・五画目の部分の表示〕」(ひざまずいている人)と、音を表す「〔三画目までの部分〕」とからなる形声字。
との記載がある。
また、「令」の 契文 金文 篆文 の表示がある。
⑦【令】 なりたち の欄に
会意。物を集める意(〔三画目までの部分〕)と、ひざまずいた人「〔四・五画目の部分〕とを合わせて、人を集めて服従させ、命令する意味を表す。
との記載がある。
⑧第二章 漢字の成り立ちと三つの要素 に
令は、屋根の形である今(〔三画目までの部分〕)と跪いた人である卩から成り、屋内で命令を受けている人の姿と考えられる。
との記載がある。
⑨【令】の欄に
会意。“ひざまずく人”の絵から生まれた「卩」の上に、「〔三画目までの部分〕」を組み合わせた漢字が変形したもの。「〔三画目までの部分〕」が何を表すかにはいろいろな説がありますが、全体で、ひざまずいて神や君主の“命令”を聞くことを表します。
との記載がある。
⑩【令】 語源 の欄に
「令」は「〔三画目までの部分〕(三方から集まることを表す符号)+卩(ひざまずく人の形)」を合わせて、神の言葉や君主の命令を人々に告げる場面を設定した図形。
との記載がある。
⑪【令】 [字形] の欄に
「〔三画目までの部分〕(三方から寄せ集めることを示す符号)+卩(ひざまずく人)」を合わせ、人々を三方から集めてひざまずかせ、神や天子のお達しをさずけるさまを暗示した(会意文字)。
との記載がある。
⑫【令】の欄に
人を部首とする『令』の甲骨文は〔三画目までの部分〕と卩より成り立っている。「〔三画目までの部分〕」は朝廷のような公共の建物を表し、「卩」は臣下を表す。『令』は朝廷から臣下が命を承ける意を表したもの。
との記載がある。
また、「令」の 甲骨文 金文 説文 汗簡 睡虎地秦簡 隷辨 の表示がある。
⑬【令】の欄に
古代文字では「〔古代文字の「令」〕」と書き、“ひざまずいて神のお告げを聞く人”の形だと考えられている。
との記載がある。
⑭第三章 女性の名前に潜む暗号 第二十八位⑩ 玲 の欄に
「玲」は「玉」と「令」で作られている。「令」は△の覆いの下に人が跪いている姿を描いたものである。人々を集めて神の言葉を伝える神官を表し、清らかな音(声)、人の上に立つ人を意味する。
との記載がある。
⑮【令】 解字 の欄に
象形。神官が礼帽を目深に被り、跪いて神意を聴く形。
また、
一説に、会意。「〔三画目までの部分〕」+卩。「〔三画目までの部分〕」は集める意。卩は人の跪く姿。
との記載がある。
「令」の 卜文 金文 篆文 の表示もある。
⑯【令】の欄に
象形 礼冠をつけて、跪いて神意を聞く人の形。
また、
〔設文〕九上に「号を発するなり。「〔三画目までの部分〕」(ふし)卩(せつ)に従ふ(本文には旧字が使われている)」と会意に解する。人を〔三画目までの部分〕」(あつ)めて玉瑞の節(卩)を頒かち、政令を発する意とするが、卜文・金文の字形は、神官が目深に礼帽を著けて跪く形で、神意を承ける象とみられる。(中略)令・命は神意に関して用いる語である。
との記載がある。
⑰【令】の欄に
象形 礼冠を着け、跪いて神意を聞く人の形。上部は三角形に似た深い冠の形である。古く令の意と、またその字形のままで命の字にも用いた。〔設文〕九上に「号を発するなり。「〔三画目までの部分〕」(ふし)卩(せつ)に従ふ(本文には旧字が使われている)」と会意に解する。〔三画目までの部分〕」を集、卩を節とし、人を集めて五瑞の節)を頒ち、その政令を発する意とするものであるが、卜文・金文の形は、礼帽を著けて、謹み跪いて神意を聴く神官の形に作る。
との記載がある。
「令」の 篆文 甲骨文 金文 の表示もある。
⑱【令】の欄に
令は、祭祀や儀礼の際に被る「礼帽(〔三画目までの部分〕)」をつけ、跪いて神のお告げを聞く人の形を表します。甲骨・金文では、礼帽をかぶり跪いて神意を聴く神官の姿を表しており、その神意とはすなわち神の命令のことでした。
との記載がある。
「令」の 甲骨 金文 篆文 の表示もある。
⑲【令】の欄に
もとは神のお告げのことで、命令、決まりなどの意味を表すが、美しいの意味も。
との記載がある。
⑳【令】の欄に
殷 西周 東周 秦 隷書 楷書 の表示がある。