レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/9/4
- 登録日時
- 2015/01/22 00:30
- 更新日時
- 2015/01/22 00:30
- 管理番号
- K140815163158
- 質問
-
未解決
小林躋造氏が加藤友三郎氏の甥であるという記述を見かけ(http://wp1.fuchu.jp/~sei-dou/jinmeiroku/kobayashi-seizou/kobayashi-seizou.htm)、調べましたが詳しい事柄がわかりません。
国会図書館のデジタルにより人事興信録等も見ましたがわかりませんでした。『蒼茫の海: 軍縮の父提督加藤友三郎の生涯』により加藤氏の家族構成を探しましたがそこにも記述はありませんでした。
インターネット等では甥であると書かれていますし、グーグルの書籍検索(https://www.google.co.jp/search?q=%E5%8A%A0%E8%97%A4%E5%8F%8B%E4%B8%89%E9%83%8E&ie=utf-8&oe=utf-8&aq=t&rls=org.mozilla:ja:official&hl=ja&client=firefox-a#hl=ja&q=%E5%8A%A0%E8%97%A4%E5%8F%8B%E4%B8%89%E9%83%8E%E3%80%80%E5%B0%8F%E6%9E%97%E8%BA%8B%E9%80%A0%E3%80%80%E7%94%A5&rls=org.mozilla:ja:official&tbm=bks)
でも甥であるという事だけは書かれている書籍もあるようですが 小林の両親のどちらが加藤もしくは加藤の妻と兄弟姉妹であるのか書かれていないようです。小林氏は早川家から小林家に養子に入られたようですのでそちらの関係かもしれませんがそれも書かれておりません。
加藤友三郎氏と小林躋造氏の正しい姻族関係を教えてください。
また 追加資料として
※『父、佐藤市郎が書き遺した軍縮会議秘録 佐藤信太郎 編集』
P126に「小林中将は海軍大将加藤友三郎の甥」とあります。
小林中将を小林宗之介中佐の誤記かとも思いましたがその他の箇所にも「小林中将」の表記は多々(24か所)あり、「小林躋造中将」という表記はありませんがP115に 「海軍中将 小林躋造」の表記がありますので小林中将は小林躋造のことではないかと思われます。
※『群狼の機動艦隊: 新鋭射出空母ハワイ占領作戦 著者: 原俊雄』
「しかも 小林の叔父は、自ら計画した八・八艦隊構想を棄て。ワシントン軍縮条約を実現させた張本人の加藤友三郎大将だ。」
の表記があります(P33)。
※『陸海軍人国記: 軍人わしが国さ 伊藤金次郎 芙蓉書房, 1939 - 478 ページ』
「聡明加藤友三郎ならずと甥の小林は・・」の表記があるようですが 実物を確認できておりません(P179)。
- 回答
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ご照会の件について、下記のとおり回答します。【】内は当館請求記号です。
資料1~31と当館契約データベースを確認しました。資料9~31については、断りのない限り双方の項目があった資料です。
資料2の年譜に示されている小林躋造の養父母・実父母ともに、資料3の加藤友三郎の兄姉の氏名と一致しません。
資料4~7に、小林が加藤の甥であるとの記載がありましたが、いずれも詳細な関係は記述されていません。資料8~31では、両者の関係についての記述がありませんでした。
資料
1. 伊藤隆, 季武嘉也 編. 近現代日本人物史料情報辞典. 吉川弘文館, 2004.7.【GB12-H27】
加藤友三郎・小林躋造の項目とも、参照すべき文献を挙げている。
2. 伊藤隆, 野村実 編. 海軍大将小林躋造覚書. 山川出版社, 1981.1.【GB511-107】
「解題」(pp.1-28)「六 筆者の略歴」(pp.197-211)「小林躋造年譜」(pp.239-254)いずれも加藤との関係の記述なし。なお、「(略)年譜」には、養父母・実父母の氏名・生没年等あり。
3. 日本宰相列伝.9. 時事通信社, 1985.12. 加藤友三郎 / 新井達夫 著. 三代宰相列伝 (昭和33年刊) の改題新装版.【GB411-160】
pp.100-187「第三章 加藤友三郎の一生」に、小林躋造との関係の記述なし。父母兄姉については、pp.100-104に氏名・生没年等を詳述(友三郎は末子)。しかし兄姉は資料2の「小林躋造年譜」の小林の父母と一致しない。
4. 伊藤金次郎 著. 陸海軍人国記 : 軍人わしが国さ. 芙蓉書房, 1980.4. 今日の問題社昭和14(1939)の改題複製.【AZ-661-16】
pp.156-198「第八章 中国」のうち、広島県出身の軍人について述べた個所はpp.156-179(末尾に「(昭和11年9月)」とあり、元は一記事か)。加藤友三郎と小林躋造の関係の記述は、二か所あり。
p.160.「(略)友三郎の武人としての一門は、今、必ずしも寥々ではない。即ち、彼の養子加藤隆義は、海軍大将として(略)、また縁辺につながる海軍大将小林躋造は、(略)」。
p.179.「(略)小林躋造は、人も知るとおり、加藤友三郎の甥にあたる人物だ。(略)名将加藤友三郎の血を引く小林躋造たるもの、(略)」。
