レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年03月16日
- 登録日時
- 2021/03/17 16:52
- 更新日時
- 2021/05/16 16:11
- 管理番号
- 2020-57
- 質問
-
未解決
愛媛県で古流剣術「心形刀流」を学んだ人物、道場についての記載、心形刀流にまつわる古文書や伝書等の資料があるか知りたい。
- 回答
-
当館の蔵書検索システムで「心形刀流」をキーワード検索したが、該当資料はなかった。
また、愛媛県史及び各市町村誌等の記述を検索できるデータベース「えひめの記憶」でも「心形刀流」でキーワード検索したが、該当資料はなかった。
【資料1】で近世における各藩の剣術流派について確認したところ以下のとおりで、心形刀流についての記載はなかった。
西条藩・・・田宮流、真影流
小松藩・・・真陰流、無外流
松山藩・・・新当流、真影流、柳生流
今治藩・・・心貫流、得宗流、以心流、自源流
大洲藩・・・戸田流、山本流、直影流、一刀流
宇和島藩・・・田宮流、飯篠流、真蔭流
吉田藩・・・飯篠流、田宮流、無外流
【資料2】は、松山出身の俳人・高浜虚子の父である池内信夫(1826~1891・俗名荘四郎)が嘉永3年2月25日から5月26日にかけて四国・九州の武者修行に出た時の日記で、その中に、九州(本文より福岡と思われる)の心形刀流の道場で手合せをしたことが以下のとおり記されている。この部分以外には、心形刀流の記述はなかった。
四月朔日辰刻出立 先生方へ暇乞に罷越
四十丁村にて暫休息 柳川城下舟津町にて昼食
舟渡し都合三ヶ所有之 蓮池城下本町修行宿石川勘兵衛方止宿
道のり七里余半道舟渡し 宿主を以て師家へ立合の儀申込
明日立合と相極る 領主五萬二千六百余石鍋島甲斐守様
四月二日昼食後 門人両人罷越同伴
道場へ罷出 十三人と立合申下刻帰宿
師役富永清太夫はじめ 門弟石橋泰助・野中又左衛門
武術目付成富虎一郎罷越し 出方左の通
三ツ組盃 鉢=牛の舌焼豆腐煮付
丼=小肴獨活二杯酢若和布 戌刻過引拂
當藩柳生流有之候へども 立合一切無之相尋不申
立合名別左之通
心形刀流 富永清太夫 門人
野中又左衛門 石橋泰助
膝崎勝助 神田一之丞
鶴田豊吉 中野庫之丞
野口孫右衛門 井原善五郎
前田織之助 大野勉
川副辰三郎 松尾彌之助
川浪常之進
その他、【資料3】~【資料9】を調査したが、心形刀流についての記述はなかった。
- 回答プロセス
-
剣術(武術、剣道)をキーワードに、近世の各藩の武芸に関する記述や、郷土の歴史雑誌の論文等を調査した。
- 事前調査事項
-
江戸の宗家の道場の他、長崎や新潟、徳島など日本各地で学んでいたことが判明している。
- NDC
- 参考資料
-
- 【資料1】『藩史大事典 第6巻 中国・四国編』新装版 木村 礎[ほか]/編 雄山閣 平成27年 <当館請求記号:RK205-ハン-2015>
- 【資料2】『池内荘四郎四国九州筋劒術試業中日記』 高浜 清/著 ホトトギス発行所 昭和15年 <当館請求記号:K289-イソ-1940>
- 【資料3】『愛媛県史 近世上』 愛媛県 昭和61年 <当館請求記号:K200-31>
- 【資料4】『愛媛県教育史 第1巻』 愛媛県教育委員会 昭和46年 <当館請求記号:K372-12-1>
- 【資料5】『全日本武鑑(四国版 第一巻)』 加戸 宏平/編 地方人事調査会 昭和52年 <当館請求記号:RK789-ゼン1-1977>
- 【資料6】『愛媛剣道史 50年の歩み』 愛媛県剣道連盟 平成13年 <当館請求記号:K789.3-エヒ-2001>
- 【資料7】「大洲藩新谷藩の武芸」 森本 定満/著 『愛媛の文化 第12号』 愛媛県文化財保護協会 昭和47年 <当館請求記号:K705-1-12>
- 【資料8】「西條藩武術について」 塩出 峰生/著 『西條史談 第62号』 西條史談会 平成16年
- 【資料9】「武芸よもやまはなし」 吉松 勇応/著 『今治史談〔合併号〕№10』 今治史談会 平成16年
- キーワード
-
- 古流剣術
- 心形刀流
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 書誌的事項調査 所蔵調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000295338