レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年05月31日
- 登録日時
- 2021/05/29 21:46
- 更新日時
- 2021/06/13 13:15
- 管理番号
- 県立長野-21-033
- 質問
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北信濃とは、どの辺を指すのか。奥信濃とは違うのか。
- 回答
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『ふるさと地理誌2』信濃毎日新聞社編・刊 1985 【N290/134/2】の目次が善光寺平と北信濃に分かれており、収録されている地域が、
信州新町(上水内郡 現・長野市)、小川村(上水内郡)、中条村(上水内郡 現・長野市)、鬼無
里村(上水内郡 現・長野市)、戸隠村(上水内郡 現・長野市)、豊野町(上水内郡 現・長野
市)、牟礼村(上水内郡 現・飯綱町)、三水村(上水内郡 現・飯綱町)、信濃町(上水内郡)、中
野市、飯山市、山ノ内町(下高井郡)、木島平村(下高井郡)、野沢温泉村(下高井郡)、豊田村
(下水内郡 現・中野市)、栄村(下水内郡)
となっている。
『角川日本地名大辞典20 長野県』角川日本地名大辞典編纂委員会編 角川書店 1990【N293/18】p.272には、
[奥信濃] 県北東部の汎称。飯山市・下水内郡豊田村(現・中野市)・同郡栄村・下高井郡木島
平村・同郡野沢温泉村をさす。飯水岳北地域ともいう。
とあるが、[北信濃]の項目はない。
『北信濃物語』田子修一編 長野県国語国文学会 一草舎 2008【291.52/タシ】凡例に
本書は須坂以北の北信濃地方ゆかりの作家・著名人のエッセイ、および日記、記録等を一冊にまと
めた「随筆にみるふるさと物語」です。
とあり、収録地域は、須坂市、小布施町、中野市、山ノ内町、木島平村、飯山市、野沢温泉村、栄村、信濃町。
なお、『長野県の地名』 平凡社 1979 (日本歴史地名大系20)【N290.3/54】には、[北信濃][奥信濃]ともに記載がなく、『長野県百科事典』補訂版 信濃毎日新聞社開発局新聞社編 信濃毎日新聞社 1981【N030/2a】には、[奥信濃方言]があるのみ。これは、下水内郡栄村の方言を指す。
これらのことから、北信濃という地域を指す名称に明確な括りはないと思われる。
なお、『令和版やさしい長野県の教科書地理』しなのき書房 2020【291.52/イマ】p.146に、北信地域について記述があり、
北信地域は行政上、長野・千曲・須坂・中野・飯山の5市、埴科郡(坂城町)、上高井郡(小布施
町・高山村)・下高井郡(山ノ内町・木島平村・野沢温泉村)・上水内郡(信濃町・飯綱町・小川
村)・下水内郡(栄村)の5郡5町5村からなる。
とある。
長野県の公式サイトでは県を行政上、10広域としており、上記の北信地域は「長野地域」と「北信地域」に分けられている。【最終確認2021.5.29】
長野地域:長野市・須坂市・千曲市・埴科郡(坂城町)・上高井郡(小布施町・高山村)・上水内郡
(信濃町・飯綱町・小川村)
北信地域:中野市・飯山市・下高井郡(山ノ内町・木島平村・野沢温泉村)・下水内郡(栄村)
- 回答プロセス
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1 『長野県百科事典』『角川日本地名大辞典20 長野県』『長野県の地名』などを見るが、北信濃を明確に規定する項目は確認できない。
2 『ふるさと地理誌2』では、目次で、善光寺平と北信濃を分けている。北信濃には、現在長野市に合併されている地域も含まれており、中野市・飯山市・上水内郡、下水内郡、下高井郡が含まれている。
3 『北信濃物語』をみると、須坂市、小布施町、中野市、山ノ内町、木島平村、飯山市、野沢温泉村、栄村、信濃町。高山村の記載はないが、収録するゆかりのエッセイがなかったためと思われる。
4 当館資料を「北信濃」で書名検索し収録地域を見ていくが、各書籍によって収録されている地域が異なっている。
<調査資料>
・『はみだす 1992 現代信州の基礎知識』 県民Cチーム著 銀河書房 1992 【N049/94a】
・『長野県の歴史 県史20』 古川貞雄著 山川出版社 2010 【N209/13b】
・『信州の歴史と文化 山と平と文学と』
信州大学「信州の歴史と文化」編集委員会編 郷土出版社 1995 【N209/36】
・『信州学セミナー「信州合衆国」の歴史と文化』市川健夫著 信濃教育会出版部 2000 【N209/44】
・『あなたの知らない長野県の歴史 歴史新書』 山本博文監修 洋泉社 2014 【N209/51】
・『もっと知りたい長野県の歴史 歴史新書』 小和田哲男監修 洋泉社 2015 【N209/53】
・『長野「地理・地名・地図」の謎 意外と知らない‟信州“の歴史を読み解く!』
原智子編 実業之日本社 2014 【N290/261】
・『信州学大全』 市川健夫著 信濃毎日新聞社 2004 【N293/64】
・『ほんとうの信州 信濃の国のかたち』 角憲和編著 岳風書房 2003 【N302/10】
・『信州学入門』 市川健夫著 信濃教育会出版部 1989 【N290/145】
・『信州学ノート』 市川健夫著 信濃教育会出版部 1994【N290/171】
- 事前調査事項
- NDC
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- 中部地方 (215 10版)
- 参考資料
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信濃毎日新聞社/編 , 信濃毎日新聞社. ふるさと地理誌 2. 信濃毎日新聞社.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I059277876-00 (【N290/134/2】) -
「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編纂. 角川日本地名大辞典 20 (長野県). 角川書店, 1990.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002055045-00 , ISBN 4040012003
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信濃毎日新聞社/編 , 信濃毎日新聞社. ふるさと地理誌 2. 信濃毎日新聞社.
- キーワード
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- 北信濃
- 奥信濃
- 北信
- 地名
- 信州学
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土 地名
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000299516