5. 中国新聞社 編. 広島県大百科事典. 中国新聞社, 1982.11.【GB8-165】
上巻p.556. 「小林躋造」の項に「加藤友三郎元帥の甥にあたる」とあり。
6. 原剛, 安岡昭男 編. 日本陸海軍事典. 新人物往来社, 1997.8.【A112-G101】
p.458. 「小林躋造」の項に「元帥加藤友三郎の甥」とあり。
7. 秦郁彦 編. 日本陸海軍総合事典. 第2版. 東京大学出版会, 2005.8.【A112-H259】
pp.206-207.「小林躋造」の項に「元帥海軍大将加藤友三郎の甥」とあり。
8. 谷ケ城秀吉 編. 植民地帝国人物叢書.10(台湾編 10) ゆまに書房, 2009.1. 小林躋造伝 : 小林躋造 / [宗代策] [著] . 帝国軍事教育会1939(昭和14)年刊の複製.【DC644-J11】
pp.54-79「第二章 少年時代の小林大将」に、加藤友三郎との関係の記述なし。
pp.196-230「第六章 寿府軍縮会議と小林大将」にも、加藤との関係の記述なし。ジュネーヴ会議に小林当時中将が参加する前に、加藤当時海軍大臣が全権を担ったワシントン会議の記述があるが、二人の関係については何も記載がない。
9. 玉井源作 著. 広島県人名事典 : 芸備先哲伝. 歴史図書社, 1976. 大正14年刊『芸備先哲伝』の複製.【GB12-23】※加藤友三郎の項のみ。
10. 大日本人名辞書刊行会 著. 大日本人名辞書. 講談社, 1974. 増訂11版 (昭和12年刊 初版: 明治19年刊) の複製.【GB12-15】※加藤友三郎の項のみ。
11. 日本人名大事典.第2巻(カ~コ). 平凡社, 1979.7.『新撰大人名辞典』 (昭和12年刊) の改題複製.【GB12-37】※加藤友三郎の項のみ。
12. 日本近代史料研究会 編. 日本陸海軍の制度・組織・人事. 東京大学出版会, 1971.【AZ-661-2】
13. 楳本捨三 著. 陸海名将100選. 秋田書店, 1971.【AZ-661-4】※加藤友三郎の項のみ。
14. 松下芳男 著. 近代日本軍人伝 : 人物でつづる日本軍事史. 柏書房, 1976.【AZ-661-9】
15. 新潮社辞典編集部 編. 新潮日本人名辞典. 新潮社, 1991.3.【GB12-E33】
16. 手塚晃, 国立教育会館 編. 幕末明治海外渡航者総覧. 柏書房, 1992.3.【GB13-E58】
17. 日本史大事典. 平凡社, 1993.【GB8-E67】
18. 朝日新聞社 編. 朝日日本歴史人物事典. 朝日新聞社, 1994.11.【GB12-E64】※加藤友三郎の項のみ。
19. 新人物往来社戦史室 編. 日本海軍指揮官総覧. 新人物往来社, 1995.8.【A116-G1】
20. 永原慶二 監修 ; 石上英一 [ほか]編. 岩波日本史辞典. 岩波書店, 1999.10.【GB8-G37】
21. 日本海軍将官総覧. 新人物往来社, 1999.11.(別冊歴史読本 : 永久保存版 ; 33号.戦記シリーズ ; no.48.)【A116-G24】
22. 日本歴史大事典. 小学館, 2000.【GB8-G45】
23. 福川秀樹 編著. 日本海軍将官辞典. 芙蓉書房出版, 2000.12.【A116-G30】
24. 臼井勝美 [ほか]編. 日本近現代人名辞典. 吉川弘文館, 2001.7.【GB12-G34】
※墓所は、加藤は青山墓地、小林は多摩墓地とある。
25. 上田正昭 [ほか]監修. 日本人名大辞典. 講談社, 2001.12.【YU7-1737】
26. 太平洋戦争研究会 著. 帝国海軍将官総覧. ベストセラーズ, 2002.8.【A116-G37】
27. 小林久三 著. 軍人宰相列伝 : 山県有朋から鈴木貫太郎まで三代総理実記. 光人社, 2003.2.【A6-H4】※加藤友三郎の項のみ。
28. 日外アソシエーツ株式会社 編. 20世紀日本人名事典. 日外アソシエーツ ; 紀伊國屋書店 (発売), 2004.7.【GB12-H34】
29. 半藤一利, 横山恵一, 秦郁彦, 戸高一成 著. 歴代海軍大将全覧. 中央公論新社, 2005.5.【A116-H11】
30. 三省堂編修所 編 ; 上田正昭, 津田秀夫, 永原慶二, 藤井松一, 藤原彰 監修. コンサイス日本人名事典. 第5版. 三省堂, 2009.1.【GB12-J12】
31. 太平洋戦争研究会 編著. 日本海軍将官総覧. PHP研究所, 2010.5.【A116-J20】
当館契約データベース
1. 聞蔵IIビジュアル(朝日新聞記事の検索)
2. ヨミダス歴史館(読売新聞記事の検索)
3. 毎索(毎日新聞記事の検索)
4. ジャパンナレッジ(日本大百科全書、国史大辞典、日本人名大辞典、日本国語大辞典)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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当館所蔵『元帥加藤友三郎伝』(1928刊行)、京都府立総合資料館所蔵『海軍大将小林躋造覚書』(山川出版社 1981)、また『人事興信録』等も見ましたが、「小林躋造氏が加藤友三郎氏の甥であるという記述」や姻戚関係にあるという記述も確認できませんでした。
- NDC
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000166491