レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2008/10/25 02:11
- 更新日時
- 2008/10/25 10:28
- 管理番号
- B2007F0992
- 質問
-
解決
やまぼうしの薬効について調べています。
- 回答
-
当館東京本館科学技術・経済情報室の開架資料を調査した結果、以下の資料にお尋ねの事項に関する記載がありました。(【 】内は当館請求記号です。)
●『薬用植物大百科 : 伊沢一男遺稿集』 (伊沢一男著 上三川町(栃木県) 伊沢俊夫 1999 主婦の友出版サービスセンター 非売品 【SD2-G47】)
p.496-497に「458.ヤマボウシ ミズキ科ミズキ属 Cornus kousa Buerger ex Hance(Benthamidia japonica Hara)」の項目があり、以下の記述がありました。(カラー写真がp.91に掲載されています。)
“薬用部分 果実。
生薬名 ヤマボウシ。
採取時期と調整法 秋に果実が熟したころ採取し、水洗し、生のままを用いる。
成分 果実に果糖を含むほかは精査されていない。
薬効と用い方 滋養、強壮に 熟した果実を水洗し、生食する。アケビの味に似た甘味がある。”
●『薬草カラー大事典 : 日本の薬用植物のすべて』 (伊澤一男著 主婦の友社 1998 【SD121-G66】)
p.478に「ヤマボウシ ミズキ科」の項目があります。
成分については、「まだよく研究されていないが、果実に果糖を含む。」。薬効と用い方については、「滋養強壮に果実をそのまま食する。アケビに似た甘みがある。」との記載があります。
また、当館で契約している科学技術・医療分野の文献情報データベースJ-DreamIIをキーワード「ヤマボウシ」で検索したところ、以下のレコードがありました。
和文標題:健康効果のあるCornus alternifolia,ミズキ,ヤマボウシ,およびハナミズキの果実中アントシアニン類
英文標題:Anthocyanins in Cornus alternifolia, Cornus controversa,
Cornus kousa and Cornus florida fruits with health benefits
著者名:VAREED Shaiju K., REDDY Muntha K., SCHUTZKI Robert E., NAIR Muraleedharan G.
(Bioactive Natural Products and Phytoceuticals, Dep. of Horticulture and National Food Safety
and Toxicology Center ...)
資料名:Life Sci ISSN:0024-3205
巻号ページ(発行年月日):Vol.78 No.7 Page.777-784 (2006.01.11)
抄録に、ヤマボウシの果実はシアニジン3-O-ガラクトシドとシアニジン3-O-グルコシドを主要なアントシアニンとして含んでおり、その含有量はそれぞれ0.02mg、0.16mgとなっている旨の記載がありました。アントシアニンには、“目の疲れを癒す”、“抗酸化作用を有し老化防止につながる”などの効用があると言われています。
例:『健康の辞典メガデタネット』アントシアニンの項
( http://www.megadeta.net/antosianin.html )
ただし、独立行政法人国立健康・栄養研究所が提供している「健康食品」の安全性・有効性情報のページ( http://hfnet.nih.go.jp/ )によると、このような効用に関して人間での信頼性あるデータは十分ではないとされています。
( http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail711lite.html )
なお、『Life Sciences』誌の当該巻号は当館関西館で所蔵しています(【Z53-B399】)。
この他に以下の資料を調査しましたが、ご照会の件に関する記載は見当たりませんでした。
●『最新生薬学』 (奥田拓男編 廣川書店 2007 【SD121-H77】)
●『和漢薬の事典』 (富山医科薬科大学和漢薬研究所編 難波恒雄監修
朝倉書店 2002 【SD2-G83】)
●『原色日本薬用植物図鑑』 (木村康一,木村孟淳共著 全改訂新版
大阪 保育社 1981 【SD121-64】)
●『天然食品・薬品・香粧品の事典』 (Albert Y.Leung,Steven Foster〔著〕
小林彰夫,齋藤洋監訳 朝倉書店 1999 【SD2-G45】)
●『天然薬物事典』 (奥田拓男編 広川書店 1986 【SD2-66】)
●『日本のハーブ事典 : 身近なハーブ活用術』 (村上志緒編 東京堂出版 2002 【SD121-G166】)
●『近代漢方薬ハンドブック』 (高橋良忠著 薬局新聞社 2005 【SD2-H55】)
●『中薬大辞典』 (上海科学技術出版社,小学館編 小学館 1990 【SD2-E25】)
●『原色中国本草図鑑』 (原色中国本草図鑑編集委員会編著 京都 雄渾社 1982 【SD2-55】)
●『西洋生薬 : カラーグラフィック』 (Max Wichtl〔編著〕 井上博之監訳 1999 廣川書店 【SD121-G86】)
●『くらしの生薬』 (山田光胤監修 後藤實著 たにぐち書店 2005 【SD2-H56】)
●『傷寒・金匱薬物事典』 (伊田喜光総監修 根本幸夫,鳥居塚和生監修 万来舎 2006 【SD2-H83】)
インターネットの最終アクセス日は、2007年12月21日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
-
『長崎県の野生植物 草木編/1』
『山の植物誌』
『農耕と園芸』
『原色日本樹木図鑑』
『食べられる野生植物大事典』その他
- NDC
-
- 薬学 (499 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 薬用植物
- やまぼうし
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 公共図書館
- 登録番号
- 1000048397