レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/06/06
- 登録日時
- 2023/07/30 00:30
- 更新日時
- 2023/07/30 00:30
- 管理番号
- 6001061236
- 質問
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解決
戦国以前の年号宣下がどの程度、地方に伝わっていたのか知りたい。
- 回答
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中世以前に年号情報が地方へどの程度伝わっていたのかについて記述のあった資料は以下の通り。
・吉野健一「元号のひろがり」『京都産業大学日本文化研究所紀要』24(京都産業大学日本文化研究所 2018)p.94-108
・「パネルディスカッション」『京都産業大学日本文化研究所紀要』24(京都産業大学日本文化研究所 2018)p.109-131
京都産業大学学術リポジトリでも公開されている。(2023/6/6現在)
http://hdl.handle.net/10965/00010242
京都産業大学日本文化研究所公開シンポジウム「元号の世界ー最新の研究からー」の報告記録の一つ。大宝以降に地方の人々が年号をどの程度使用していたかということを話題として取り上げている。
報告に続くパネルディスカッションの中でも、関連した補足を加えている部分がある。(p.117-118, 124-126)
・『元号:全247総覧』(山本博文/編著 悟空出版 2017.9)
p.29-30 「序章 元号とは何か 庶民にとって縁遠かった元号と、はっきりしない元号の読み方」
元号は、飛鳥時代には朝廷周辺の限られた人々のみしか知らず、奈良時代に郡司あたりまで文書で伝わるようになり、江戸時代になってから一般庶民まで伝わるようになったと書かれている。
・『元号読本:「大化」から「令和」まで全248年号の読み物事典』(所功/編著 久禮旦雄/編著 吉野健一/編著 創元社 2019.5)
p.162-166 「鎌倉、南北朝、室町時代の年号概説」
鎌倉時代に改元情報が鎌倉及びその周辺地域にまで伝わるのにかかった日数や南北朝時代の年号の記録が九州地方で見つかっていることについて書かれている。(p.163, 165)
・『元号:年号から読み解く日本史(文春新書1156)』(所功/著 久禮旦雄/著 吉野健一/著 文藝春秋 2018.3)
p.144-146 「第四章 中世に揺れ動いた年号 二 南北朝期に並び立つ年号 5 改元の伝播と地方の私年号」
戦国の東国で誤った年号が使われていた事例があることが書かれている。
・『講座・前近代の天皇 第4巻 統治的諸機能と天皇観』(石上英一/[ほか]編集 永原慶二/[ほか]編集 青木書店 1995.6)
p.161-181 「暦と改元」(千々和到/著)
p.169-171 「四 中世の改元情報の伝達」
十五世紀半ばの東国における改元情報の伝達路が複数存在していたことについて書かれている。
・瀬野精一郎「改元の伝播」『日本歴史』238(吉川弘文館 1968.3)p.58-60
九州地方の鎌倉時代の古文書に書かれた年号から、どれくらいの日数で九州地方に改元の情報が伝わったかを考察している。九州に到達するに要する日時は別として、九州地方に普及するのには、約2か月もあれば十分であっただろうと書かれている。
[事例作成日:2023年6月6日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 10版)
- 参考資料
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- 京都産業大学日本文化研究所紀要 京都産業大学日本文化研究所 [編] 京都産業大学日本文化研究所 24(2018) (94-108, 117-118, 124-126)
- 元号 山本/博文‖編著 悟空出版 2017.9 (29-30)
- 元号読本 所/功‖編著 創元社 2019.5 (163, 165)
- 元号 所/功‖著 文藝春秋 2018.3 (144-146)
- 講座・前近代の天皇 第4巻 石上/英一∥[ほか]編集 青木書店 1995.6 (169-171)
- 日本歴史 日本歴史學会 吉川弘文館 236-238 (58-60)
- http://hdl.handle.net/10965/00010242 (日本文化研究所公開シンポジウム : 元号の世界 : 最新の研究から ー 京都産業大学学術リポジトリ(2023/6/6現在))
- キーワード
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- 元号(ゲンゴウ)
- 年号(ネンゴウ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000336557