レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019/01/14
- 登録日時
- 2020/12/23 00:30
- 更新日時
- 2020/12/23 09:20
- 管理番号
- 所沢新所-2020-009
- 質問
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解決
古代メソポタミア文明時代のウル王朝のボードゲームについて記載されている資料はあるか。
- 回答
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ウル王朝のボードゲームについて、「紀元前二六〇〇年頃のウルの繁栄と富裕を象徴するもので、古代世界で最も優美で精巧な細工の遊戯盤として知られている。ロイヤルゲーム・オブ・ウルと呼ばれているが、皮肉なことにこの名称はイラク国外で付けられた。」(『すごろく 1』 増川宏一/著 法政大学出版局 1995年より抜粋)とあります。
以下の資料に記載があります。
〇『すごろく 1』 増川宏一/著 法政大学出版局 1995年
〇『盤上遊戯』 増川宏一/著 法政大学出版局 1978年
〇『遊戯』 増川宏一/著 法政大学出版局 2006年
〇『四大文明 メソポタミア』 松本健/編著 日本放送出版協会 2000年
〇『NHK大英博物館 1』 日本放送出版協会 1990年
- 回答プロセス
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1.所蔵資料の内容確認
〇『すごろく 1』 増川宏一/著 法政大学出版局 1995年
p.19-26 「2 レース・ゲーム」の項目に、以下の記載あり。
p.19「(前略)ここに展示されている数個の遊戯盤のうち、とりわけ重要なのは、イラク南部のウル第三王朝の王墓から発掘されたものである。紀元前二六〇〇年頃のウルの繁栄と富裕を象徴するもので、古代世界で最も優美で精巧な細工の遊戯盤として知られている。ロイヤルゲーム・オブ・ウルと呼ばれているが、皮肉なことにこの名称はイラク国外で付けられた。(後略)」
p.21「(前略)ウルのゲーム盤は以前から指摘されていたようにレース・ゲーム型で、二人で争い、駒を出発点から終点に向って盤上の枡目を動かす。三角錐体のさいころと、白黒各五個ずつの平らな円形の駒が使われた。(後略)」
〇『盤上遊戯』 増川宏一/著 法政大学出版局 1978年
p.28-29 「ウルの遊戯盤」の項目に、以下の記載あり。
「メソポタミア地方で発掘された遊戯盤で最も有名なのはウルの王墓からの出土品である。(中略)一九二六-七年にかけてのL・ウォーレイ探検隊によるウル第一王朝(紀元前二五六〇年頃創立)の〈聖なる墓〉に副葬されていた財宝の間から、四つのゲーム盤が発見された。(後略)」
p.29-30 「遊戯盤の文様」の項目に、以下の記載あり
p.29「(前略)ウルの遊戯盤の一番の特徴は、枡目に描かれている奇妙な図である。二つの大きな目や六つの小さい目が描かれているし、側面にも目が描かれている。(後略)」
p.68に「ウルの遊戯盤の駒(大英博物館所蔵)」の写真あり。
p.69-70 「ウルの遊戯盤の遊び方」の項目あり。
p.80-81 「ウルの遊戯盤の解釈」の項目あり。
〇『遊戯』 増川宏一/著 法政大学出版局 2006年
p.23-24に、「(前略)大英博物館やバグダッドの考古博物館にはきわめて古い粘土板の五八穴の遊戯盤が展示されている。方形の枡目で二つの枡目群をつないだ独特な型の遊戯盤は古代都市国家ウルの王宮跡から発掘された五面の遊戯盤---損傷の著しいものも含めて---が最も広く知られている。とりわけ大英博物館所蔵の盤は「ロイヤル・ゲーム・オブ・ウル」とよばれ、ラピスラズリや象牙で装飾され、奇怪とも見える「目」と花模様が枡目や側面に描かれている。ウルの繁栄を象徴している遊戯盤である。(後略)」と記載あり。
p.24に「ウルの王宮跡から出土したゲーム盤(前2600頃.大英博物館蔵)」の写真あり。
p.111に、「(前略)メソポタミアのウルの王墓から発見された「ロイヤル・ゲーム・オブ・ウル」は四角の升目が連なる独特の型のゲーム(後略)」と記載あり。
〇『四大文明 メソポタミア』 松本健/編著 日本放送出版協会 2000年
p.144-145 「人々の暮らしと遊び 2」の項目に、以下の記載あり。
p.145「(前略)ウルの王家の墓から出土したゲーム盤は一つひとつの目にそれぞれ花文様、ライオンの獲物狩りの情景や山羊と聖樹の情景等が貝殻やラピスラズリ等により象嵌されており、当時のゲームを復元できる貴重なものである。同様のゲーム盤を使う遊びはその後、前八世紀の北シリアの遺跡でも発見されている。」
