レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年10月09日
- 登録日時
- 2012/09/18 16:48
- 更新日時
- 2016/08/20 12:07
- 管理番号
- 町田-069
- 質問
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解決
スメタナ作曲の交響詩「モルダウ」の中に「聖ヨハネの急流(第239小節~332小節)」がある。実際のモルダウ川のどの部分が「聖ヨハネの急流」にあたるのか、具体的な場所を知りたい。
- 回答
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『ヴルタヴァ川』 p99~「スラピー貯水湖と聖ヤンの急流」の項あり。1949年から55年にかけて建設されたスラピーダムによって生まれたスラピー(Slapy)貯水湖についての説明ののち、「この貯水湖を作り出しているダムはスラピーという町からほど近いところにあるが、このスラピーの辺りから下流のシュチェホヴィツェという町の辺りまでの約5kmにわたる蛇行した流域は聖ヤンの急流という名で知られている・・・」とあり。p104まで、スメタナの交響詩「モルダウ」との関係、聖人の説明や現在の付近の状況について記載あり。
Google 地図検索 “チェコ共和国 スラピ貯水池” でHitしたため、併せてご紹介した。
- 回答プロセス
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『キリスト教人名辞典』 p1701 より、「ヤン(ネポムクの)」(ヤン=聖ヨハネのこと)について、国王と対立し、ヴルタヴァ(モルダウ)河で溺死させられ、遺体は民衆の崇敬の対象になったと記載あり。
『図説聖人事典』 p273-275には、カレル橋からモルダウ河に投げ込まれた、という記述のほか、モルダウ河の上で5つの光がネポムクの屍のありかを示したとされる話やカレル橋以降、この聖人の像がバイエルン・オーストリアの何百もの橋をかざり、ドイツ語圏でも橋の聖人として親しまれている、という記述もあるが急流の場所については記載なし。自館に所蔵しているCDの解説書にもあたるが不明。
『チェコの音楽』 p.44 スメタナの章には「モルダウは聖ヤンの早瀬にさしかかり、幅広い流れとなってプラハへ向かう。そしてヴィシェフラトを通過し、エルベ河に合流・・・(略)」の記述あり。『図説 プラハ』の口絵によるとヴィシェフラトの下流にカレル橋があるため、聖ヨハネの急流はカレル橋付近ではないと考えられる。
引き続き「モルダウ」「ヴルタヴァ」「チェコ 音楽」をキーワードに資料を検索した。
- 事前調査事項
- NDC
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- キリスト教史.迫害史 (192 8版)
- ヨーロッパ (293 8版)
- 音楽史.各国の音楽 (762 8版)
- 参考資料
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- 『ヴルタヴァ川』 (北原勝哉/オステリ・エスアールオー/2008年)
- 『キリスト教人名辞典』(日本基督教団出版局/1986年)
- 『図説聖人事典』(オットー・ヴィマー/八坂書房/2011年)
- 『チェコの音楽』(佐川吉男/芸術現代社/2005年)
- 『図説 プラハ』(片野優・ 須貝典子/河出書房新社/2011年)
- キーワード
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- モルダウ
- ヴルタヴァ
- 聖ヤン
- 聖ヨハネ(ネポムク)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 地名
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000111356