レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/09/08
- 登録日時
- 2016/11/25 00:30
- 更新日時
- 2016/11/25 16:30
- 管理番号
- 所沢本-2016-022
- 質問
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解決
庭に咲いているコーフル又はコーフリーという多年草のことを知りたい。丈は50㎝程度、葉はふわふわの毛が生えており、花はうす紫色。葉をゆでて食べているが、アクがある。正確な名称、原産地、効用、食べてよいのかを知りたい。
- 回答
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お尋ねの植物は、その特徴からコンフリー(ヒレハリソウ)と思われます。特徴、原産地等は以下の資料でご確認ください。
〇『APG牧野植物図鑑 2』[牧野富太郎/著] 北隆館 2015年
〇『原色園芸植物大図鑑』北隆館 1984年
コンフリーの効用及び食用、毒性については以下の資料に記述があります。
〇『世界薬用植物百科事典』アンドリュー・シェヴァリエ/原著 誠文堂新光社 2000年
〇『原色牧野和漢薬草大圖鑑』三橋博/旧版監修 北隆館 2002年
〇『園芸植物大事典』 2 塚本洋太郎/総監修 小学館 1988年
〇『日本の有毒植物』佐竹元吉/監修 学研教育出版 2012年
厚生労働省のホームページに食用としての販売、食品としての摂取を控えることとの情報があります。
〇厚生労働省ホームページ「シンフィツム(いわゆるコンフリー)及びこれを含む食品の取扱いについて(その2)」平成16年6月14日 厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課
- 回答プロセス
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1 花名を植物図鑑で検索
〇『APG牧野植物図鑑 2』[牧野富太郎/著] 北隆館 2015年
P268 「ヒレハリソウ(コンフリー)」中の記述「高さ60~90㎝、花は紫色、淡紅色、全体に白く短い粗毛がある。原産地はヨーロッパ。」との記述あり。
〇『原色園芸植物大図鑑』北隆館 1984年
P387 コンフリー(ヒレハリソウ)の項に「欧州、アジア原産の耐寒性多年草。(中略)栄養野菜、飼料として栽培される。」との記述あり。
2 所蔵資料の内容確認
〇『世界薬用植物百科事典』アンドリュー・シェヴァリエ/原著 誠文堂新光社 2000年
P136には ヒレハリソウ、コンフリーの葉の処方とその用法として、「汚れた傷の応急処置には使用しないこと。不潔で化膿することがある。内服するときには専門家の指示に従うこと。いくつかの国では規制されている」との記述あり。
〇『原色牧野和漢薬草大圖鑑 』三橋博/旧版監修 北隆館 2002年
P436 ヒレハリソウ(コンフリー)の「主な作用」として、保護、収斂、抗炎症、傷や骨の治癒、「使用部位」の項には、根は、アラントイン含有が最も高くなる秋に収穫される。地上部は抗炎症、収斂作用を持つ成分が、多く含まれている。」とあり、「薬用部分」の項目には「根と根茎、葉。薬効は民間では止瀉、貧血予防、新陳代謝促進に効果があるとされ、下痢止めや貧血予防に用いられる。」との記述あり。「使用法」の項目には「葉はお茶の代用品になる。生の根、葉の生汁はビタミン、ミネラル類を豊富に含み、貧血予防、新陳代謝機能促進に効果がある。葉や若芽を油で揚げたり天ぷら、つくだ煮などにして食用にしても同様の効果がある。」との記述あり。
〇『園芸植物大事典』 2 塚本洋太郎/総監修 小学館 1988年
P319-320 コンフリーの項に「根にも葉にも組織を収斂させる作用があり、多量の粘液、薬効成分のアラントイン、そして各種ビタミンを含むため、胃潰瘍、癌、貧血症などに卓効があるといわれた時期があったが、現在ではコンフリーを内用するのは危険であると考えられている。しかし、葉の浸出液や根の煮出し液は、うがい薬になるほか、外用的に腫物、にきび、あかぎれの洗浄液にする。もんだ葉や、根をすりおろしたドロドロしたものは、打ち身、捻挫、切り傷のときに患部に湿布すると、炎症を鎮め腫れがひく。野菜としての利用は、若いやわらかい葉を汁の実や天ぷらにするくらいである。」との記述あり。
3 記載がなかった資料
×『世界の食用植物文化図鑑 』バーバラ・サンティッチ/編、ジェフ・ブライアント/編、山本紀夫/監訳、柊風舎 2010年
×『食べられる野生植物大事典』橋本郁三/著 柏書房 2003年
×『植物の特徴を見分ける本』大川ち津る/著 恒星社厚生閣 2013年
4 事後調査による情報及び資料(中野区立中央図書館からの情報提供)
〇厚生労働省ホームページ「シンフィツム(いわゆるコンフリー)及びこれを含む食品の取扱いについて(その2)」平成16年6月14日 厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課
(1)コンフリーを製造・販売・輸入等する営業者に対して
コンフリー及びこれを含む食品の製造・販売・輸入等の自粛
回収等、営業者による自主的な措置の実施
(2)一般消費者に対して
販売されたコンフリー及びこれを含む食品の摂取を控えること
自生し、又は自家栽培したコンフリーについても、その摂取を控えること
〇『日本の有毒植物』 佐竹元吉/監修 学研教育出版 2012年
P180 コンフリーの毒性について「葉による人の肝静脈閉塞性疾患などの健康被害例が海外にある。含まれているピロリチジンアルカロイドによる肝障害である。加熱しても毒は消えない。2004年に食品としての販売が禁止された」との記述あり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 薬学 (499 9版)
- 園芸 (620 9版)
- 参考資料
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- APG牧野植物図鑑 2 [牧野富太郎/著] 北隆館 2015.1 470.38 978-4-8326-0981-5
- 原色園芸植物大図鑑 北隆館 1984.5 620.38 4-8326-0003-6
- 原色牧野和漢薬草大圖鑑 三橋博/旧版監修 北隆館 2002.10 499.87 4-8326-0810-X
- 世界薬用植物百科事典 アンドリュー・シェヴァリエ/原著 誠文堂新光社 2000.10 499.87 4-416-40001-2
- 園芸植物大事典 2 塚本洋太郎/総監修 小学館 1988.10 620.33 4-09-305102-X
- 日本の有毒植物 佐竹元吉/監修 学研教育出版 2012.5 471.9 978-4-05-405269-7
- 厚生労働省シンフィツム(いわゆるコンフリー)及びこれを含む食品の取り扱いについて(その2) http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/06/tp0618-2.html 2016/11/22
- キーワード
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- コンフリー
- ヒレハリソウ
- ニットボーン
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000200370