以下の資料に関連の記述を確認しました。
1 図書
・『益子町史 第5巻』(益子町史編さん委員会/編 益子町 1989)
p.285-298「第一篇 窯場とその製品 第二節 陶器製品と絵付 (ニ)益子の陶画師と製品 皆川マス」の項があります。来歴や、作品についての解説、昭和天皇益子行幸の際の記録やその他エピソードなどが記されており、作品の写真も複数掲載されています。
p.877「第4篇 窯業関係写真」の項があり、「皆川マス女の絵付けをご覧になる昭和天皇(昭和22年)」、「皆川マス女の絵付けに見入る棟方志功(昭和19年)」の写真が掲載されています。
・『益子の窯と佐久間藤太郎』(塚田泰三郎/著 東峰書房 1965)
p.82-88「皆川マス女」の項があります。
本文の後段でバーナード・リーチ『日本絵日記』にも皆川マスが登場するとの情報を得ました。
・『バーナード・リーチ日本絵日記』(バーナード・リーチ/〔著〕,柳宗悦/訳,水尾比呂志/補訳 講談社 2002)※講談社学術文庫
昭和28~29年にかけてリーチが日本を訪問した際の記録です。
目次を手掛かりに本文を調査したところ、以下の3か所を確認しました。
p.89-92「四月二十二日」(「第三章 深まる印象」より)
『益子の窯と佐久間藤太郎』で引用された部分です。
滞在中最初の益子訪問の記録とともに皆川マスとの思い出が記されています。
「皆川マスさん」とキャプションのある挿絵も掲載されています。(p.90)
p.160-167「七月三十日」(「第五章 濱田の益子」より)
同じく益子訪問の記録と皆川マスとの思い出が記されています。
p.335-337「十月十八日」(「第十章 むすびそしてお別れ」より)
滞在中最後の益子訪問の記録です。三笠宮が皆川マスを訪問したことが記されています。
「皆川マスと(右からマスさん、河井寛次郎、柳宗悦、リーチ)」とキャプションのある写真が掲載されています。(p.166)
なお、調査は職員の目視によるものです。
当館では精読による調査は行っていないため、通読することで他の記述が見つかるかもしれません。
また、この資料は過去に『日本絵日記』(バーナード・リーチ/著,柳宗悦/訳 毎日新聞社 1955)として刊行されています。ただし、講談社学術文庫版の方が記述が豊富で、皆川マスの記述についても、毎日新聞社版では前出「四月二十二日」のみを確認しました。
毎日新聞社版と文庫版の違いについては、文庫版のまえがきから詳細を確認することができます。
・『七ころび八起き』(栃木県連合教育会/編、発行 1954)
p.35-68「えかきのおばあさん-どびん絵 皆川マスの生いたち-」の項があります。
子ども向けに書かれた伝記ですが、幼少期からのエピソードを読むことができます。
・『下野人物風土記 第3集』(栃木県連合教育会/編、発行 1970)
p.83-116「絵かきのおばあさん-どびん絵 皆川マス-」(文 広瀬正夫、絵 皆川マス)
※上記『七ころび八起き』と同一内容で、『下野人物風土記 第3集』は最後に2行追記されています。
・『益子歌集・風土と歴史と歌』(影山銀四郎/編 アポロン社 1971)
p.11「益子の写真と歌 絵付をする皆川マス女」の項があり、皆川マスに関する4句が紹介されています。
・『新・人国記 8』(朝日新聞社/編、発行 1964)
p.200-203「とうきび」の項で益子ゆかりの人物が紹介されており、皆川マスについても記述があります。
このほか、以下の人物事典等にも項目を確認しました。
・『栃木県歴史人物事典』(栃木県歴史人物事典編纂委員会/編集 下野新聞社 1995)p.575
・『栃木県大百科事典』(栃木県大百科事典刊行会/編 下野新聞社 1980)p.676
・『郷土歴史人物事典栃木』(尾島利雄/編著,柏村祐司/編著 第一法規出版 1977)p.96
・『講談社日本人名大辞典』(上田正昭/〔ほか〕監修 講談社 2001)p.1831
2 新聞記事
・朝日新聞 昭和39年8月29日夕刊2面「新・人国記680 栃木県10 とうきび」
前出『新・人国記 8』の新聞掲載当時の記事です。
この他、契約するオンラインデータベースから以下の記事を確認しました。(検索語:皆川マス)
■聞蔵IIビジュアル(朝日新聞)
検索期間:調査期間:1984年8月から2021年4月13日
掲載日・掲載箇所・記事見出し:
朝日新聞 2003年10月21日 34面「初めて持った益子焼 森絹枝さん(わたしの益子物語:1) /栃木」
■ヨミダス歴史館(読売新聞)
調査期間:1874年11月2日から2021年4月13日
掲載日・掲載箇所・記事見出し:
読売新聞
・1934.03.11 4面「[展望台]重要美術的存在」
・1943.07.25 3面「ヒトラー総統激賞の益子焼 岸さん救いの手 絵つけの70媼を訪問」
・1943.08.06 3面「絵付の芸術に感嘆 岸さん 益子焼の本場訪問」
・1962.10.20 7面「[日本再発見]=56 和田芳恵=2完 教え方について(連載)」
■下野新聞データベース plus 日経テレコン(下野新聞、日本経済新聞)
下野新聞の収録範囲:2001年以降
以下2件の記事は、皆川マスを主題とするものではありません。
展示会の紹介記事中に「皆川マス」の氏名が出てきたものです。
日本経済新聞2007/09/14 栃木42面「成良仁陶芸展、野口雨情の人と詩(うた)、他(文化イベント)」
下野新聞2001/04/01 7面「陶芸メッセ「益子物語」展/草創から濱田時代150点で/益子窯業の150年一堂に」
3 雑誌記事
・『芸術新潮 27(9)[(321)]』(新潮社1976-09)
p5-28「特集 <オフセット> 女流陶芸家」内に「故・皆川ます」の項があり、顔写真、作品の写真と短い紹介文が記載されています。
以下は当館未所蔵資料ですが、インターネット上で公開されています。
以下のURLよりPDFをダウンロードすることでご自宅からご確認いただけます。
(参考)総合学術電子ジャーナルサイト「J-STAGE」より
・「益子焼をすくうもの」(水野 善郎/著)
※『窯業協會誌 64(719)』(美濃窯業株式会社製陶部 1956)所収
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcersj1950/64/719/64_719_C25/_pdf/-char/ja最終アクセス:2021.4.9
・「現代日本の民窯」(浜田 庄司/著)※『窯業協會誌 70(794)』(美濃窯業株式会社製陶部 1962)所収
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcersj1950/70/794/70_794_C44/_pdf/-char/ja最終アクセス:2021.4.9
また、国会図書館デジタルコレクションで公開されている雑誌「民藝」でも2件の記事を確認しました。
(図書館向けデジタル化資料送信サービス参加館送信)
・「民藝. (92)」(『民藝』編集委員会 編 日本民藝協会 1960-08)
皆川マス女逝く / p49~49
(参考)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/7931871 最終アクセス:2021.4.9
・「民藝. (535) 」(『民藝』編集委員会 編 日本民藝協会 1997-07)
益子の土瓶と皆川マス女 / 塚田泰三郎 / p2~8 p.348「騎馬巡査の創設」
(参考)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/7932311 最終アクセス:2021.4.9