室内楽について調べる資料をご紹介します。
◆参考図書
楽器の組み合わせから曲を選びたいとき、珍しい楽器編成の作品を探したいとき、楽譜の情報を手に入れたいときに便利なのが、室内楽専門の事典です。
また、室内楽作品の作曲家や演奏家に関する情報を得られる事典もあります。
調べ方マニュアルの「弦楽器曲について調べる」(S00-034)や「管楽器曲について調べる」(S00-035)も参考にしてください。
★印のついているものは、演奏時間を調べることができます。
■■室内楽全般■■
*A conductor's repertory of chamber music: compositions for nine to fifteen solo instruments. Scott, William, comp.. Greenwood Press, 1993, xli, 164p. (S08-211) [参 764.2]
九重奏から十五重奏までのオリジナル作品約1,000曲のリスト。
リストは作曲者名順で、作曲者の生没年、作品の曲名、楽器編成、出版社が記載されている。第2部は、楽器の組み合わせごとのリスト、第3部は曲名の索引となっている。声を含む作品や同じ楽器によるアンサンブル(フレンチホルン・アンサンブルやダブルベース・アンサンブルなど)は含まれていない。
*Kammermusik-Katalog: Ein Verzeichnis von seit 1841 veroffentlichten Kammermusikwerken. Altmann, Wilhelm. 6.Aufl., Hofmeister, 1944, xii, 400p. (S03-489) [参 764.2]
1841年以降出版された室内楽曲の楽譜カタログ。増補改訂第6版。
第1章は弦楽器、管楽器の2重奏から10重奏、付録に独奏作品。第2章はピアノ、第3章はハープ、第4章はギター、第5章は声とそのほかの楽器。各編成ごとに、作曲者名のアルファベット順に曲名、編成、出版年、出版社が記載されている。
作曲者名索引付き。
*Kammermusik-Katalog: Verzeichnis der von 1944 bis 1958 veroffentlichten Werke fur Kammermusik und fur Klavier vier- und sechshandig sowie fur zwei und mehr Klaviere. Richter, Johannes Friedrich. F. Hofmeister, 1960, 318p. (S03-492) [参 764.2]
Altmannの「Kammermusik-Katalog」の後、1944年から1958年に出版された室内楽曲の楽譜を扱っている。
書式はAltmannに倣って、章立て、記載方法も継承。各編成ごとに、作曲者名のアルファベット順に曲名、編成、出版年、出版社が記載されている。
新たな章としてマンドリン、ツィター、アコーディオンを追加。ピアノは、連弾、6手、8手および2台用4手、6手、8手、さらに3台以上のピアノ曲について、それぞれオリジナルの作品、編曲された作品に分けて掲載している。作曲者名索引付き。
*10 ans avec la musique d'ensemble du XXe siecle: catalogue raisonne. Brochot, Nicolas, propose. Institut de pedagogie musicale et choregraphique, 1993, 124p. (T01-450) [参 764.2]
フォーレ(1845-1925)からTanguy(1968- ) までの324人の作曲家の823の室内楽曲を、教育的な配慮の元に難易度を5つの段階に分けて、編成別(二重奏、三重奏...)にリスト化したもの。
網羅的なリストではない。作曲者名索引、編成順索引付き。
*Chamber music by South African composers in South African libraries: a bibliography. Mallows, Katherine, comp. University of Cape Town Libraries, 1979, viii, 88p. (S05-859) [参 764.2]
南アフリカの作曲家の室内楽曲で、南アフリカ共和国の公共図書館あるいは大学図書館で利用できる作品を集めたもの。
独奏、室内楽、独奏楽器とピアノ、ピアノを含む室内楽、声と独奏楽器あるいは室内楽にわかれており、更に楽器別、編成別に細分されている。編成ごとに、作曲者名と生没年、曲名、出版社、出版年、ページ数、図書館の略語などが記載されている。
作曲者別曲名順索引、標題(形式名などを除く)索引付き。
■■弦楽四重奏曲■■
