レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20141118
- 登録日時
- 2015/01/23 00:30
- 更新日時
- 2015/01/23 00:30
- 管理番号
- 福参-977
- 質問
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解決
平安時代の右大臣、藤原園人の上奏文の全文を読んでみたい。
病気にかかった人を道端に捨てるという当時の悪習を禁止すべく、天皇に献策したものである。
(河北騰著『水鏡全評釈』p.356を見ての質問)
- 回答
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参考資料1『水鏡全評釈』p.351
おたずねの上奏文は弘仁4年6月1日に出されたもので、「病衰の人を道の畔に出し放置することを厳禁する点と、これに違背する者、及び違背を見て糺さない村長らも厳罰とする点を力説した」とある。また、同ページには、上奏文の一部の書き下し文が掲載されている。
参考資料2『水鏡全注釈』p.421-422
当該上奏文の書き下しが冒頭を除き、ほぼ全文掲載されている。また、出典は「『類聚国史』巻七十九「政利一・禁制」の条の弘仁四年六月壬午朔」とある。
参考資料3『国史大系 第5巻 類聚国史』p.426
当該上奏文の全文が返り点付きの漢文で掲載されている。
参考資料4『国史大系 第25巻 類聚三代格』p.592-593
当該上奏文と同じ文章が「太政官符 応禁断京畿・百姓出棄病人事」として、返り点付き漢文で掲載されている。(棄は「なべぶたに弁」で記されている。)
- 回答プロセス
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参考資料1『水鏡全評釈』の内容を確認。ほかの水鏡の注釈書に詳しい記述があるのではないかと考えて、所蔵検索。参考資料2『水鏡全注釈』を見出す。その記述から、参考資料3『国史大系 第5巻 類聚国史』に至る。また、弘仁4年(813)について参考資料5『新國史大年表 第1巻』を確認したところ、p.524にこの件についての記述があり、出典が「類聚三代格」となっていた。そこから参考資料4『国史大系 第25巻 類聚三代格』に至る。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 8版)
- 参考資料
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- 1 水鏡全評釈 河北 騰/著 笠間書院 2011.10 913/425/2 p.350-352, 356
- 2 水鏡全注釈 金子 大麓/[ほか]注釈 新典社 1998.12 913/425/1 p.421-422
- 3 国史大系 第5巻 黒板 勝美/編輯 吉川弘文館 1999.12 210/088/S89-5 p.426
- 4 国史大系 第25巻 黒板 勝美/編輯 吉川弘文館 2000.10 210/088/S89-25 p.592
- 5 新國史大年表 第1巻 日置 英剛/編 国書刊行会 2007.2 210/03R/177-1 p.524
- キーワード
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- 日本史 社会福祉 仁政 藤原氏
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000166648