レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011/02/23
- 登録日時
- 2012/02/25 02:00
- 更新日時
- 2012/02/25 02:00
- 管理番号
- 相-110010
- 質問
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解決
寛文年間に刊行された『料理物語』(『江戸時代料理本集成第1巻 』596.1/77/1(11475860)収録) 第五 獣の部に「ゐのしゝ」(猪)の料理法として、汁、でんがく、くはし、と記載されている。この「くはし」は菓子のことか?どんな料理法なのか知りたい。
- 回答
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『料理物語・考』江原恵著 三一書房 1991には
“上記のイノシシの菓子は味噌漬にしたイノシシの肉を焼いたものかと思われる。獣肉一般は煮過ぎたり焼き過ぎると固くなるが、猪だけは長く加熱するほど柔らかくなる。それで菓子に使おうという発想が出てきたのではなかろうか。”と記載があります。同書には“以上の獣肉料理のうちで、分かりにくいのはイノシシの菓子(くはし)である。今日の常識では、菓子は甘味類か煎餅の類であるが、室町・安土桃山時代の茶会では、木の実、果物、菌類、海草類の外に貝類や頭足類(特にタコ)などが菓子に出てくる。”とも記載されています。ただし著者は茶湯会席の菓子として実際に猪がだされた献立を確認しているわけではないそうです。
- 回答プロセス
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①当館OPACを料理物語で検索。『料理物語・考』江原恵著 三一書房 1991<596.21Z/6>(20386256) がヒット。
② 内容を確認すると『料理物語』の解説書であった。P41に「ゐのしゝ」(猪)の料理法について解説があった。
③同じ江原恵著『江戸料理史・考』河出書房新社 1986<383.8T/138>(12520581)p122には“料理と菓子とはまったく別個のものである、と考えるのは現代人の感覚である。江戸時代は、菓子は料理の一品種であった。”という記載があった。
④『図説江戸時代食生活事典』雄山閣出版 1978や『江戸川柳飲食事典』東京堂出版 1996 『江戸の料理史』原田信男著 中央公論社 1989等、江戸時代の食に関する資料を確認したが、これ以上の記述は発見できなかった。
⑤GeNiiで検索したところ
「「料理物語」にみる江戸の肉食 : 調理法に着目して」山田彩子著(歌子 19, 80-102, 2011-03-20 実践女子大学)という論文がヒットしたが、当館未所蔵のため内容の確認はできなかった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 食品.料理 (596 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 料理法
- 猪
- 獣肉
- 江戸時代
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000102232