レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/02/21
- 登録日時
- 2023/02/02 00:30
- 更新日時
- 2023/02/02 00:30
- 管理番号
- 6001058273
- 質問
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解決
江戸時代の大阪における鰹節の店について知りたい。
- 回答
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江戸時代の大阪における鰹節の店について書かれた資料は、以下のとおりです。
■『鰹節 上巻』(宮下章/著 日本鰹節協会 1989)
第11章「江戸時代の鰹節売買」内のp.541-554にかけて大阪の魚市場・鰹節市場に関する内容があります。
■『鰹節考 筑摩叢書』(山本高一/著 筑摩書房 1987.2)
p.156-159に「大阪鰹節市場の沿革」の項目があります。
■『日本名所風俗図会 10 大阪の巻』(角川書店 1980.6)
「摂津名所図会」「浪華の賑ひ」などの翻刻文が収録されています。索引より「鰹座」を参照したところ、「浪華の賑ひ」内「白洲﨑観音」の項目に「この辺を鰹座と号して鰹節を商ふ家軒をならぶ。されば土佐・薩摩・紀伊等の産をはじめ諸国の鰹節ことごとくここに集まるがゆゑに、鰹節街に充ちて往来も煩はしきばかりなり。すべて国々より来たるもの皆荒節なれば、この所にて磨き製へて、樽に詰め、諸国に送るをもつて四時交易に隙なし」(p.398)とあります。
■『校本難波丸綱目』(多治比郁夫/編輯 中尾松泉堂書店 1977)
公人・武人・商工など各種便覧をまとめたもので延享版・安永版の影印が収録されています。延享版にあたるp.149、安永版にあたるp.494に「鰹節問屋」の項目があり取り扱う者の氏名がみられます。
■『浪速叢書 第8 摂津名所図会大成』(船越政一郎/編纂校訂 浪速叢書刊行会 1928)
暁鐘成による「摂津名所図会大成」の翻刻が収録されています。p.281-282にかけて「鰹節市店」として「三町許の間鰹節の市店軒をつらね日毎に交易繫く或ハ表通りに出して所狭までに乾ならべ(後略)」などと当時の町の様子が記されています。
本資料は「国立国会図書館デジタルコレクション」でも閲覧いただけます(2023/1/7確認)。
https://dl.ndl.go.jp/pid/1243124/1/150
■『大阪経済史料集成 第11巻』(大阪経済史料集成刊行委員会/編 大阪商工会議所 1977)
当時の大坂における業種別の商工便覧である「浪華買物独案内」(天保3年)、「大阪商工銘家集」(弘化3年)の影印が収録されています。
一例を挙げると「浪華買物独案内」には「乾物」の項目(p.276-277)、「大阪商工銘録」には「鰹節塩干魚」の項目(p.490-493)に鰹節を取り扱う商店の名前が見られます。
■『大阪経済史料集成 第2巻』(大阪経済史料集成刊行委員会/編 大阪商工会議所 1972)
農商務省に在籍した遠藤芳樹が江戸中期以降における商慣習をまとめた「大阪商業慣習録」を収録しています。文中の「塩魚干魚仲間」では「鰹節座組仲買拾六人ありて、鰹節並塩魚・干魚等を取扱ひ来り、年々冥加金拾両つゝを上納せり。この仲間に於てハ嘗て旧幕箱館産物仕法立の時より、該地物産売捌方御用を勤む」などとあります(p.227-228)。
[事例作成日:2023年1月7日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 商業経営.商店 (673 10版)
- 参考資料
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- 鰹節 上巻 宮下/章∥著 日本鰹節協会 1989 (p.541-554)
- 鰹節考 山本/高一∥著 筑摩書房 1987.2 (p.156-159)
- 日本名所風俗図会 10 角川書店 1980.6 (p.398)
- 校本難波丸綱目 多治比/郁夫∥編輯 中尾松泉堂書店 1977 (p.149,494)
- 浪速叢書 第8 船越/政一郎∥編纂校訂 浪速叢書刊行会 1928 (p.281-282)
- 大阪経済史料集成 第11巻 大阪経済史料集成刊行委員会∥編 大阪商工会議所 1977 (p.276-277,490-493)
- 大阪経済史料集成 第2巻 大阪経済史料集成刊行委員会∥編 大阪商工会議所 1972 (p.227-228)
- https://dl.ndl.go.jp/pid/1243124/1/150 (『浪速叢書 第8 摂津名所図会大成』(国立国会図書館デジタルコレクション))
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 大阪
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000328493