レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年9月2日
- 登録日時
- 2023/01/25 11:13
- 更新日時
- 2023/02/09 19:16
- 管理番号
- 中央-1-0021621
- 質問
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解決
山口敏夫元衆議院議員(旧埼玉県第2区選出、過去に自由民主党・新自由クラブ・新進党に所属)と山口議員が問題視された二信組事件について、以下のことが知りたい。(二信組は、経営破綻に陥った東京協和信用組合・安全信用組合のこと。)
(1) 山口敏夫元議員と二信組事件について取り上げた書籍・新聞記事・雑誌があれば教えてほしい。また、最初に当該事件を取り上げた記事が分かれば教えてほしい。
(2) 山口元議員本人が「バブル経済の崩壊という日本の戦後史の大きな事件の中で、私自身がこういう役をふり当てられたんだな~」と語っている。(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/226426 日刊現代デジタルより)
二信組事件とバブル景気の崩壊が関連していたのか否か分かる資料はあるか。
(3) 山口敏夫元議員には「政界の牛若丸」「珍念」「隙間政治家」というあだ名があったそうだ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E5%8F%A3%E6%95%8F%E5%A4%AB(Wikipedia 山口敏夫の項目より)
あだ名の由来が分かる資料等はあるか。
- 回答
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以下のとおり回答した。
(1)山口敏夫元議員と二信組事件について取り上げた書籍・新聞記事・雑誌
【図書】
・『平成闇の権力 政財界事件簿』朝倉秀雄/著 イースト・プレス 2015年
p113~「第四章 バブル崩壊と二信組事件」 山口氏についても記述がある。
・『権力犯罪』黒田清/著 大谷昭宏/著 旬報社 2000年
p166~「東京協和・安全信組事件」 山口氏についても記述あり。
・『検証経済暗雲 なぜ先送りするのか』西野智彦/著 岩波書店 2003年
p99~「第三章 銀行局の威信」
・『平成経済事件の怪物たち』森功/著 文藝春秋 2013年
p139~「第六章 高橋治則 長銀をつぶした男」 東京協和信用組合の理事長だった高橋氏について記述あり。
・『元役員が見た長銀破綻 バブルから隘路、そして……』箭内昇/著 文藝春秋 1999年
全体的に長銀(日本長期信用銀行)についての記述だが、一部あり。
p56「(前略)東京協和、安全の二信組の乱脈融資事件は九四年に起きた。この事件は東京協和の理事長がイ・アイ・イの高橋治則社長であったこともあり、バブルの象徴的事件として大きく取り上げられた。」
【雑誌・新聞】
山口敏夫元衆議院議員と二信組事件について取り上げている雑誌・新聞記事は数多くあった。このうち、二信組事件への山口元議員の関与を最初に取り上げた記事はおそらく以下と思われる。
(雑誌)
「うわさの真相 地検特捜部が狙う「イ・アイ・イ」の高橋治則 新進党の中西啓介や山口敏夫らも関与の見方」『噂の真相』1995年3月号 p20-22
(新聞)
「山口敏氏周辺企業に35億円 東京協和・安全信組が融資 ゴルフ場開発絡み」
朝日新聞 朝刊 1995年2月14日 1面
(2)二信組事件とバブル景気の崩壊が関連していたのか否か分かる資料
・『メガバンクの誤算 銀行復活は可能か』箭内昇/著 中央公論新社 2002年
p131~「二信組問題と兵銀処理」という項目がある。
・『戦後経済史 私たちはどこで間違えたのか』野口悠紀雄/著 東洋経済新報社 2015年
p233-268「第5章 バブルも40年体制も崩壊した」のうち、p242-243に二信組事件についての言及あり。バブル崩壊の中の一つの事件として二信組事件が取り上げられている。
(3)山口元議員のあだ名の由来が分かる資料
「政界の牛若丸」「すき間政治家」は、以下のウェブサイト・資料に言及があった。
「珍念」については、残念ながら由来の分かる資料は見つからなかった。
・山口敏夫氏、どんな人? 「政界の牛若丸」が都知事選に立候補表明 | ハフポスト NEWS (huffingtonpost.jp)
https://www.huffingtonpost.jp/2016/07/05/toshio-yamaguchi_n_10809426.html
(最終確認日:2023年2月9日)
「1980年に幹事長となり、83年には自民党と統一会派を結成する。この頃から「急に金集めを始めた」と囁かれ、「きわどい政治ゲームが得意」とのイメージが定着。「政界の牛若丸」のニックネームが付けられたという。」
「竹下登元首相は山口氏を「すき間政治家」と評したという。自民党内では異端児でありながら、安倍晋三首相の父である安倍晋太郎氏や金丸信氏ら実力者の周辺に身を置き、立ち回ることで存在感を発揮したからだという。」
・佐藤陽信「自民党新実力者群像(4)=山口敏夫氏(渡辺派事務総長) コメ自由化発言で時の人に ずぶとい“政界の牛若丸”」『時事トップ・コンフィデンシャル』9865号 1990年 p4-5
「すばしこい行動力を身上とするだけに、昔から「政界の牛若丸」とのニックネームを持つ。半面、何にでも顔を突っ込むことから「すき間政治家」との評もあり、(以下略)」
※この記事はオンラインデータベース「ELNET」で閲覧可能。
・「春秋=山口敏夫元労相は「すき間政治家」と呼ばれているそうだ」日本経済新聞 朝刊 11月8日 1面
「山口敏夫元労相は「すき間政治家」と呼ばれているそうだ。政界のどんな集まりにも、遠慮せず顔を出す。苦手を作らずだれにでも会いに行く。ずうずうしいまでの行動力を評しての命名らしい。」
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 経済史.事情.経済体制 (332 10版)
- 金融.銀行.信託 (338 10版)
- 参考資料
- キーワード
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- 山口敏夫
- 二信組事件
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000327865