レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2013/03/23 11:24
- 更新日時
- 2013/09/19 10:59
- 管理番号
- 神戸図-488
- 質問
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今度のお茶席に使う軸(掛け軸)にのっている文言のヨミと意味が知りたい。作者は江戸初期の鳥(とり)丸光広だとわかっている。作者名のヨミも知りたい。手元には友人からもらったコピー資料しかない。軸の文言は以下のとおり。(質問者がわかる範囲で読解したもの)
1行目 松の上に花の雪散る春風や
2行目 桜一木の □(漢字) にふくか(?) □(漢字1文字)
3行目 光広
- 回答
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該当する文言がのっている資料は見当たらなかったので、ヨミも意味もわからず。
作者は烏丸光広(1579~1638年)で、「からすまる みつひろ」と読む。
- 回答プロセス
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作者の鳥丸光広(とりまるみつひろ)について調査。
『国史大辞典 3』p.653~654より、正しくは、烏丸光広(からすまるみつひろ)と判明。
『茶道人物辞典』柏書房p.54、『新版茶道大辞典』淡交社p.287などにも記載あり。
書・和歌・茶道を得意としていたことがわかったので、まず書蹟を調査。
『日本美術作品レファレンス事典 書跡篇1 日本の書』p.591~592より、当館所蔵の以下の資料を調査するが、該当する文言は見当たらず。
『日本の書 11』 中央公論社 ( 図14~22)、 『日本書蹟大鑑15』講談社(図68~78)、『書の宇宙19』二玄社(図12)、『原色日本の美術26、22』小学館(共に図105)、『書道全集22』(図26)『皇室の至宝12』毎日新聞社(図19)
次に、烏丸光広の和歌集に「黄葉集」があるので、『新編国歌大観9』p.22~53より「黄葉集」の和歌を調査する。「松」から始まる歌は3~4首あるが、該当する文言は見当たらず。類似の和歌も見当たらず。
他人が詠んだ和歌かもしれないと考え、同書の他の巻を残らず調べたが、見当たらず。
『日本名歌集成』学燈社、『名歌・名句大事典』明治書院にも見当たらず。
ネットで検索しても該当する文言はヒットしないが、類似の烏丸光広の和歌が下記のサイトに、派生歌として取り上げられている。
・源宗于千人万首 http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/muneyuki.html
春の派生歌 色まさるをのへの松の木の間より今一しほの桜さくころ
・紀郎女千人万首 http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/osika2.html
相聞の派生歌 青柳をあわをによりて春風の梢にむすぶ糸桜かな
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 『茶道人物辞典』柏書房 1981 (pv:0005116048 791=L1)
- 『日本美術作品レファレンス事典 書跡篇 1 日本の書』 日外アソシエーツ (7000029059 7021=M=4-1)
- 『日本の書 11』 中央公論社 1982 (PV:0000623659 7288=L1A=11)
- 『日本書蹟大鑑 15』講談社 1978 (PV:0000319973 728=327=15)
- 『書の宇宙 19』二玄社 1999 (pv:6000230954 7282=M6A=19)
- 『原色日本の美術22、26』小学館 1970, 1972 (pv:6000131625 PV:6000150886 708=A136=22,26)
- 『書道全集 22』 平凡社 1930, 1954 (CT:0309481016 CT:6000054553 728=40=22 728=A152=22)
- 『皇室の至宝 12』毎日新聞社 1993 (pv:0005176814 708=M1A=12)
- 『新編国歌大観 』 角川書店 1983-1992 (pv:0006016986 9111=L3=9)
- 『日本名歌集成』学燈社 1988 (PV:0005143538 9111=L8)
- 『名歌・名句大事典』明治書院 2012 (PV:7200253246 9111=P2)
- キーワード
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- 烏丸光広
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000129584