『京都国立博物館70年史』(①)pp.155-157に記載された70年略史に、恩賜京都博物館の間の館長及び館長事務取扱が書かれている。また、『京都国立博物館要覧 昭和27-41年度』(②)には歴代館長が記載されており(p.2)、館長事務取扱の記載はないが、館長在任日付も記されている。両書をまとめると次のとおり。
多久安信(市助役)が館長事務取扱 大正13年(①のみ)
和田不二男 大正15.9.15~昭和13.3.6
川口知雄 昭和13.3.12~昭和17.10.21
則包末広 昭和17.11.24~昭和21.3.31(資料①は、昭和17年12月に館長となる、と記載)
土居次義 昭和21.4.1~昭和22.12.17
入山雄一 昭和23.2.20~昭和24.9.12(資料①は、昭和22年12月に館長となる、と記載)
冨岡益五郎 昭和24.9.12~昭和27.3.31
昭和27年4月 京都国立博物館と改称。
『恩賜京都博物館要誌』(③)pp.16-18
「職員及事務嘱託」の項目には、恩賜京都博物館長(大正15年9月14日就職)和田不二男と記載されている。
また①や②を補うものとして、大正13年2月~大正15年9月の間の館長事務取扱について記載がある。それによると次のとおり。
大正13年2月1日就職、大正14年3月25日退職 京都市助役 多久安信
大正14年3月25日就職、同年5月20日退職 京都市助役 千葉彌助
大正14年5月20日就職、同年12月10日退職 京都市助役 田原和男
大正15年2月13日就職、同年9月14日退職 京都市助役 松原權四郎
『恩賜京都博物館年報』(④)
当館では、第1、2、4の各号を所蔵している。
各号の記載は次のとおり。
第1号 pp.32-33 本館職員一覧(昭和16年1月現在) 館長 川口知雄
第2号 pp.54-56 本館職員一覧(昭和16年8月現在) 館長 川口知雄
第4号 pp.39-40 本館職員一覧(昭和18年8月末現在) 館長 則包末廣
また、第4号「職員の異動」の項目中の次の記載は川口免職後、則包が就任するまでの間を大石が事務取扱として中継したことを示している(p.27)。
京都市教育局長 大石右一 昭和17年10月21日 館長事務取扱ヲ命ゼラレタリ
館長 川口知雄 同日 依願本職ヲ免ゼラレタリ
京都紀念動物園長 則包末廣 同年11月24日 館長ニ任ゼラレタリ
館長事務取扱 大石右一 同日 兼務ヲ免ゼラレタリ
なお、『恩賜京都博物館年報』は、第1号から第3号を、国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧可能(全てインターネット公開)。当館では未所蔵の第3号の本館職員一覧(昭和17年10月末現在)には「館長事務取扱 教育局長 大石右一」という記載がある(p.76)。
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https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1037768/49 ]【最終確認:2021年7月29日】