*Streichquartett-Lexikon: Komponisten, Werke, Interpreten. Gruhle, Wolfgang. TRIGA, c1996, 232p. (R03-355) [参 764.24]
弦楽四重奏曲と弦楽四重奏団についてすばやく調べることができるハンディな事典。
作品の章は、出版された作品、あるいはレコード・CD、放送でとりあげられた弦楽四重奏曲約1,000曲のリスト。アルファベット順に並んだ作曲者名の中は、曲数、作曲年、作品番号、調性、標題が記載されている。弦楽四重奏団の章は、歴史的に有名な約1,000の演奏団体をとりあげ、結成年、国名、メンバーの名前と変遷を記載している。
国別の作曲者年表、文献表付。
*The twentieth-century string quartet: an historical introduction and catalogue. Lawrence, Ian. Scarecrow, 2001, xv, 625p. (S09-594) [参 764.24]
20世紀に作曲された弦楽四重奏曲のカタログ。
20世紀中に完成され、作曲者の名前、国籍が明らかな作品、およそ50ヶ国から10,000曲を掲載している。本編は作曲者名のアルファベット順に、生没年、出版社、国名、弦楽四重奏曲の番号、曲名を記載。付録Aは国別(地域別)索引で、各国の概要と、4世代に分けた作曲者年表。
出版社索引、文献表付き。
■■ピアノを含む室内楽■■
*★The piano in chamber ensemble: an annotated guide. Hinson, Maurice. Indiana University Press, c1978, xxxiii, 570p. (S03-488) [参 764.2]
ピアノを含む2から8楽器までの室内楽曲のリスト。
主に1700年から現代までの作品を収録している。編成別、作曲者名のアルファベット順に配列。曲名、出版社が記載され、曲によっては作曲年、編者、出版年、出版社番号、ページ数、パート譜かどうか、演奏時間、簡単な解説などが付加されている。また大部分の曲についてはピアノパートの難易度が4段階で表示されている。
巻頭に楽譜出版社およびエージェントの住所、巻末に参考文献、作曲者名索引付き。2台以上のピアノ、およびピアノとテープを用いた曲の索引もあり。
*★The piano in chamber ensemble: an annotated guide. Hinson, Maurice et al. 3rd ed., Indiana University Press, 2021, xxxiv, 818p. (E00-062) [Ebook]
http://search.ebscohost.com/login.aspx?direct=true&scope=site&db=nlebk&db=nlabk&AN=2964491 ピアノを含む2から8楽器までの室内楽曲のリスト。
主に1700年から現代までの作品を収録している。編成別、作曲者名のアルファベット順に配列。曲名、出版社が記載され、曲によっては作曲年、編者、出版年、出版社番号、ページ数、パート譜かどうか、演奏時間、簡単な解説などが付加されている。また大部分の曲についてはピアノパートの難易度が4段階で表示されている。
巻頭に楽譜出版社およびエージェントの住所、巻末に参考文献、作曲者名索引付き。2台以上のピアノ、連弾、左手の曲の索引もあり。
*★American piano trios: a resource guide. Drucker, Arno P. Scarecrow, 1999, xvi, 404p. (S09-407) [参 764.23]
アメリカの作曲家によるピアノ三重奏のガイド(他の国で生まれてアメリカに移住した作曲家を含む)。
記載項目は作曲者について、生没地、生没年月日、住所等、略歴。曲について、曲名、作曲年、演奏時間、出版年、コピーライト年、献呈、図書館名、ディスコグラフィー、作曲者などのコメント、参考資料。
巻末に音楽関係のインターネットホームページの紹介、参考文献リストあり。
*British piano trios, quartets, and quintets, 1850-1950: a checklist. Everett, William A. Harmonie Park, 2000, xii, 234p., (Detroit studies in music bibliography : no. 80). (S09-308) [参 764.2]
1850年から1950年の間にイギリスもしくはイギリスに縁のある作曲家によって書かれたピアノと、2から4の弦楽器による曲のリスト。
楽器編成別の中は、演奏会用の規模の大きな曲と、サロン等で演奏される小規模な曲に分かれ、その中で作曲者のアルファベット順に配列。
記載項目は作曲者名、生没年、曲名、作曲年、各楽章のタイトル、出版情報、自筆譜の所在、献呈と初演、および関連情報。
