レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010/11/20
- 登録日時
- 2011/03/22 02:14
- 更新日時
- 2011/06/06 11:21
- 管理番号
- 埼熊-2010-111
- 質問
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解決
『児童文学論』(リリアン・H・スミス著 岩波書店)に記述のある、「木のマントのカチー」という話の日本語訳、または内容のわかるものはあるか。
- 回答
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3点の資料を「木のマントのカチー」に該当する話として紹介する。
「木の服カーリ」
『世界むかし話 [10]北欧』(瀬田貞二訳 ほるぷ出版 1989)
「木の衣のカーリ」
『あかいろの童話集(アンドルー・ラング世界童話集2)』(西村醇子監修 東京創元社 2008)
「木のきものをきたカリ」
『むらさきいろの童話集(偕成社文庫2053)』(川端康成訳 偕成社 1978)
- 回答プロセス
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「アスビョルンセンとモーの集めた昔話」について調査する。
「アスビョルンセン ペーテル・クリステンモー ヨルゲン ふたりの『ノルウェー民話集』は1840年代にさまざまな版で発行され、1852年には注釈つき増補版が発行された。(中略)ふたりは民話や妖精物語の採集を、それぞれ別の編者と組んで発行している」(『オックスフォード世界児童文学百科』 p17)
共著は『ノルウェー民話集』だけであり、これがダセントの訳した『北欧の昔話』の元と思われる。
『北欧の昔話』について、著者名、原書名等をキーワードとして《国際子ども図書館児童書総合目録》、《NACSIS Webcat》、
自館目録等を調査したが、日本語訳の出版情報は見つからなかった。
『ノルウェー民話集』について、著者名、原書名等をキーワードとして《国際子ども図書館児童書総合目録》、《NACSIS Webcat》、 自館目録等を調査したところ、以下の3点が日本語訳として出版されていたが、「木のマントのカチー」に該当する話は見つからなかった。
『ノルウェーの昔話』(大塚勇三訳 福音館書店 2003)
『ノルウェーの民話』(米原まり子訳 青土社 1999)
『太陽の東 月の西 (岩波少年文庫)』(佐藤俊彦訳 岩波書店 1986)
出典となっている本以外に、北欧の民話として「木のマントのカチー」が収録されているものはないか調査したところ、 類似するタイトルの話が3件見つかった。
- 事前調査事項
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「児童文学論」該当箇所
p77「…ナンセンスなはやしことばは、明らかに北欧の伝承的な結びである。このはやしことばの少しちがった形が、「木のマントのカチー」という、もっと長くて、もっと手のこんだ物語にも見いだされる。」
p364(訳注)「木のマントのカチー Katie Woodencloak. ジョージ・ダセントの『北欧の昔話』に出てくるお話」
p360(訳注)「ダセント Dasent,George Webbe,1817-16. 北欧文学の紹介者。…北欧諸語、ことにアイスランド語を学んだ。
かれがアスビョルンセンとモーの集めた昔話を訳した『北欧の昔話』(Popular Tales from the Norse,1859)は、以後の英語国の北欧昔話の本の基礎となっている」
- NDC
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- 伝説.民話[昔話] (388 9版)
- 参考資料
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- 『世界むかし話 [10]北欧』(瀬田貞二訳 ほるぷ出版 1989)
- 『あかいろの童話集(アンドルー・ラング世界童話集2)』(西村醇子監修 東京創元社 2008)
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『むらさきいろの童話集(偕成社文庫2053)』(川端康成訳 偕成社 1978)
- キーワード
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- 翻訳書目
- 昔話-ノルウェー
- 児童文学
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000082502