レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年5月27日
- 登録日時
- 2020/06/04 13:55
- 更新日時
- 2020/07/15 15:35
- 管理番号
- 県立長野-20-018
- 質問
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解決
辰野町の御柱祭は昭和37年(1962年)9月または10月頃行われていたか。また現在も行われているか。
- 回答
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・『辰野町誌 近現代編』 辰野町誌編纂専門委員会編 辰野町誌刊行委員会 1988 【N242/108/1】 p.911
「建御名方命を祭神とする神社が、七年に一度行う特殊な神事である。辰野町では、小野矢彦神社の小野御柱、横川の諏訪神社を中心に行われる横川御柱、宮木諏訪神社・辰野三輪神社・平出法性神社で行う伊那御柱に大別される。」より、辰野町では3つの御柱祭が行われている。
〇辰野町で昭和37年に御柱祭が行われていたかについて(辰野町立辰野図書館回答)
いわゆる伊那御柱とは、辰野町地域の3神社(宮木の諏訪神社・辰野の三輪神社・平出の法性神社)で、春(4月下旬~5月上旬)に行われるものである。辰野町内では他に秋10月に行われる横川諏訪神社御柱、翌年春に行われる小野矢彦神社御柱がある。
●昭和37年9月・10月に辰野町で行われた御柱は、三輪神社の「山の神」(小宮)御柱と、川島の横川諏訪神社御柱の2つ。
●三輪神社山の神御柱は、S37.10.7里引き、S37.10.14山出し、S37.10.16建御柱
●横川諏訪神社御柱は、S37.10.13、14
『辰野朝日新聞』S37.9~10の御柱に関連する記事
・昭和37年9月11日「三輪神社山の神御柱際」
「秋の山の神御柱を行うか話し合いされている。実施するとすれば10月7日山出し、同14日里引きがよいかと見られている。」
・昭和37年9月16日「川島諏訪神社の御柱際 来月13・14日盛大に挙行」
「今春の伊那御柱に続き、今秋は川島御柱が盛大に挙行されることになった…」
・昭和37年9月25日「三輪社山の神の御柱祭 7日山出し14日里引き」
「今春5日6日に本宮の御柱際を行った三輪神社では、境内に隣接する「山の神様」の御柱祭を7年に一度の恒例に従い執行することになり準備を進めていたが、21日に神官、御柱委員等が…修伐、斧入れ式を挙行し22日、23日には建柱の穴が掘られた。…山の神様の御柱は…10月7日が“山出し”同14日が“里引き”16日“建御柱”とされている。…」
・昭和37年9月30日「法性神社も内祭り」
「今春7年一度の盛大な御柱際を執り行い上平出、上野の騎馬大名行列、平出三町内の“はキし”演芸舞踏に来祭者の目を見張らせた平出法性神社の恒例祭は9月30日(宵祭)10月1日(本祭)であるが御柱を行ったので内祭りとして行う意向である。」
・昭和37年10月6日「三輪社山の神御柱に警戒」
「三輪神社の山の神御柱祭は7日山出し、14日里引きを執行するが辰野書では両日とも署員が十数名出動し警備体制に万全を期す。…」
・昭和37年10月12日「小学校は代替休校し川島御柱祭第1日目を」
「…川島御柱の第一日目は明日に迫り関係者は大忙しである。…このため13日には川島小学校では冬休みの一日を繰り帰ることにして授業をお休みにし、児童は全員曳行に参加する。」
・昭和37年10月13日「「13日は川島小学校まで」御柱際に臨時バスも出る」
「…なお、13日14日の両日川島踏切線を運転する松本電鉄では定期、臨時合わせ次のように沢山のバスを辰野駅から発車させ人々の便宜を計る。」
・昭和37年10月14日「町内も美しくかざり三輪社小宮本日里引き」
「9月下旬斧入れ伐採、7日山出しを行った三輪社小宮「山の神」の御柱祭はいよいよ本日“里曳き”祭を執り行う。…」
・昭和37年10月16日「雨降りで惜しかったが両御柱際は無事終る」
「14日は早朝より大雨。…川島諏訪神社の御柱際…無事社前につき、午後5時半には全四柱の建立を終了し、めでたく御柱際儀を済ました。…三輪神社山の神の御柱曳行は…社頭へ無事曳行した。」
〇辰野町での御柱祭は現在も行われているかについて
・『広報たつの』 平成28年12月号
p.2-5 横川諏訪神社御柱祭が10月8日(土)、9日(日)に行われたという特殊記事
・『広報たつの』 平成29年5月号
p.25 小野御柱祭が4月1日(土)、2日(日)に行われたという記事
・『広報たつの』 平成30年6月号
p.2-5 小野御柱祭の特集記事
・『信濃毎日新聞』 2016年(平成28年)4月22日(金)朝刊27面
「辰野町の宮木諏訪神社、三輪神社、法性神社で23-25日、7年目に一度の御柱祭「伊那御柱」が開かれる。」との記事があり。
「辰野町 観光サイト」には「伊那御柱」が2016年に行われた掲載あり。
- 回答プロセス
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1 『辰野町誌 近現代編』を確認すると、辰野町で3つの御柱祭が行われていることが分かった。9-10月に行われていたとのことだったのでp.912表2「辰野町内御柱一覧」により、その時期に行われていたのが横川御柱だとわかった。
2 『信濃毎日新聞』で「横川御柱」、「辰野 御柱」等で検索すると、2016年4月に伊那御柱が行われる記事は見つかったが、横川御柱に関する記事は見つからなかった。また、辰野町の御柱祭のHPにも伊那御柱に関する記載のみだった。
3 伊那御柱が2016年に行われていることより、横川御柱も同時期に行われていると予測し、『広報 たつの』の平成28年分を見ると、12月号に横川御柱の特集記事が組まれていた。
4 昭和37年に辰野町で御柱祭が行われていたとわかる資料が当館にはなかったので、辰野町立辰野図書館に照会したところ、『辰野朝日新聞』の昭和37年9月から10月に辰野町で御柱祭が行われていた記事が見つかったとのことだった。
調査済み資料
・『辰野町誌 歴史編』 辰野町誌編纂専門委員会編 辰野町誌刊行委員会 1990 【N242/108/3】
・三浦孝美 「伊那御柱の昔」 『伊那路』 第59巻 第11号 2015.11
・『昭和写真大全上伊那 伊那市・駒ケ根市・辰野町・箕輪町・飯島町・南箕輪村・宮田村・中川村』 伊藤一夫監修 2011 【N242/194】
- 事前調査事項
- NDC
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- 中部地方 (215)
- 参考資料
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辰野町誌編纂専門委員会編 , 辰野町(長野県) , 辰野町誌編纂専門委員会. 辰野町誌 近現代編,自然編,歴史編. 辰野町誌刊行委員会, 1988. 【N242/108/1】
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I010214423-00
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辰野町誌編纂専門委員会編 , 辰野町(長野県) , 辰野町誌編纂専門委員会. 辰野町誌 近現代編,自然編,歴史編. 辰野町誌刊行委員会, 1988. 【N242/108/1】
- キーワード
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- 御柱祭
- 横川御柱
- 辰野町
- 信州学
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000282756