レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/03/19
- 登録日時
- 2021/04/02 00:30
- 更新日時
- 2021/04/23 11:09
- 管理番号
- 9322239
- 質問
-
解決
読売新聞戦後史班 編『「再軍備」の軌跡 : 昭和戦後史 』(読売新聞社 1981年)のp.209に「部外秘であった海上保安庁法の草案全文が昭和22年12月以降に一部の新聞で報道された」という旨の記述がある。
その新聞と記事の掲載箇所を知りたい。
読売・朝日・毎日・日経各紙のデータベースで該当記事がないことを確認済み。
日本共産党の新聞『赤旗』の昭和22(1947)年12月分に、該当する記事があるか。
- 回答
-
ご照会の記事について、まず、当館所蔵の紙面を調査しましたが、お探しの記事は見つかりませんでした。
調査範囲
当館請求記号:YB-2044
タイトル:アカハタ 日本共産党中央機関紙
形態:マイクロフィルム
調査期間:1947(昭和22)年12月2日-12月30日
なお、この期間には、海上保安庁に関する記事は見つかりませんでした。
また、海上保安庁創立の1948(昭和23)年5月1日を含む、同年4月27日から5月3日までの紙面も追加で調査しましたが、海上保安庁に関する記事は見つかりませんでした。
次に、海上保安庁初代長官を務めた大久保武雄の著書『海鳴りの日々 : かくされた戦後史の断層』(当館請求記号:AZ-481-19)を調査したところ、以下の記述が確認できました。
・「当時GHQと交渉に当っていた海運総局総務課長壺井玄剛、海務課長森厳夫君によれば、昭和二十二年十二月十八日、日経新聞に『海上保安庁巡視船に大砲搭載』の記事がスクープされたところ、GHQのCIAは、海運総局の壺井玄剛、不法入国船監視本部次長の山崎小五郎君を警視庁に呼び取調べた。(中略)かくて大砲はついに搭載されなかった」(p.66)
この記述は、『「再軍備」の軌跡 : 昭和戦後史』(当館請求記号:AZ-662-49)における、部外秘の海上保安庁法草案全文が一部の新聞に報道されたために不法入国船舶監視船への大砲積載が許可されず、さらに海上保安庁法に第二十五条が追加されるに至ったとする記述(pp.209-210)と食い違う点があるものの、類似する記事の存在に言及しています。
そのため、この掲載情報をもとに当館所蔵の紙面を調査しましたが、該当する記事は見つかりませんでした。
調査範囲
当館請求記号:YB-14
タイトル:日本経済新聞 [東京]
形態:マイクロフィルム
調査期間:1947(昭和22)年12月17日-12月19日
なお、壺井玄剛の没後に刊行された『さまざまなことおもひだすさくらかな : 壺井玄剛伝』(当館請求記号:GK141-G16)も調査しましたが、当該新聞報道に関する記述は見つかりませんでした。
最後に、読売新聞記事データベース「ヨミダス歴史館」(当館契約のデータベース:館内限定)で「海上保安庁」をキーワードとして検索したところ、最も古い記事として、1947(昭和22)年8月28日朝刊2面の「海のGメン 生れる海上保安庁 旧海軍駆潜艇28隻を譲受け」という記事がヒットしました。
この記事では、当時の海上保安庁の構想が紹介されていますが、「草案全文」や「巡視艦に大砲搭載」に該当する文言は記載されていません。
以上のことから、今回の調査では、ご照会の記事に該当する記事は見つかりませんでした。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
-
『海上保安庁30年史 増補版』1979年
- NDC
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 新聞(レファレンス)
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000296379