レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/12/14
- 登録日時
- 2022/02/26 00:31
- 更新日時
- 2022/02/26 00:31
- 管理番号
- 6001055033
- 質問
-
解決
近代以降の桜井駅の顕彰に関する資料はあるか。
- 回答
-
近代以降の桜井駅の顕彰について、次の資料に記載がありました。
■『大阪府名所旧蹟案内』(大阪府 1914)
p.76-78に「桜井駅址」の項目があり、概要と当時の写真が掲載されています。
本資料は「国立国会図書館デジタルコレクション」でも閲覧可能(47コマ目)(2022/2/24現在)。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/952179
■『大阪府全志 巻之3』(井上正雄/著 大阪府全志発行所 1922)
p.664-672にかけて「桜井駅跡」に関する記述があります。
本資料は「国立国会図書館デジタルコレクション」でも閲覧可能(360コマ目)(2022/2/24現在)。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/965800
■『大阪府史蹟名勝天然記念物 第2冊』(大阪府学務部/編 清文堂出版 1974)
初版の発行は1931年(昭和6)です。p.194-196に「楠公父子訣別処」として石碑の概略および碑文が記載されています。近代以降の沿革については「近年地域を拡張し一大巨碑を建てたり」との記述があるのみです。
本資料は「国立国会図書館デジタルコレクション」図書館送信資料として閲覧可能(永続的識別子:info:ndljp/pid/9572913)。
なお、『三島郡の史蹟と名勝』(天坊幸彦/著 天坊裕彦 1961)p.143-144にも同一の文章が掲載されています。
■『楠木正成』(大谷晃一/著 河出書房新社 1983.6)
1923年(大正12)生まれの筆者が小学校4年、5年生のあたりで桜井駅跡に遠足へ行ったことを回想した記述があり、「いかつい石碑がいくつも建てられていた。乃木希典大将や東郷平八郎元帥の碑文は難しくて読めなかった。桜井駅址というのは実に広かった」(p.286)とあります。
■『水無瀬野をゆく』(奥村寛純/編著 郷土島本研究会 1988.3)【328/1811/#】
「桜井駅跡」の項(p.10-18)に、桜井駅の跡地の碑文に関する記載があります。
■尾谷雅比古/著「明治期における地域の楠公父子顕彰」『近代天皇制と社会』(高木博志/編 思文閣出版 2018.10)p.145-176
「大阪府権知事渡辺昇と桜井駅」の項(p.152-153)に、桜井駅の跡地の碑文に関する記載があります。
■『日本人の心 楠木正成を読み解く』(産業経済新聞社 2020.5)
p.66-67で乃木希典が取り上げられており、楠公の遺跡に対して僭越であるとして桜井駅跡の石碑の揮毫依頼を当初固辞した逸話が紹介されています。
●上野正博/著「島本町の近代建築散歩」『水無瀬野 2(3)』(郷土島本研究会 1987.9)p.21-28
p.21に桜井駅跡近くに1935年(昭和10)建てられた「麗天館」(現:島本町立歴史文化資料館)の記述があり、「戦前は、楠公精神鼓吹の場として有名」とあります。
●上野正博/著「聞き書き桜井射撃場復元」『水無瀬野 2(6)』(郷土島本研究会 1988.3)p.62-66
桜井駅跡近くにあった桜井射撃場について記された記事です。射撃場が完成した1940年(昭和15)当時の桜井駅跡の様子について「正成父子ゆかりの桜井駅跡は聖地と見なされ、昭和15年頃もお参りに来る人が絶えなかったということです」とあります(p.62)。
また、「在郷軍人会大阪支部は桜井駅跡を意識してこの射撃場を設定したと思われます」(p.63)とあります。
●森正人/著「1930年代に発見される楠木的なるもの」『人文論叢 26号』(三重大学人文学部文化学科 2009)
p.157に三島郡の小学校長楠公顕彰会による桜井駅址の石像建設計画などについて記されています。
なお、本資料は「三重大学学術機関リポジトリ」でインターネット上から閲覧可能(2022/2/24現在)。
http://hdl.handle.net/10076/10660
●尾谷雅比古/著「明治150年と明治前期の楠公顕彰」『大阪春秋 46(1) <170>』(新風書房 2018.4)p.40-43
p.41に「大阪府権知事渡辺昇の建碑」として1876年(明治9)に建碑された石碑に関する記述があります。
■『大楠公と頼山陽』(木崎好尚/述 一新社 1932)※大阪府立図書館未所蔵
p.37-38にかけて桜井駅に建立された明治天皇碑に関する記述があります。
本資料は「国立国会図書館デジタルコレクション」で閲覧可能(27コマ目)(2022/2/24現在)。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1090226
■『楠公遺蹟帖』(※大阪府立図書館未所蔵。国立国会図書館デジタルコレクション図書館送信資料で確認。永続的識別子:info:ndljp/pid/1037282)
p.27に桜井駅跡に関する記述があり、「英国公使パークスの撰文を刻した石碑がある。明治9年の建設にかゝる。別に乃木大将の筆になる記念碑がある」とあります。
[事例作成日:2022年2月24日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 10版)
- 参考資料
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- 水無瀬野 郷土島本研究会 2(1-18) 2巻目次・索引
- 大阪府全志 巻之3 井上/正雄∥著 大阪府全志発行所 1922 (p.664-672)
- 大阪府名所旧蹟案内 大阪府 1914 (p.76-78)
- 大阪府史蹟名勝天然記念物 第2冊 大阪府学務部∥編 清文堂出版 1974 (p.194-196)
- 日本人の心 産業経済新聞社 2020.5 (p.66-67)
- 楠木正成 大谷/晃一∥著 河出書房新社 1983.6 (p.286)
- 近代天皇制と社会 高木/博志‖編 思文閣出版 2018.10 (p.145-176)
- 大阪春秋 新風書房 新風書房 1973.11-2021.4 46(1-4)<170-173>(2018.4-2019.2) (p.40-43)
- 水無瀬野をゆく 奥村寛純編著 郷土島本研究会 1988.3 (p.10-18)
- http://www.jinbun-db.com/symposium/archives/20 (岡本真生/著「近現代における楠木正成公の遺蹟の変遷と現状」(人文系データベース協議会))
- https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1090226 (『大楠公と頼山陽』(国立国会図書館デジタルコレクション))
- http://hdl.handle.net/10076/10660 (森正人/著「1930年代に発見される楠木的なるもの」(三重大学学術機関リポジトリ))
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 大阪,地名・地域
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000312627