レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年07月11日
- 登録日時
- 2019/02/05 16:57
- 更新日時
- 2019/02/05 16:57
- 管理番号
- 20120711
- 質問
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解決
動物寓意譚でヒュドルスとワニ(Ydrus et Cocodrille)という話があるが、そのヒュドルスについて載っている本はないか。
- 回答
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『中世動物譚』p174-175にヒュドルスとして解説が載っています。
(以下解説)
ヒュドルス(ヒドロフィス)
ヒュドルスをヘラクレスの偉業によって殺された一〇〇の頭をもったヒュドラと混同してはならない。
ギリシア人はヒュドルスをある種のヘビの名前に用いているが、必ずしもその名が意味するような水ヘビ(原注あり:ニカンドロスは、
この水ヘビもオークの木の幹のうちに棲むヘビ〈dryina〉と同定している。またウェルギリウスも参照)ではない。
だが、プリニウスは水ヘビとみなし、エンヒュドリスと考えているが、実際はカワウソのことである。
このような思い違いによって後世の著述者の間に数多の誤解が生じた(補遺あり:ギリシア人が「水生生物」の意味を持つ語から「水中生物」の
意味を持つ語を造り、これをラテン人は「utra,uter」から「lutra」(カワウソを指す)という語を造った。ラテン語の≪n≫はギリシア語の≪l≫に
対応する)。ミルトンも、スペンサー同様、海の怪物を列挙しているが、ヒュドルスを選んだのはその名前の響きがよかったからだろう。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 英米文学 (930)
- 参考資料
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- 『中世動物譚』P.アンセル・ロビン/[著] 関本 栄一/訳 松田 英/訳 博品社 1993.7 4-938706-08-3
- キーワード
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- 動物寓意譚(どうぶつぐういたん)
- ヒュドルス
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000251383