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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
岩手県立図書館 (2110044)管理番号
(Control number)
岩手-381
事例作成日
(Creation date)
20210324登録日時
(Registration date)
2021年07月10日 12時04分更新日時
(Last update)
2021年07月30日 11時05分
質問
(Question)
養蚕における風穴について調べている。蚕の生まれる時期を遅らせる方法として利用されていた風穴は全国で280ヶ所ほど確認されているが、岩手の風穴はどこにあったのか知りたい。
回答
(Answer)
岩手の風穴で養蚕に利用されていたのは、中閉伊郡古田村(現宮古市川井)と、西磐井郡老松村(現一関市花泉町老松)の2ヶ所の風穴。古田村の風穴は、当時第一国立銀行盛岡支店長だった尾高惇忠(渋沢栄一の従兄)も関わりをもつ。
養蚕について造旨が深く前職が富岡製糸場長であった尾高は、蚕当計を発明した中村善右衛門に岩手にも蚕種(蚕の卵)冷蔵に適した風穴があることを伝えた。中村はこの風穴で蚕種を貯蔵し、明治11年に尾高が奨励する秋蚕の飼育を成功させた。以下、岩手の養蚕に利用され蚕種を保存した風穴について記載のある資料を紹介。

・『岩手県農業史』岩手県 1979
⇒p.1189~1191「夏秋蚕と風穴利用」
 “本県においても、明治11~12年にかけて、中閉伊郡古田村(現下閉伊郡川井村)にある風穴(現存)を利用して蚕種の貯蔵試験をしている。(略)県では明治40年に風穴築造をしているのをみると、(略)西磐井郡老松村に風穴を築造して蚕種同業組合に経営させたのであるが、この風穴は低温でなかったために短期間の利用しかできなかった。“
 
・『岩手県蚕糸業史』岩手県蚕糸振興協議会 1980
⇒p.117~119「近代産業の基礎づくり 蚕種貯蔵に風穴を利用」
 上記の『岩手県農業史』とほぼ同一内容。西磐井郡老松村と中閉伊郡古田村の風穴について記載あり。このうち中閉伊郡古田村の風穴について詳細が書かれている。
 
■中閉伊郡古田村(現宮古市川井)の風穴について記載のある資料

・『川井村郷土誌 下巻』川井村郷土誌編纂委員会∥編纂 岩手県川井村役場 1962
⇒p.918~919「閉伊川渓谷 天然冷蔵庫を訪れる」
 
・『川井村郷土誌 上巻』川井村郷土誌編纂委員会∥編纂 岩手県川井村役場 1962
⇒p.831~834「古田の風穴」
 ※当時の資料として「岩手県書庫蔵 岩手県養蚕録」の古田の風穴に関する文書の掲載あり。

・『衣風土記 2』松岡未紗∥著 法政大学出版局 2006
⇒p.82~83
 “尾高惇忠は第一国立銀行盛岡支店長となって転じた先で、岩手県古田村に秋蚕用の蚕種貯蔵庫となる、風穴があることを知らせてきた。(中村)善右衛門はわざわざ出向いて蚕種を貯蔵し、明治十一年に秋蚕飼育を成功させたのである。”

・『岩手県下之町村』高橋 嘉太郎∥著 岩手毎日新聞社出版部 1925
⇒川井村(大正13年9月現在)
 →p.993「名所旧蹟」
 “▲風穴 大字古田にあり常に湿気を含める涼風を吹き出す、区民此処に小屋を建て夏時食物を貯ふ又蚕種を貯ふ事あり(略)”

・『上閉伊郡志 下閉伊郡志』県教育会上閉伊郡部会∥編 県教育会下閉伊郡部会∥編 名著出版 1972
 ※「上閉伊郡志」(大正2年刊)と「下閉伊郡志」(大正11年刊)の合本復刻版。
  上記資料とほぼ同一内容の記述がp.153にあり。


