レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010/08/29
- 登録日時
- 2012/12/29 02:16
- 更新日時
- 2014/11/20 13:12
- 管理番号
- 6000001721
- 質問
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解決
ハンディキャップのある人のことを「障がい者」とひらがなで表記されているのを最近よく見るが、いつごろからどういう経緯でそうなったのか、またどこまで広がっているのか知りたい。
- 回答
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新聞記事では、1990年代から「障がい者」の表記が見られ、また2000年代に入ると各自治体が公文書で「障がい者」と表記することとしたという記事が見られる。大阪府では2008年3月より「障がい者」の表記を用いている。
- 回答プロセス
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新聞社のオンラインデータベースで検索。
朝日新聞では1994年6月11日の、奈良県天理市の障害者福祉を考えるコンサートについての記事で、コンサートのスローガンに「障がい者」という言葉があるのが初出。1990年代には、奈良県・福島県・愛知県の3県に関する記事で、「障がい者」の表記が見られる。
読売新聞では2000年2月3日の福祉施設への車両の贈呈についての記事で、「障がい者自立生活支援センター」への贈呈についてふれているのが初出。また同年12月には東京都多摩市が「『害』の文字は不快感を与え、誤解を招く恐れがある」との理由から、公文書の表記を「障がい者」に統一すると決定したことを報じている。この記事では、同市内の市民団体の代表者の「『害』には『あってはならない存在』というイメージがつきまとうため、私たちはひらがなを使ってきた」というコメントも紹介している。2000年代に入ると両紙とも自治体が「障がい者」の表記を行うとの報道が散見される。
内閣府のサイトで「障がい者 表記」を検索すると、平成22(2010)年3月19日の「障がい者制度改革推進会議第5回 障害の表記に関する意見一覧」(PDF)http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/s_kaigi/k_5/pdf/s3.pdf#page=1 がヒット。内容を確認したところ、かつては「障礙(俗字では碍)」と表記していたものを、礙・碍が当用漢字に含まれないため「障害」と表記されるようになったことや、「『害』の字が含まれることであたかも他人を『害』する人であるかのように、または『害』を持っている人であるかのように捉えられ、不快な思いを抱く」「『害』を『がい』や『碍』に変えることでは問題の解決にならない」「どういう言葉を使うかより,どんな意味で使うか(どんな障害観・障害者観をその言葉に含めるか)の方がより重要」などの各委員の意見が記載されている。
なお大阪府では2010年現在「障がい」の表記を用いており、障がい福祉室のページhttp://www.pref.osaka.jp/s_shogaifukushi/ に、平成20(2008)年3月26日付で「「障害」の「害」のひらがな表記の取扱いについて」(Wordファイル)があり。
豊中市では平成21(2009)年11月の第2回障害者施策推進協議会https://www.city.toyonaka.osaka.jp/joho/shingikai/fuzokukikan/soshikibetsu/kenkofukushi/shogaifukushi/shoguai/kaigiroku/h21kaigiroku.files/h21_11.25.pdf(会議録、PDF)で「障害」の表記について検討を行い、漢字表記を用いることとなっている。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
- キーワード
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- 障害者
- 漢字
- 表記
- 日本語
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000117824