巻末にジャンル別、曲名、作曲家名の索引付き。
■■管楽器アンサンブル■■
*★An annotated guide to wind chamber music : for six to eighteen players. Winther, Rodney. Alfred Music, c2004, viii, 439p. (S11-252)[参 764.2]
管楽器のための室内楽作品カタログ。
6人から18人までで演奏できる作品をカバー。アンサンブル作品だけでなく、独奏楽器(あるいは声楽)+管楽器アンサンブルといった組み合わせによる作品も含まれている。
演奏者の数および編成ごとに作品情報がまとめられている。作品情報の詳細には、作曲年、演奏時間、出版社、難易度、録音情報などに加え、楽曲の解説が記されている。
付録の”Author’s List of Top 101 Compositions”では、著者によってセレクトされた管楽器のための主要作品101曲がリストアップされている。これら主要作品について、本文中では♦のマークが記されている。巻末には作曲家のアルファベット順索引付き。
■■木管アンサンブル■■
*Catalog of chamber music for wind instruments. Helm, Sanford M. Rev. print, Da Capo Press, 1969, x, 85p. (S03-490) [参 764.2]
管楽器を1つ以上含む、3から12楽器のための室内楽曲のリスト。
より大きい編成のものも若干含んでいる。バロック時代から20世紀までの約1000人の作曲家の曲を収録している。編成別、作曲者名のアルファベット順に曲名、出版社、出版年が記載されている。
作曲者名索引付き。
*Catalogue of chamber music for woodwind instruments. Houser, Roy. Da Capo Press, 1973, xx, 159p. (S05-433) [参 764.2]
木管楽器を含む三重奏から十重奏以上までの室内楽のリスト。
著者の木管アンサンブル教育の理念に基づいて三重奏から五重奏の項目はさらに細分されている。作曲者名、曲名(編成)、編曲者、出版社を記載。
*The wind ensemble catalog. Gillaspie, Jon A. et al. Greenwood Press, 1998, xix, 444p., (Music reference collection, no.63). (S09-038) [参 764.2]
1組以上の木管楽器を含む、5からおよそ18楽器までの室内楽曲のリスト。
大規模な演奏会と軍楽隊のジャンル、木管五重奏やソロ管楽器の小編成のものを除く。2,400以上の作曲者や編曲者の約13,000曲を記載。作曲者名、作品コード、曲名、調、楽章数、編成と、印刷譜の場合には出版社、出版年を、自筆譜・手稿譜の場合には所在と配架番号を記載。
別章として作曲者不詳の曲と編曲のリストがある。
■■木管五重奏曲■■
*★Das Blaserquintett = The woodwind quintet. Hosek, Miroslav. B. Bruchle, 1979, 234p. (S04-325) [参 764.25]
木管五重奏曲の作曲者名順リスト。
リストは、木管五重奏曲のリストとその他の楽器を含む曲のリストに分かれている。リストには、出版された曲も未出版の曲も含まれる。記載項目は、作曲者名、編曲者名、曲名、出版社(または手稿譜の所蔵館)である。作曲者名には、生没年と出身国が、曲名には、わかる範囲で作曲年、演奏時間、録音の情報が付記されている。また、出版社の欄には出版年が記載されている。
曲のリストのほかに、木管五重奏の歴史と音響についての説明(英語とドイツ語)および木管五重奏団のリストがある。このリストには、各団体の設立年、設立当初のメンバー、出版当時のメンバー、住所が記載されている。
*The literature of the woodwind quintet. Peters, Harry B. comp. Scarecrow Press, 1971, 174p. (S03-491) [参 764.25]
木管五重奏曲の作曲者名順リスト。
曲は、出版カタログ、販売カタログ、文献目録などの書籍、蔵書目録、木管五重奏の演奏者からのレポートなどを元に広くリストアップされており、オリジナル曲だけでなく、編曲も含まれる。
リストは、木管五重奏のみ、木管五重奏と一つ、二つ、三つ、四つ、五つの楽器にわかれていて、演奏楽器の組み合わせから曲を選ぶことができるように配慮されている。記載項目は、作曲者名、編曲者名、曲名、出版社(または販売者)、出版年である。手書きの楽譜についての注や出典が記載されている曲もある。また、いくつかの曲については、選曲の目安となるよう、曲の長さ、楽曲構成、難易度、様式についてのコメントが付されている。