レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011/03/29
- 登録日時
- 2011/04/23 02:00
- 更新日時
- 2014/03/28 09:42
- 管理番号
- 1000000198
- 質問
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解決
東西南北の方言読みの語源について知りたい。
特に西はどうして「いり」で北はどうして「にし」か。
- 回答
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『沖縄民俗辞典』(渡邊 欣雄、吉川弘文館、2008年)461ページ「方位観」の項目には、
東(アガリ)・西(イリ)は「日の出、日の入りが語源で、太陽の運行で方位が決定されている」、
北(ニシ)・南(ペー、フェー)は「風の名称と同じであり、季節風の動きによって方位名が形成されたと推定される」とある。
『沖縄古語大辞典』(沖縄古語大辞典、角川書店、1995年)によると、
p9 東(あがるへ)…東方。太陽の出る方角。……古くはアガルヘ・アガルイ(東方)だったのが、方処を表すヘ・イ(辺)がおちて、アガル、アガリだけで「東」を表すようになった。
p90 西(いるへ)…西。日の入る方、の意。古くは沖縄でも「西」は「にし」といっていた……農耕社会の発達につれて、太陽の上がり、入りが方角を表す東(あがり)、西(いり)に変わっていったものであろう。
p506 北(にし)…北・普通、北をニシという。語源については「いにし」(去にし)説がある。
p549 南(はへ)…語源についての記述はない。
『沖縄大百科事典 下 ナ~ン 』(沖縄大百科事典刊行事務局、沖縄タイムス社、1983年)438ページ「方位の方言」の項目には、
「アガリ(東)は太陽のあがりを示す」、「イリ(西)という表現も太陽の入りにちがいない」、ニシ(北)については「イニシ説もあるが確証はない」、「ハイ(南)は西南日本に広く南風の風位語として生き」とある。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 言語 (8)
- 参考資料
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- 1 沖縄民俗辞典 渡邊 欣雄∥ほか編 吉川弘文館 2008.7 K38/O52/ 461
- 2 沖縄古語大辞典 沖縄古語大辞典編集委員会∥編 角川書店 1995.7 K80/O52/
- 3 沖縄大百科事典 下 ナ~ン 沖縄大百科事典刊行事務局∥編 沖縄タイムス社 1983.5 K03/O52/3 438
- キーワード
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- 沖縄
- 語源
- 方言
- 古語
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 書誌調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000085384