レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2009/12/8
- 登録日時
- 2010/03/25 02:11
- 更新日時
- 2021/02/25 14:17
- 管理番号
- 児童-2009-03
- 質問
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絵本『はなのすきなうし』と同じ作品が戦前にも翻訳出版されたと聞いたが、その本について知りたい。
- 回答
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絵本『はなのすきなうし』は、戦後、マンロー・リーフ文、ロバート・ローソン絵で『岩波子どもの本』として出版されている。都立DBや国際子ども図書館児童書総合目録(※)で、著者名<マンロー・リーフ><ロバート・ローソン>で検索するが、該当のものはない。
児童文学の翻訳についての参考図書を調査した。資料1を画家名「ローソン・ロバート」で検索したところ、p.221「覚え書・絵本の翻訳出版」松居直の論文に「戦時期の1942年2月に筑摩書房から、3冊のアメリカ絵本が光吉夏弥訳で翻訳出版されている。」として、マンロー・リーフの『花と牛』が紹介されている。また、「この内の2冊は『岩波の子どもの本』として戦後に復刊される。」とあるのでこれと思われる。
改めて、都立DBを<はなとうし>で検索すると、資料2に「花とうし」が載っていることがわかった。現物を確認したところ、昭和17年に「花と牛」と題して筑摩書房からでて、昭和29年に「はなのすきなうし」と題して「岩波子どもの本」の1冊としてでたものに、さらに筆を加えたものだとわかる。
また改めて、国際子ども図書館児童書総合目録(※)を<花と牛>で検索すると、神奈川近代文学館が『花と牛』(ロバート・ロウリン画 筑摩書房 1942)を所蔵していることがわかった(最終検索日:2020年5月7日)。
このほか、資料6にも『花と牛』についての記載がある。
※「国立国会図書館サーチ」に統合。「資料種別」の「児童書」のみにチェックを入れて検索。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 児童文学研究 (909 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】 図説子どもの本・翻訳の歩み事典 / 子どもの本・翻訳の歩み研究会∥編 / 柏書房 , 2002.4 <RK/909.0/5004/2002>
- 【資料2】 文学の本だな : 愛と勇気・真実と平和の物語 小学編2 低学年 / 沢田慶輔∥編 / 国土社 , 1963 <908/109/2>
- 【資料3】 図説絵本・挿絵大事典 第1巻 図説日本の児童書四〇〇年 / 川戸道昭∥編著 / 大空社 , 2008.11 <RK/726.6/5060/1>
- 【資料4】 はじめて学ぶ日本の絵本史 2 15年戦争下の絵本 / 鳥越信∥編 / ミネルヴァ書房 , 2002.2 ( シリーズ・日本の文学史 3 ) <RK/726.6/5001/2>
- 【資料5】 はじめて学ぶ日本の絵本史 3 戦後絵本の歩みと展望 / 鳥越信∥編 / ミネルヴァ書房 , 2002.7 ( シリーズ・日本の文学史 4 ) <RK/726.6/5001/3>
- 【資料6】 英米児童文学年表・翻訳年表 / 清水真砂子∥共編 / 研究社出版 , 1972 <RK/930/9/72>
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 書誌事項調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000065593