■西磐井郡老松村(現一関市花泉町老松)の風穴について記載のある資料

・『日本の風穴 冷涼のしくみと産業・観光への活用』清水長正∥編 澤田結基∥編 古今書院 2015
⇒p.271「全国風穴小屋一覧表(その1)」
 岩手県の項目に岩手風穴(小沼風穴)について“開業年:M36、指定・地形・現況など:崖錘を造成 石垣囲残存 小沼風穴の標柱”等記載あり。

・『実験夏秋蚕業之経営法』飯塚山五郎∥著 大正書院 1913
⇒p.405「全国重なる風穴」
 →“岩手県 岩手風穴 西磐井郡老松村 所有者名:蚕種同業組合 管理者 八木秀太郎”


以下の資料は当館に所蔵なし。一関市のホームページで閲覧が可能。

【参考(インターネット資料)】

・広報いちのせき「I—Style」花泉版平成25年6月1日号(最終アクセス;2021.7.22)

https://www.city.ichinoseki.iwate.jp/index.cfm/18,39299,172,502,html
 「岩手の養蚕業発展に活躍 小沼風穴(こぬまふうけつ)」
 “明治36年、地中から冷風が噴き出ているところを発見し、養蚕の種(秋蚕)を貯蔵する保冷庫を築造しました。岩手県では雫石と老松小沼の2カ所に設置されました。現在、保冷庫はありませんが、地元住民が旧跡を保存しようと崩落防止工事を実施。冷風は、1年を通して摂氏7度を保っています。”
回答プロセス
(Answering process)
(1)岩手の養蚕、蚕種について記載のある資料を確認。
(2)岩手の風穴について記載のある資料を確認。
(3)尾高惇忠の関連資料を確認。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
東北地方  (212)
蚕糸業  (630)
蚕糸経済.行政.経営  (631)
参考資料
(Reference materials)
岩手県 編 , 岩手県. 岩手県農業史. 岩手県, 1979.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001411401-00  (当館請求記号:K630/イ5/1)
岩手県蚕糸振興協議会 編 , 岩手県蚕糸振興協議会. 岩手県蚕糸業史. 岩手県蚕糸振興協議会, 1980.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001640417-00  (当館請求記号:K630/イ5/1)
川井村郷土誌編纂委員会 編 , 川井村(岩手県). 川井村郷土誌 下巻. 川井村役場, 1962.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I036190304-00  (当館請求記号:K265.8/カ1/1-2)
川井村(岩手県). 川井村郷土誌 上巻. 川井村役場, 1962.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I036190303-00  (当館請求記号:K265.8/カ1/1-1)
松岡未紗 著 , 松岡, 未紗. 衣風土記 2. 法政大学出版局, 2006.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008347887-00 , ISBN 4588300423 (当館請求記号:753.2/マツ/2)
高橋嘉太郎 著 , 高橋, 嘉太郎, 1852-1928. 岩手県下之町村. 岩手毎日新聞社出版部, 1925.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000595717-00  (当館請求記号:K290/タ1/1)
県教育会上閉伊郡部会 編 , 県教育会下閉伊郡部会 編 , 岩手県教育会 , 岩手県教育会. 上閉伊郡志 下閉伊郡志. 名著出版, 1972.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I036178976-00  (当館請求記号:K260/イ1/1)
清水長正, 澤田結基 編 , 清水, 長正, 1954- , 澤田, 結基. 日本の風穴 : 冷涼のしくみと産業・観光への活用. 古今書院, 2015.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I026788358-00 , ISBN 9784772261166 (当館請求記号:454.66)
飯塚山五郎 著 , 飯塚, 山五郎. 実験夏秋蚕業之経営法. 大正書院, 1913.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000564939-00  (当館請求記号:631.7)
キーワード
(Keywords)
養蚕
蚕種
風穴
尾高惇忠
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
郷土
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000301631解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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