レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年11月20日
- 登録日時
- 2021/04/18 09:49
- 更新日時
- 2022/04/22 09:38
- 管理番号
- 広瀬2016-14
- 質問
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解決
「厳松無信」という四字熟語の意味が載っている辞典か本をみたい。
- 回答
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『これで大丈夫禅語百科』p57「巖松無心風来吟」の項
「巌谷の松に風が吹き来って松籟の音が梢々と響く様。松はもとより歌う意思があるわけではなく、風もまた歌わせようとするのではない。しかしその場の機縁に応じて深い心理を湛えた音色が響いているところを捉えて悟境の中の無心の働きをあらわしている。」
- 回答プロセス
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四字熟語辞典を調べるも見当たらず、『日本国語大辞典 第2版 第3巻』p1298「がんしょう 岩松・巖松」の項に「*咄本・醒睡笑(1628)八「僧いふ、『巖松無心風来吟。問へばこそ答へたれ』」とあり、四字熟語ではなく、また、「無信」ではなく「無心」であることが分かった。
『醒睡笑』p237に記載はあったものの、意味は載っていなかった。
ネット検索で禅語、茶席の掛け軸に使われる用語として多数ヒットしたため、『これで大丈夫禅語百科』を調べると意味とともに記載があった。
また、以前に似たレファレンスがあったため、『茶席の禅語大辞典』も調べたところ、p196「岩松無心風来吟」の項に「突兀とした岩上に亭々と聳える老松が風に吹かれて無心に颯々と音を鳴らしているさま。老松にも風にも、音を鳴らそう鳴らしてやろうという作意はない。風は無心に吹き来たり、老松も無心に吹かれるのみであり、そこに清らかな颯々とした音色が奏でられる。老松とは四季を通じ歳を経てもなお青々とした葉を茂られることから、常住不変の真如や悟りを得た老僧の枯淡にして孤高なる境地にたとえられる。無心に徹しきった人は良く環境に応じて妙なる用きを示し、あとに何も残さない」とあった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 各宗 (188 9版)
- 参考資料
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- 『これで大丈夫禅語百科』沖本克己/著 淡交社 1998年
- 『醒睡笑』安楽庵策伝/[著] 鈴木棠三/訳 平凡社 1964年
- 『茶席の禅語大辞典』有馬頼底/監修 淡交社 2002年
- キーワード
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- 巖松
- 禅語
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000297315