〇『NHK大英博物館 1』 日本放送出版協会 1990年
p.102-103 「「遊び」の文化」に、「ゲーム盤」の写真と解説あり。
p.169-170 「ウルの王室ゲーム 遊戯法を示す古代の証拠」の項目に、以下の記載あり。
p.169「『ゲーム盤』(中略)は、サー・レナード・ウーリーがウルの王墓で発見したゲーム盤の中でも一番よく知られたもので、ほぼ紀元前二六〇〇年頃に比定されている。(中略)チェス出現以前の古代世界において、このゲームが最も普及し、最も人気があったといっても決して過言ではないであろう。(後略)」
△『古代オリエント事典』 日本オリエント学会/編 岩波書店 2004年
p.364-365 「ウル」の項に、以下の記載あり。
p.365「(前略)副葬品には、(中略)装身具、容器、ゲーム盤、黄金の兜と短剣、用途に議論のあるスタンダードなどの優れた工芸品が収められていた。(後略)」
△『メソポタミア文明』 ジャン・ボッテロ/著 創元社 1994年
p.114-115 「王墓の発掘」の項に、以下の記載あり。
p.114「(前略)王の遺骨のまわりには、豪華な家具や箱、金や宝石で飾った装身具、寝台、楽器、ゲーム盤、食器などが並べられていた。(後略)」
△『プレイ・ザ・ゲーム』 ブライアン・ラブ/編著 TBSサービス 1981年
p.8 「ボードゲームの歴史」の項に、「(前略)第9王朝と第12王朝(西暦紀元前2445~1801年にわたる)の墳墓では、”犬とジャッカル”という名で知られるゲームに使う盤が見つかった。(後略)」と記載あり。
△『メソポタミア文明』 サラ・カセッリ/著 教育社 1996年
p.47に、「5 モザイクをほどこしたゲーム盤とこま。」としてゲーム盤の絵あり。
2.確認したが記載のなかった資料
×『図説古代オリエント事典』 ピョートル・ビエンコウスキ/編著 東洋書林 2004年
×『バビロニア文明』 ペトラ・アイゼレ/著 佑学社 1982年
×『シュメール文明』 ヘルムート・ウーリッヒ/著 佑学社 1980年
×『ボード・ゲーム』 松田道弘/著 筑摩書房 1981年
×『図説メソポタミア文明』 前川和也/編著 河出書房新社 2011年
×『粘土に書かれた歴史』 E.キエラ/著 岩波書店 1979年
×『岩波講座世界歴史 10 』 樺山紘一/ほか編集委員 岩波書店 1999年
×『イスラーム世界史』 後藤明/著 KADOKAWA 2017年
×『遊戯の起源』 増川宏一/著 平凡社 2017年
×『遊びと人間』 ロジェ・カイヨワ/著 講談社 1990年
×『ホモ・ルーデンス』 ヨハン・ホイジンガ/著 講談社 2018年
×『古代文明史 1』 ジャケッタ・ホークス/著 みすず書房 1978年
×『初期メソポタミア史の研究』 前田徹/著 早稲田大学出版部 2017年
×『古代エジプトの遊びとスポーツ』 ヴォルフガング・デッカー/著 法政大学出版局 1995年
×『メソポタミア』 ジャン・ボテロ/著 法政大学出版局 1998年
- 事前調査事項
- NDC
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- 社会.家庭生活の習俗 (384 9版)
- 博物館 (069 9版)
- 世界史.文化史 (209 9版)
- 参考資料
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- すごろく 1 増川宏一/著 法政大学出版局 1995.7 384.8 4-588-20791-1
- 盤上遊戯 増川宏一/著 法政大学出版局 1978.7 384.8 4-588-20291-X
- 遊戯 増川宏一/著 法政大学出版局 2006.4 384.8 4-588-21341-5
- 四大文明 メソポタミア 松本健/編著 日本放送出版協会 2000.7 209.3 4-14-080533-1
- NHK大英博物館 1 日本放送出版協会 1990.10 069.63333 4-14-008737-4
- キーワード
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- ウル王朝
- 遊戯盤
- メソポタミア
- 大英博物館
- ボードゲーム
- ロイヤル・ゲーム・オブ・ウル
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000291275