レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2024年01月05日
- 登録日時
- 2024/01/24 16:22
- 更新日時
- 2024/02/16 14:02
- 管理番号
- 2373
- 質問
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解決
戦前、海軍航空隊の編成・任務に関する資料
①二一〇航空隊・第三航空隊(明治航空基地)は海軍全体の中でどのような位置づけ・編成されていたか。
②「実用航空隊」「練習航空隊」「作戦戦隊」等、それぞれの任務・訓練内容・期間をまとめた資料はあるか。
③開隊予定20年4月に「明治(陸)」とあるが、なぜ陸軍ではなく海軍に変更されたのか。
④ひとりの搭乗員を錬成するための期間はどのくらいか。
- 回答
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①の回答
・『安城歴史研究 第20号』(A234.5/アン/A)P5
➡「二一〇空は、他機種の実用機搭乗員を一箇所で効率的に養成するために編成された錬成教育を主任務とする実用航空隊であった。」と記述あり
・『安城歴史研究 第27号』(A234.5/アン/A)P159
➡「一九四四年九月十五日に明治航空基地で開隊した第二一〇海軍航空隊は、前稿でも紹介したとおり練習航空隊(専ら航空機搭乗員・整備員の教育を目的とした教育機関で航空学校に相当)の教育を終えた搭乗員を作戦行動にたえ得る一人前の搭乗員に仕上げる為の「錬成教育」を主任務とするいわゆる錬成航空隊であった。」と記述あり
・「海軍航空隊年誌」1961(デジタルコレクションより参照)
➡特設海軍航空隊の概要がまとめてある表あり
・『海軍戦闘機隊史』(397.8/ゼ)P324-325
➡昭和20年8月15日における海軍航空部隊の編成について記述あり
・『航空隊戦史』(391.2/キン)
➡P50「第三航空隊」の位置づけについて P69「二一〇航空隊」の位置づけについて
②の回答
・『明治基地と海軍航空隊』(A390/スズ/A)全体
➡明治航空基地に限った実施した訓練等の詳細の記述の記載あり
・『学芸員と歩く愛知・名古屋の戦争遺跡』(A215/イト/A)P93-96
➡県内の基地(豊橋海軍航空基地、明治航空基地、岡崎航空基地)の概要的な内容のまとめ記載あり
★参考『日本海軍航空史』海空会編(全4巻)※当館には未所蔵
③の回答
・『安城歴史研究 第20号』(A234.5/アン/A)P2
➡「軍令部は…増勢補充を海軍大臣あて商議した。この計画は海軍部内で「改⑤計画」と呼ばれ、…1945年4月の開隊をめざして整備する外線部隊用の常設作戦基地の一つとして「明治」の名が含まれていた。」と記述あり
・『安城歴史研究 第28号』(A234.5/アン/A)P127-129
➡海軍の計画内で明治基地の検討が進められていたことを原文とともに照会
➡「史料中に登場する用語のうち「陸戰」の陸は、水上機(浮舟付きの飛行機)に対する陸上機(車輪付きの飛行機)という意味で、この場合、「陸戰」と「艦戰」は同意語と理解して差し支え無い」と記述あり(参考)
④の回答
・『海軍戦闘機隊史』(397.8/ゼ)P353
➡「最終的に二一〇空(明治基地)で約200名を対象として、2か月、30時間の訓練で本土決戦に備えた。」と記述あり。
・『海軍戦闘機隊史』(397.8/ゼ)P351-353
➡予科練生、予備学生、予備練習生それぞれの基礎教育期間の記述あり
「予科練生は・・・修業期間は時局の進展に伴い3年から~」
「飛行科予備学生と予備生徒は採用後霞ケ浦航空隊において一年の教育→各基地に入隊後120~150時間(19年頃には30時間)飛行訓練」
「予備練習生は実用機訓練と基礎的な軍事教育を約5か月、後期に最短2か月半教育されて各実施部隊に配属」
・『海軍戦闘機隊史』(397.8/ゼ)P354
➡訓練期間と訓練時間について記述あり
★参考『陸軍航空の軍備と運用 3』(391.2/ア/94)P206
➡昭和19年度の航空時局兵備案の方針(陸軍)に教育期間の記述あり
★参考『戦争のなかに生きる 戦時下の日常生活と明治航空基地』(A390/アン/A)P68
➡同時期にあった航空基地である岡崎航空基地では「第1期の教育開始は昭和19(1944)年5月15日で、期間は6カ月であった。」と記述あり
- 回答プロセス
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【回答プロセス】
1.(1)業務システムにて「明治航空基地」と検索
→『安城歴史研究』各号がヒット
(2)該当棚をブラウジングし、適当な資料を調査
→『企画展 戦時下の日常生活と明治航空基地 戦争のなかに生きる』がヒット
2.(1)戦史叢書で「海軍」に該当するものをピンポイントで調査
→『海軍戦闘機隊史』がヒット
(2)業務システムにて「海軍」「航空」「明治航空」のキーワードで検索
→『愛知・名古屋の戦争遺跡』がヒット
3.(1)レファレンス共同データベース「明治航空基地」に関する質問から回答資料を調査
→『航空隊戦史』、『明治基地と海軍航空隊』がヒット
(2)(1)の資料の棚付近をブラウジング
→『企画展 戦時下の日常生活と明治航空基地 戦争のなかに生きる』、『陸軍航空の軍備と運用 3』がヒット
(3)デジコレで「明治航空基地」でキーワード検索
→「海軍航空隊年誌」1961がヒット
- 事前調査事項
- NDC
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- 海軍 (397 9版)
- 戦争.戦略.戦術 (391 9版)
- 参考資料
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- 安城市歴史博物館/編. 安城歴史研究 第20号. 安城市教育委員会, 199503.
- 安城市歴史博物館/編. 安城歴史研究 第27号. 安城市教育委員会, 200203.
- 零戦搭乗員会/編. 海軍戦闘機隊史. 原書房, 1987. , ISBN 4-562-01842-9
- 近現代史編纂会/編、木俣 滋郎/〔ほか〕著. 航空隊戦史. 新人物往来社, 2001. , ISBN 4-404-02945-4
- 鈴木 丹/著. 明治基地と海軍航空隊. 鈴木 丹, 1995.
- 伊藤 厚史/著. 学芸員と歩く愛知・名古屋の戦争遺蹟. 六一書房, 201603. , ISBN 978-4-86445-082-9
- 安城市歴史博物館/編. 安城歴史研究 第28号. 安城市教育委員会, 200303.
- 安城市歴史博物館/編. 戦争のなかに生きる 戦時下の日常生活と明治航空基地. 安城市歴史博物館, 200407.
- 防衛庁防衛研修所戦史室/著. 陸軍航空の軍備と運用 3 大東亜戦争終戦まで. 朝雲新聞社, 1976. (戦史叢書)
- キーワード
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- 明治航空基地(メイジコウクウキチ)
- 海軍(カイグン)
- 航空(コウクウ)
- 明治航空(メイジコウクウ)
- 一般書
- 安城
- 郷土
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000345409