レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/05/31
- 登録日時
- 2022/07/13 00:30
- 更新日時
- 2022/07/14 00:30
- 管理番号
- 6001056510
- 質問
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解決
ショロトルという犬の神話について書かれている資料を紹介してほしい。泣きすぎて目が落ちてしまったらしい。
- 回答
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ショロトルは、アステカ神話に登場する犬の頭を持った神であることが分かりました。
ショロトルについての記述がありました資料を紹介します。
< 図書 >
・『世界神話伝説大系 16 メキシコの神話伝説』(名著普及会 1980.3)
本書では、ショロトルは「ソロトル」と表記されています。
p.51-52 「第1編ナファ族 II [ローマ数字の2] メキシコの神々」に「ソロトル神」の項目があります。
p.61-62 「第1編ナファ族 III [ローマ数字の3] ナファ族の神話伝説」に「目が泣いて抜け落ちた神」の項目があり、泣きすぎて目がおちてしまったというショロトルの逸話が紹介されています。ただし、著者はp.52で、ショロトルの目が無い理由の説明は難しく、泣いて目が落ちてしまったというような逸話も神の異様さを出すために後で作られたものであろうと書いています。
・『世界大百科事典 21 ナ-ニン 改訂新版』(平凡社 2007.9)
p.168 「なみだ」の項に、「また、古代メキシコの神ショロトルは友の死を悲しんで泣くあまり、涙で両眼が流出してしまった。」という記述があります。
・『世界大百科事典 28 メ-ユウ 改訂新版』(平凡社 2007.9)
p.5 「め」の項に、「ナワ族神話のショロトルは、太陽に光を与えるため犠牲となって死んでいく仲間を悲しんで泣いたあまり、両眼が眼窩から流れ出てしまった。」という記述があります。
以下の資料には、泣きすぎて目がおちてしまったという逸話は記載されていませんでした。
・『神の文化史事典』(松村一男/編 平藤喜久子/編 山田仁史/編 白水社 2013.2)
p.270 「ショロトル」の項目があります。
・『世界神話辞典』(アーサー・コッテル/著 左近司祥子[ほか] /訳 柏書房 1993.9)
p.300 「ショロトル」の項目があります。
*片目がつぶれているという記述があります。
・『世界神話伝説大事典』(篠田知和基/編 丸山顯徳/編 勉誠出版 2016.8)
p.663 「ショロトル」の項目があります。
・『世界神話大事典』(イヴ・ボンヌフォワ/編 金光仁三郎/主幹 安藤俊次[ほか] /共訳 大修館書店 2001.3)
p.1274 「IV [ローマ数字の4] .星と惑星」の項目に、ショロトルに関する記述があります。
・『世界の神話伝説図鑑』(フィリップ・ウィルキンソン/編 井辻朱美/日本版監修 大山晶/訳 原書房 2013.4)
p.43 「冥界」の項目に、イラストとともにショロトルの説明があります。
・『図説マヤ・アステカ神話宗教事典』(メアリ・ミラー/編 カール・タウベ/編 増田義郎/監修 東洋書林 2000.9)
p.176-178 「ショロトル」の項目があります。ショロトルのイラストもあります。
p.202 「創造譚」の項に、ショロトルに関する記述があります。
・『ヴィジュアル版世界の神話百科:アメリカ編』(D.M.ジョーンズ/著 B.L.モリノー/著 蔵持不三也/監訳 原書房 2002.8)
p.253-254 「ショロトル」の項目があります。
p.254 像の写真があり、ショロトルに関するキャプションが付いています。
p.261 像の写真があり、ショロトルに関するキャプションが付いています。
・『アステカ・マヤの神話(丸善ブックス 044)』(カール・タウベ/著 藤田美砂子/訳 丸善 1996.3)
p.17-18 「双子」の項に、ショロトルに関する記述があります。
< WEB >
東洋大学文明学会のウェブサイトで公開されている次の論文において、ショロトルについての記述を確認しました。
・吉田晃章「先スペイン期メソアメリカにおけるイヌの象徴性―中米の世界観に関する一試論―」『文明研究』第27号(東海大学文明学会 2008)(2022/5/31現在)
http://civilization.tkcivil.u-tokai.ac.jp/img/tkc2701.pdf
アステカにおける犬の象徴的意味を考察しており、2章及び3章を中心にショロトルへの言及があります。
*泣きすぎて目がおちてしまったという逸話の記載はありませんが、p.9-10において「ショロトルは、泣いて目を腫らし」、「泣きあかしたためか涙、あるいは眼球が飛び出している」という記述があります。
また、上の論文の末尾に掲載されているショロトルが描かれている絵文書の写真は、メソアメリカ研究振興財団のウェブサイトで閲覧することができます。
・「Loubat CODICES(Foundation for the Advancement of Mesoamerican Studies, Inc.)」(2022/5/31現在)
http://www.famsi.org/research/loubat/index.html
[事例作成日:2022年5月31日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 神話.神話学 (164 10版)
- 参考資料
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- 世界神話伝説大系 16 名著普及会 1980.3 (51-52, 61-62)
- 世界大百科事典 21 改訂新版 平凡社 2007.9 (168)
- 世界大百科事典 28 改訂新版 平凡社 2007.9 (5)
- 神の文化史事典 松村/一男∥編 白水社 2013.2 (270)
- 世界神話辞典 アーサー・コッテル∥著 柏書房 1993.9 (300)
- 世界神話伝説大事典 篠田/知和基‖編 勉誠出版 2016.8 (663)
- 世界神話大事典 イヴ・ボンヌフォワ∥編 大修館書店 2001.3 (1274)
- 世界の神話伝説図鑑 フィリップ・ウィルキンソン∥編 原書房 2013.4 (43)
- 図説マヤ・アステカ神話宗教事典 メアリ・ミラー∥編 東洋書林 2000.9 (176-178, 202)
- ヴィジュアル版世界の神話百科 D.M.ジョーンズ∥著 原書房 2002.8 (253-254, 261)
- アステカ・マヤの神話 カール・タウベ∥著 丸善 1996.3 (17-18)
- http://civilization.tkcivil.u-tokai.ac.jp/img/tkc2701.pdf (吉田晃章「先スペイン期メソアメリカにおけるイヌの象徴性―中米の世界観に関する一試論―」『文明研究』第27号(東海大学文明学会 2008)(2022/5/31現在))
- http://www.famsi.org/research/loubat/index.html (「Loubat CODICES」(Foundation for the Advancement of Mesoamerican Studies, Inc.)(2022/5/31現在))
- キーワード
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- ショロトル(ショロトル)
- 神話(シンワ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000318678