レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/04/10
- 登録日時
- 2015/07/16 00:30
- 更新日時
- 2015/07/16 00:30
- 管理番号
- 6001009020
- 質問
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解決
幕末期の軍楽、特に信号喇叭に関して詳しく書かれている資料を探しています。幕末期の喇叭譜などが載っている本があれば教えてください。
- 回答
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まず、信号喇叭について記述のある資料を紹介します。なお、資料によりましては、喇叭譜が掲載されている場合もあります。
・「明治初期の信号喇叭について:赤松小三郎訳『英国歩兵練法』をめぐって」江崎公子/著(『音楽研究第15輯 国立音楽大学 2003.3 p.83-109)
論題は明治初期となっていますが「はじめに」の項目には「明治初期の信号喇叭について明らかにしてゆくことを目的とする。そのため本稿の対象とする時期は安政2(1855)から明治20年(1883)頃までとする」との記述があります。また『英国歩兵練法』の喇叭譜や『オランダ喇叭譜』などが収録されています。
・「幕末の洋式軍楽について:陸軍軍楽を中心として」淺川道夫、前原康貴/著(『軍事史学』通巻174号 2008.9 p.22-42)
「はじめに」に幕末の軍楽に関する論文が紹介されています。信号喇叭につきましては「喇叭による吹奏楽」という項目に記述があります(p.33-37)。
・CD『黒船以来(このかた) 』(King Record 2003.7)
付録の曲目解説に「洋楽導入期と太鼓・喇叭信号、鼓隊、軍楽隊」(塚原康子/著)と題する文章が収録されています。なお、このCDには「英国歩兵練法」より信号喇叭「早足」と「退軍」が「喇叭符号全」より「陣営」が収録されており、「早足」と「退軍」の喇叭譜が解説に引用されています。
次に幕末の軍楽関係の資料を紹介します。資料の中には信号喇叭に関して記述のある資料もあります。
・『十九世紀の日本における西洋音楽の受容』(塚原康子∥著 多賀出版 1993)
第3章の第1節が「幕末の洋式軍楽:鼓笛隊と信号喇叭」と題されています。
・『音楽明治百年史』(堀内敬三∥著 音楽之友社 1968)
「明治篇」には「仏式信号喇叭の伝習」など幕末軍楽に記述がある場合があります。
・『近代日本洋楽史序説』(中村洪介∥著 東京書籍 2003.3)
第1章が「江戸後期から維新期へかけての洋楽」と題されており、軍楽に関しての記述もされています。
・『洋学史論考』(佐藤昌介∥著 思文閣出版 1993.5)
第3章が「幕末の洋楽受容にかんする一考察」と題されており、幕府や諸藩の軍楽について書かれています。
・『本邦洋楽変遷史』(三浦俊三郎∥著 日東書院 1931)
「第16章 欧風軍楽隊の起源」に幕末期の軍楽についての記述があります。
以上が軍楽に関する資料です。
幕末の喇叭譜につきましては、上記で紹介しました「洋楽導入期と太鼓・喇叭信号、鼓隊、軍楽隊」(塚原康子/著)によれば『英国歩兵練法 第5篇』(慶応元年刊)ならびに『喇叭符号 全』(慶応3年刊)に収録されているようですが、大阪府立図書館では所蔵しておりません。
喇叭譜につきましては、上記紹介しました論文に一部引用があるのみです。
なお、時代はかなり下りますが『陸海軍喇叭譜』(相沢富蔵/編 厚生堂 明30.11)が国立国会図書館の「近代デジタルライブラリー」で閲覧が可能です。
[事例作成日:2015年4月10日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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『日本の洋楽1』大森盛太郎(新門出版社)
『幕末鼓笛隊‐土着化する西洋音楽』奥中 康人(大阪大学出版会)
『幕末伝説』野口武彦(講談社)
以上、確認済みです。
- NDC
- 参考資料
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- 音楽研究 国立音楽大学大学院 編集 国立音楽大学大学院 12-15 (83-109)
- 軍事史学 軍事史学会編集 錦正社 44(2)<174>
- 黒船以来(このかた) King Record 2003.7
- 十九世紀の日本における西洋音楽の受容 塚原/康子∥著 多賀出版 1993
- 音楽明治百年史 堀内/敬三∥著 音楽之友社 1968
- 近代日本洋楽史序説 中村/洪介∥著 東京書籍 2003.3
- 洋学史論考 佐藤/昌介∥著 思文閣出版 1993.5
- 本邦洋楽変遷史 三浦/俊三郎∥著 日東書院 1931
- http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/855031 (『陸海軍喇叭譜』(相沢富蔵/編 厚生堂 明30.11)(2015.4.10現在))
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000177333